5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

学術会議のシンポジウムでポスドクが講演するというのはどうでしょう

 仙台通信のosumiさんからすでに案内がありますが、日本学術会議主催、生物科学学会連合後援の公開シンポジウム「研究・教育者等のキャリアパスの育成と課題」が開かれます。
1.主 催 日本学術会議 基礎生物学委員会・応用生物学委員会合同生物科学分科会
2.後 援 生物科学学会連合
3.日 時 平成19 年10 月18 日(木)13:00~18:00
4.場 所 日本学術会議講堂
 開催趣旨には、まさにポスドク問題が大学・大学院教育を蝕み始めている「危機感」がうかがわれます。全文転載します。
開催趣旨
 大学院重点化とポスドク1万人計画の施策によって,わが国のサイエンスを担うべき高学歴の若者の数は大幅に増加した。しかし,その出口が増えないために,ポスドクを何度も繰り返して定職に就けない研究者が蓄積し始め,それを見ている大学院生や学部学生が,サイエンスの道へ進むことをためらい始めている。その傾向は,とくに生物科学の分野に顕著である。アカデミアのみならず,産業界,教育界等に博士取得者を生かすキャリアパスを育成することが急務であり,そのような提言が各方面からなされつつあるが,現状は依然として楽観できる状況にない。本シンポジウムでは,この厚みを増した博士取得者層とサイエンスを目指す学生に明るい展望を拓くために,産官学の各界の知恵を結集し,どのような取り組みが有効となるかを考えたい。
 osumiさんから、「労働問題としてのポスドク問題」に、「パネリストとして参加しますが、その際に使えるような、「最新の」ポスドク・大学院生の意見や実態、大学サイドの改善点等についての資料が集まれば、是非紹介させていただきます」とのコメントが寄せられました。ありがとうございます。ただ、個々人が散発的にいろいろな意見や資料をosumiさんに送ってもなかなか使いにくいと思われますので、もしも可能ならば、どなたか中心となりネット上でwikiなどを立ち上げて意見や資料収集をしてみてはいかがでしょうか【提案1】。小さなアクションですが、最初の活動としては大きなチャンスだと思います。

 ここまで書いてきて、私はポスドクの方がこのシンポジウムに乗り込んでいって話をさせてもらうというのがもっとも効果的なアピールではないかと思い始めました【提案2】。どなたか、名乗り出ようという方はいらっしゃらないでしょうか。ポスドク・ユニオンがある程度の形になっているのであれば、そこから代表を送るというのがもっとも良いのでしょうが、まだまだ構想以前の段階ですので、このイベントには間に合いそうもありません。そこで、今回は飛び込んでみようという方が個別に申し出るしかないと思います。

 もちろん、主催者側が受け入れてくれなければ話にならないのですが、後援予定の方々は、東京大学副学長・生物科学学会連合代表、東京大学大学院理学系研究科教授・日本学術会議生物科学分科会委員長、東京大学分子細胞生物学研究所教授・日本学術会議生物科学分科会副委員長、東京大学名誉教授・元文部大臣・日本科学技術振興財団会長、文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課長、その他3,4名となっています。もちろん、皆さま方いろいろなことを見聞きしていらっしゃる見識の広い肩だとは思いますが、やはり現場のポスドク・大学院生の問題にその主人公が意見を述べないというのは片手落ちという感は否めません。ポスドクが講演するということになると、この時代ですので報道価値がグンと上がります。少なくとも毎日や読売、それに朝日は飛びついてくるでしょう。それは学術会議にとっても歓迎すべきことだと思います。

 「ポスドクも動きだそう」と言った時に、日本ではそんなことをするのは「自殺行為」であるというコメントもあったように記憶していますが、今時代は動きつつあります。確かに、日本の伝統として「出る杭は打たれる」という傾向があったことは事実なのでしょうが、これからは違う反応も十分期待できるのではないかという予感がします。つまり、もしも運良くこのシンポジウムでインプレッシブなトークをすることができた人には、企業や研究所、さらには先進的な大学から即オファーが殺到するなどということも、あながち夢物語と片づけられないかもしれません。

 同じように、自分のことだけではなく、ポスドクや後輩大学院生全体の利益を考えて動き、それなりの業績を残した人は、社会から正当に評価され適切なポジションが提供されるというケースも、今後はどんどん出てくると思っています。もちろん、そのムーブメント自体をビジネスにしてしまって自立するということも同じくらい可能性があることだと思います。

 そう考えると、外へ外へといろいろな活動ができる可能性も見えてくるのではないでしょうか。時代は、「くだらんことやっていないで、研究して論文書け」から、「何でも良いから、ともかく動け」なのかもしれません。

 ちなみにシンポジウムの問い合わせ先は、理化学研究所・中野生体膜研究室御中です。ご迷惑かもしれませんが、ネットで公開されていますので転載させていただきます。(E-mail:kfukaya(半角で@)riken.jp)
Commented by Motomu Shimaoka at 2007-08-14 08:55 x
stochinaiさん、
熱い議論と提言をいつも興味深く拝見しております。「ポスドク問題:National Academyの提言を参考に」でトラックバックさせていただきました。
Commented by stochinai at 2007-08-14 09:05
 すみません。またTBをうまく受け止められていないようです。
>皆さま
 島岡さんからの提言は、こちらです。
http://harvardmedblog.blog90.fc2.com/blog-entry-124.html
Commented by enoki at 2007-08-17 00:15 x
私も出られたら出たいですが、ポスドクじゃないから…
かつての私の師匠、浅島先生もでるのですね。
by stochinai | 2007-08-13 17:57 | 科学一般 | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai