5号館を出て

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博士版インターンシップがうまくイメージできません

 日経ネットより
 文科省、即戦力の博士養成・500人を就業体験に派遣
 文部科学省は2008年度から産業界と連携し、理系の博士課程の学生やポストドクター(博士研究員)を企業へ長期間派遣する「博士版インターンシップ」を始める。コミュニケーション能力や商品開発など事業につながる知識を獲得してもらい、即戦力の研究者を育成する。初年度は約500人派遣する計画。博士の高い専門知識を競争力向上に結びつける狙いだ。

 政府は科学技術立国の要として理系博士号取得者数を増やすとしており、毎年約6000人の理系博士が誕生している。しかし就職難の状態。日本経団連の調査では企業の技術系採用者に占める博士は2.9%。専門知識を評価する一方、コミュニケーション能力や協調性の欠如などを敬遠理由に挙げている。(07:00)
 osumiさんが書いておられるように、ネットで検索しても「元ネタ情報」を発見することができません。文科省のサイトにも何も書いてありません。日経の記者だけに「関係者」がリークした情報なのでしょうか。

 記事をそのまま信用すると、これは文科省が企業へ博士課程学生やポスドクを長期間派遣する事業のようですから、派遣される人には文科省から「給与」が出ることになるのだと思います。また、派遣が「長期間」にわたるということですので、少なくとも3ヶ月、おそらくは半年や1年の派遣になるのではないでしょうか。学振などの事業との関係もあるので、1年単位というのが整合性の上からいっても適切な感じがします。

 こうして文科省から給料をもらいつつ、企業活動の中に身を置いて企業を知ることができるというのは好ましいことにも思えますが、インターンシップを受けた人の将来はどうなるのでしょうか。インターンシップですから、企業としては採用にあたってその人を特別扱いしないという建前になっているでしょうが、事実上は文科省が給与を払うお試し採用期間ということになるような気もします。企業に気に入られればそのまま採用されそうですが、もし気に入られなければ、、、どうなるんでしょう。

 大学などの研究機関で研究者としてやっていこうと思っている人にとっては、博士課程やポスドクの時期に企業で1年をすごす(つまり、研究室での研究三昧とは違う)生き方をすると、「業績競争」においてはかなりのハンディを負うことになりそうですから、独立研究者を狙っている人の中には、この話にあまり乗り気になれない人がいるような気もします。そういう人は学振の特別研究院を狙い、企業を狙っている人はインターンシップを狙いという住み分けが上手くできれば良いとは思います。

 一方、インターンシップで落ちこぼれた人は、研究職へとUターンするのも難しく、さりとて企業からもあまり良い評価をもらえなかったということになると、行き先を探すのが難しくなるような気もします。この脱出口がうまくデザインされるといいのですが、、。

 先日の「理系キャリアデザイン・シンポジウム」でも、リクルートの人が博士やポスドクがどうして就職できないかという原因について、この記事の最後に書いてあるのと同じ「コミュニケーション能力や協調性の欠如など」が問題にされているようだとおっしゃってましたので、企業側としてはある意味で結論が出てしまっているのかもしれません。

 しかし、そうだとすると最初に変わるべきは大学であって、大学院生を減らす予定がないのならば、研究の時間を削ってもキャリア教育をしなければならないというのが、議論の帰結になると思われるます。文科省としてはその点に関して、「強力な指導」がされているのでしょうか。それとも、言わずもがなでグローバルCOEの選定基準になっていたりするのでしょうか。

 いずれにせよ大学および大学院のカリキュラムの中で本格的なキャリア教育をしようとすれば、大学・大学院にそういう教育を専門に行う教員が必要になります。おそらく現時点では、そうした専門教員はほとんどいないと思いますので、まずはその教員の増員というのが必要ではないかと思います。もちろん、今いる「不要な」教員とトレードという案がもっとも実現可能性が高そうではあります。
Commented by enoki at 2007-08-20 19:52 x
文科省は既に

派遣型高度人材育成プラン
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/sangaku/index.htm

をやっていますが、これを拡充するということなのでしょうか。
Commented by stochinai at 2007-08-20 20:48
 すでにやっていたのですね。でも、やはり現在の大学院教育カリキュラムとの整合性が、今ひとつ見えないのですが、実際にどんなふうにやっているのかが知りたいところです。
 こういうプログラムを大学院のカリキュラムに手をつけずに導入すると、今の大学院生の時間のかかる就職活動の場合と同じく、結果的に「単位偽装」状態で卒業させるということになってしまいます。
Commented by ポスドク問題? at 2007-08-20 22:13 x
う〜ん、そういうスタンスでは正直どうかという気もしますよ。学界には学界の論理があり、経済界には経済界の論理があります。学問研究のために発展してきた大学院の独特な風習を企業の論理で裁くのが無意味なのと同様(ここでもその手の書き込みが多くうんざりしましたが)、企業の風習、考え方を大学の論理で割り切るのも無意味な気がします。大学の都合もあって「捌ききれないほど」沢山作ってしまった博士を経済界で使ってもらうには、経済界の論理に取り合えず「入門」させるのがいいんじゃないでしょうか。せっかくこういう話が出てきたので、とりあえずポジティブに考えて、積極的に大学のカリキュラムに組み込んでいくのが良策なのでは。

時が経ち企業の上層でも博士号が当たり前みたいになった頃には、両方の論理が近くなるんだと思います。
Commented by A at 2007-08-20 23:04 x
どうでしょう。企業就職を目指す博士の中には、博士だからと頭ごなしに拒否せずに、一回取ってみてから判断して欲しいと思っている人もいるのではないでしょうか。そういう人には朗報でしょうか。
 また大学側にとってもこれは博士を売り込むチャンスだと思います。この500人が企業に受け入れられて活躍すれば、さらなる博士の雇用も増えるかも知れません。これは博士の価値を増すことになるでしょう。逆にここで実際一緒に仕事をしてみてやっぱり使えなかったということになると、企業と大学の溝はさらに深まるでしょう。出来ることならここで優秀な人材を送り込むのが企業と大学双方に利があると思います。
Commented by 通りすがり at 2007-08-20 23:05 x
確かに、博士院生をみていると、これでは企業で使い物にならないと思う人も多い。工学部の一部教員を除けば、大学教員やポスドクで、民間企業の経験者は皆無であることも、大学院を企業では通用しない人間の養成所にしている一因だろう。

報道されたインターンシップは、企業からみれば、無償の労働力をタダで得られるオイシイ仕組み。そして、使えそうなら、企業が雇えば良いし、ダメなら、放り出せばいい。

企業が派遣会社を通じて、博士を雇うと、800万から1000万を払う。この政策だと、それがタダで済む。外国人の研修制度のように、企業が安価に労働力を得るための隠れ蓑になる気がする。

企業の文化を学ぶにしても、もう少し別なやり方が有ると思う。
Commented by 博士3年  at 2007-08-20 23:21 x
>外国人の研修制度のように、企業が安価に労働力を得るための隠れ蓑になる気がする。

文部科学省が予算を付けるといってるのだから、隠れ蓑になるというのはいいすぎなのではないですか。

学部生や修士の学生のインターンシップにも大学は単位を出すという話が一部の大学では進んでいます。
大学と企業の異なるプロフェッショナルを学ぶ貴重な機会と捕らえて、活用していってもらいたいものです。

行政も企業も学生も、今の大学にはほとんど期待できませんから。
Commented by 山岳 at 2007-08-20 23:44 x
なるよ。隠れ蓑。国が支援している産学連携でも企業の体のいい奴隷状態になってる薄給ポスドクがごまんといる。記録だけは残して公開したほうがいいよ。
Commented by ポスドク問題? at 2007-08-20 23:45 x
>工学部の一部教員を除けば、大学教員やポスドクで、民間企業の経験者は皆無である

教員に関しては単純に事実とは違います。工学部、理学部は企業の研究所との人事交流は結構ありますし、医学部、法学部と実社会の結びつきも当然つよいです。経済学部、経営学部も企業出身、官界出身の「実務家」多いですし。

企業に得があるとありますが、そこに書かれている額全部が得になるかはともかく、一方が得をしたら一方は損という訳ではないですよね。双方に利益があるのが、いい政策です。他に対抗案を出すもよし、これを実効性のある政策にしていくよう努力するもよし、じゃないでしょうか。
Commented by 通りすがり at 2007-08-21 01:55 x
> 教員に関しては単純に事実とは違います。

ポスドク問題は理系の話なので、理系に限ったこととして発言しました。

さて、人事交流は有るかも知れませんが、では、逆に聞きますが、国立大学の理学部、農学部、薬学部などに、企業人でマトモに働いた教員が何人いるか、適当な大学の例をあげて頂けませんか?

自分の周囲では、企業経験のある教員は1割にも満たないのですが。。

マル合の審査でも、企業経験者は、実務家教員という別枠で、教員定員に対する割合も最大XX%と決められています。学部の主力となって学生の教育を担う立場の人は殆どいない気がしますが、間違っているのでしょうか?

企業に得があるからダメというのではなく、「企業の食い物にされる」余地がある制度はまずいと言っているのです。私も双方に利益が有る政策がいいと思います。
Commented by 通りすがり at 2007-08-21 02:07 x
「企業に食い物にされる」心配をするのは、産学連携プロジェクトやナショプロ等の政策的予算を、金儲けの対象としかみていない大企業の例を、みたことが有るからです。

先日の日経新聞に記事が有りましたが、学部や修士のインターンは、1-2日が主流で、1週間のインターンはかなり減っているそうです。
なぜ、博士院生やポスドク経験者だけ、数ヶ月~1年ものインターンシップが必要なのでしょうか?3年余計に大学院に行くと、そんなに何ヶ月も教育されないと駄目なほどの不適格者になるのでしょうか?

不思議に思いませんか?
Commented by D2 at 2007-08-21 09:39 x
コミュニケーションや会社のノウハウを叩き込むのなら、
こんな1年限定で大学院の貴重な研究時間を足られるリスクよりも、
先生をばりばりの社会人経験者にしたら
こんなシステムをわざわざとらなくてもいいんじゃないか?
これなら、3年間みっちりしごいてくれるわけだし、
すくなくとも会社のコミュニケーションはしっかり見につくと思いますが。
だいたい、コミュニケションやらが問題なら
根本的に教育すべきは学生でなくて先生だと思いますけど。

こんなとりあえずやってますよ的な政策は
国側が言い訳するための政策でしかないと思う。
インターンシップを半年から1年間という中途半端な期間行うのは
少なくとも学生にメリットはない。
行うなら少なくとも1ヶ月ぐらいで、どうか決めてもらう。
実際プロの人事なら1週間でも見極められると思う。
だめなら次へで2-3回チャンスのあるほうがいいと思う。
期間が長いと、会社にとって都合のいい、
無償の労働力になる感が否めない。
Commented by クモノス at 2007-08-21 13:47 x
所詮、日本に於いては研究者という特権を手に入れられるのは、極一部でしかないのですから、博士号を取っても野に下るという事があるのは当然と考えるべきで、オレは博士だから事務は嫌とか営業は嫌とか言えば給料貰えないのは当然でしょう。ポスドクの問題は、本人が考えるべきものであり、大学や企業が妙な保護をすれば、ますます自立できない高学歴子供が蔓延してしまうのではないかと考えます。日本の大学で研究者としての居場所が見つからないのら、アメリカでもどこでも出て行くという覚悟がなければ、学者としてであれ企業人としてであれ一流になどなれないと思います。
Commented by A at 2007-08-21 16:20 x
博士の皆さんは、せっかく間口が開いていても、ただ働きさせられるだけとか何とか理由をつけて踏み出さないつもりですか? 他の何かすばらしい救済策を国が与えてくれるのを待っているんですか? そもそもたった2、3万人の博士やポスドク問題のために、どれだけの優遇策が引き出せると期待しているのですか?
実のところうんざりです。博士の皆さんはそんなに偉く、貴重な人材なのですか? だったらご自分の力で簡単に就職口を見つけられたらどうでしょう。自分で起業したってかまわないんですよ。ポストポスドク問題の解決は、ポスドクや博士が自分自身の価値を見つめ直すところから始まると思っています。
Commented by stochinai at 2007-08-21 16:51
 国が決めたことですから、予算もつくし応募する博士課程の院生やポスドクも必ず出てくると思います。500人のトライアルの中から何十人かでもハッピーなマッチングが生まれればそれはそれで意味のあることだと思います。

 Aさんがおっしゃるように「待っている」だけではなかなか期待するもの(何を期待しているか、政府や企業は知っているでしょうか)は出てこないでしょう。だからこそ、ポスドクが声をあげる必要があるのだと思います。「戦え」と言っているわけではなく、ポスドクの置かれた状況と、ポスドクが考えていること、そして期待していることを、機会あるごとに発言していくことが大切だと思います。
Commented by 博士は at 2007-08-21 16:58 x
専門能力自体は高いわけで、そういう専門家の活躍するシリコンバレーみたいなのを官僚は期待してたんでしょうね。しかし日本のベンチャーは黎明期でみなコケたため、アメリカのような受け皿がなかった。それが官僚の誤算でした。そのために学生が博士のような専門化を避けるようになると、結局困るのは日本の将来なんだけど、これは仕方ないですね。
Commented by derodero at 2007-08-21 19:23 x
今回のこの処置は非常にありがたいことだと思う。現状のポスドク問題を国が認めているということにもなるので。これからいろいろなことが解決されていくきっかけになって欲しい。ただ、これは一時的に増えた博士さんたちを救済する措置であって、数十年後の博士たちを救済する恒久的なものであってはいけないと思う。あくまでも博士は研究者になるのがメイン。こらからも余剰博士が増え、企業にどんどん博士が流れていくのは問題だと思う。理由はいろいろありますが、その1つは、あくまでも博士課程は学問であって商売でないこと。また、企業で研究者として働き続けられるのはほんの一部の人間しかいないこと。ほとんどの人は転属になり、研究から離れていく。そうなると、博士の人口は増えるが実際に研究を行っている人口は減るなんてことが将来起こりうるかもしれない。そうなると、国際競争力が大幅減なんてことも...。それなら、博士に進まずに、修士・学士で研究職で活躍した方が企業も本人も親も嬉しいのでは?なぁんて、考えてます。では、では。
Commented by 論博早期廃止! at 2007-08-22 02:49 x
修士就職組みの論文博士を早く全廃してほしい。

そんなに企業で博士が大事なら、課程博士から採用してほしいもの。
Commented by 通りすがり at 2007-08-22 09:35 x
私はクモノスさんと同意見です。

> 博士号を取っても野に下るという事があるのは当然と考えるべきで、
> オレは博士だから事務は嫌とか営業は嫌とか言えば給料貰えないの]
> は当然でしょう。ポスドクの問題は、本人が考えるべきものであり、
> 大学や企業が妙な保護をすれば、ますます自立できない高学歴子供が
> 蔓延してしまうのではないかと考えます。日本の大学で研究者としての
> 居場所が見つからないのら、アメリカでもどこでも出て行くという覚悟が
> なければ、学者としてであれ企業人としてであれ一流になどなれないと思います。

だから、企業を知るためのインターンシップなら、最大で1ヶ月で充分だと思います。それでも踏ん切りがつかない奴は放置すればいい。

また、改革すべきは教員の意識と思います。企業を知れとは言いませんが、現状のようなコネや学閥を重視する採用は止め、アメリカのようにアカポスといえども一定の就職活動をし職を得る、という当たり前のシステムを作れば良いと思います。
そうすれば、学生の就職のことを少しは理解できる教員が増えると思います。
Commented by 米理科 at 2007-08-22 10:46 x
アメリカのようにしたいなら、周辺状況もアメリカ並みにしないと。一部だけ持ってきてもまた失敗ですよ。
Commented by 通りすがり at 2007-08-22 14:44 x
「アメリカのように」は、企業就職のようにとして頂いても結構です。企業就職と書くと反発も有ると思ったので、アメリカのようにとしました。

つまり、
企業就職のようにアカポスといえども一定の就職活動をし職を得る、という当たり前のシステムを作れば良いと思います。
Commented by 大してかわらないよ at 2007-08-22 18:47 x
企業就職だってタイミングもあれば時代の影響もあるし、コネだってあるでしょ。同じことですよ。
Commented by 通りすがり at 2007-08-22 20:24 x
予想通りのこめんとです。

企業就職でも、確かにコネは有ります。それも否定しません。しかし、今の大学教員のように、コネで就職した者が7-8割の会社って、あまりないと思います。
Commented by 通りすがる at 2007-08-22 21:08 x
予想通りのこめんとです。

大学を大企業とみるのが間違いで、実際は5-10人程度の(中)小企業の集まりなんだよね。それがいいとはいわないけど実体としてそうなわけ。そういうとこでは社長の胸先三寸だよね。
Commented by 予算の枠組みで考えるべき at 2007-08-22 21:33 x
確かに研究室は中小企業とみることも出来る。

PIが獲得した競争的研究費の裁量内の、テクやポスドクや特任教員の採用は、仕事が上手くまわるなら、中小企業と同じでも良かろう。

ただし、大学教員(PI)は別だと思う。PIの給料は、大学から出るから、公募が過半数で有るべきだと思う。

多少極端な比較だが、田舎の小さな小学校なら、教員が5-10人の学校もあるだろう。しかし、中小企業と同じで、校長の胸先三寸なんてコメントは絶対に出てこない。大学が変わる必要がある。
Commented by alchemist at 2007-08-23 09:43 x
>今の大学教員のように、コネで就職した者が7−8割の会社
ラボ・ヘッドに関しては完全公募が多いのでは?
ラボ・スタッフについては会社付属の養成学校(つまり大学院)から採用することもあれば、公開マーケット(学会など)で観察して出来るヒトを一本釣りをすることもあるし、取引先の養成学校から良いヒトを紹介してもらうことも。
超零細企業(スタッフ2、3人、見習いまであわせて10人程度)ならば、候補者を知っている範囲で最も効率良く組織の業績が上がりそうなヒトを採用することは特に問題ではないか、と。
Commented by 最近は at 2007-08-24 23:34 x
ラボヘッド(教授)の公募は、形だけではない本当の公募が多いと思います。
しかし、教授職に就く人を全体としてみると、公募採用よりも、内部昇進が多い訳です。現在働いている教授の多くは、コネで助手、講師、などになり、そのまま持ち上がって来た人が相当数います。それに、現時点での助教~准教授を加えると、やはり大学教員の7-8割がコネ就職の気がしますが如何でしょうか?
Commented by alchemist at 2007-08-25 15:04 x
大学あるいは学部によるのではないでしょうか?私の所属学部の場合、確かに古い大学ですので内部の方が有利ではありますが、外部からの応募者と比較して業績が7、8割を切ってしまうと当選は難しくなるようです。この程度の差であれば、将来的には逆転可能ですので、コネというほどのことはないと考えます。
学部によっては助教授(准教授)になった後は、原則的に自動昇進という制度をとっていますが、この場合は助教授(准教授)の選考は完全に公募です。
それ以外の場合の准教授、助教の選考ですが、医学部の場合基礎と臨床で異なっているように見えます。基礎講座の場合は業績本位で外から呼んで来るケースが目立ちます。臨床の場合は、医局の中でのバランス人事が多いようですが、業績がなければ講師あたりで外の病院に就職することが多いように見えます。教授会での講師、准教授選考で拒否された例はありませんが、業績がないと批判票がかなり入りますので、それが抑止力になっているようにも見えます。できれば、講師、准教授選考の席で何を目的にした人事かフランクに議論できるようになれば好いのですが。
Commented by alchemist at 2007-08-25 15:04 x
(続きです)
私自身、プロモーションで大学を移動していた時に移動先のラボヘッドに面識がなかったワケではありませんが(専門が同じで面識がない方がおかしいですね)、基本的に業績で移動して来たと考えています。ということで、この10年余り自分の体験して来た学部でのコネ(実績がなくて情実)就職の比率が7ー8割に達するとは考えられません。そういうラボがないワケではありませんが、学部内で相手にされなくなってしまいます。
私の判る範囲での話ですが。
Commented by ある大学教員のたわごと at 2007-10-15 02:36 x
博士にそもそも”コミュニケーション能力や商品開発など事業につながる知識を獲得”させる必要があるのか?博士の能力を使いこなせない日本の会社に問題があるような気がする。
Commented by 通りすがり at 2007-11-20 05:46 x
古いところにコメントつけてすみません。検索して到達しました。

いま博士後期課程の1年生で今年 Microsoft Research という研究所でインターンシップをしてきたものですが、企業でのインターンシップといっても日本の大学なんかよりはるかにアカデミックな雰囲気で、それでいて実用も考えていてとても刺激になりました。Google のインターンシップに行っている人も、アカデミックな雰囲気はないそうですが、技術的にとてもおもしろいと言っています。NTT の研究所でもインターンをしていたことがありますが、日本の企業の研究所はアメリカと比べるとそんなでもないですが、インターンシップに関しては割と積極的です(内容も研究に近いものもあれば開発に近いものもあり、勉強になります)。
Commented by 通りすがり at 2007-11-20 05:48 x
(続きです)

結局のところ、学生が行きたがらないだけなんじゃないかと思います。それを行かせるインセンティブとして文科省が仲介する、という感じなんではないですか? インターンシップをした経験からは、なにかひとつ社会にインパクトある仕事しようと思ったら1ヶ月では無理、2ヶ月は必要、3ヶ月が適当、といったところでしょうか。半年-1年やる必要はないと思いますが(そうすると本当に研究に行きたい人はブランクになると困るので)。

ただ研究所にインターンシップに行った人でないと、どんなことするのか想像はつかないんだろうな、とは思います。自分も行って180度認識変わりましたので、これは政策でもなんででも、食わず嫌いはもったいなくて、みんな我先にと行きたくなるくらい推奨していいと思います。
by stochinai | 2007-08-20 19:15 | 科学一般 | Comments(31)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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