2007年 09月 12日
外国人に見せたくない退陣劇
今日の日本の政局にふさわしく、札幌の上空にも不気味な穴が空いていました。このあと、穴がふさがって一面の曇天になったのも、何か示唆的な光景ではありました。天気予報にはなかった雨までが降りました。
安倍さんは、今日の午後1時から国会での代表質問があることになっていて、直前にドタキャンする形で退陣を表明したことが、各方面から非難を浴びているようです。しかし、ギリギリまでなんとななるのではないかと引っ張っておいて、やっぱり何ともならないということで放り投げるという行動パターンは、安倍さんのような性格の人には充分に予想ができたことではないかと思います。
我々の業界で言うと、これは何ヶ月も前からシンポジウムなどで講演を依頼されていて、客観的に能力やスケジュールを考えるととても無理だということが、ずっと前からわかっているにもかかわらず、ぎりぎりまで断りの連絡をせず、どこからも援軍が来ず、奇跡も起こらないということを本人が納得してから、ようやく直前キャンセルということになって、多方面にご迷惑をかけるということに相当します。
まあ、学会程度の規模でならば、その与える影響はほんのわずかなので、笑い話ですませられることでもあるのですが、その人の信用はがた落ちになって、だんだんと依頼が減ってくるということになります。常習犯は、かなり早いうちに知れ渡るのです。
安倍さんが、おそらくそういう人であるということは、自民党の中ではすでに広く知られていたのではないかと想像されます。そう考えると、今回のドタバタ悲喜劇は安倍さん個人だけの責任というよりは、そういう安倍さんを総理にした自民党・公明党の全体としての責任も大きいと思います。もしも、安倍さんがそういう性格の人だとは知らなかったとしたら、今度はそういうことを知らなかったということで政党としての責任は免れないと思います。しかし、そういう発言をする人はほぼ皆無ですね。
さらに言うと、このような人間を総理にしてしまう政党に、選挙という意思表明をした上で、長年政府を任せている我々の責任もまた大きいということになります。
こういう日は外国のニュースを見ると、我がことのようにとても恥ずかしい気持ちになります。経済的には先進国になっているとしても、
今日の空のように、安倍さんの退陣が小さな光になるのか、それともやはり今日の空がそうだったように、それが周囲から押し寄せる黒い雲で塞がれてしまうのか、と考えるととても明るい展望はいだけそうにありません。
【追記】
まわりを見渡すと、最近は発表の直前になって突然病欠する学生も結構普通に見られるようになっています。さなえさんがおっしゃるように、こんな人間を育ててしまったのは戦後の「日本の教育、家庭教育、教育全般の大いなる敗北」であることを認めるべきだと思います。そして、そういう人間がリーダーシップをとってやっている「教育改革」などはさっさと旗をおろして、あらゆる無駄な委員会を解散すべきでしょう。特に、首相直属の「教育再生会議」は笑えないジョークになってしまいましたので、委員の方々は解散を待たずに逃げ出した方がよろしいかと思います。
我々の業界で言うと、これは何ヶ月も前からシンポジウムなどで講演を依頼されていて、客観的に能力やスケジュールを考えるととても無理だということが、ずっと前からわかっているにもかかわらず、ぎりぎりまで断りの連絡をせず、どこからも援軍が来ず、奇跡も起こらないということを本人が納得してから、ようやく直前キャンセルということになって、多方面にご迷惑をかけるということに相当します。
まあ、学会程度の規模でならば、その与える影響はほんのわずかなので、笑い話ですませられることでもあるのですが、その人の信用はがた落ちになって、だんだんと依頼が減ってくるということになります。常習犯は、かなり早いうちに知れ渡るのです。
安倍さんが、おそらくそういう人であるということは、自民党の中ではすでに広く知られていたのではないかと想像されます。そう考えると、今回のドタバタ悲喜劇は安倍さん個人だけの責任というよりは、そういう安倍さんを総理にした自民党・公明党の全体としての責任も大きいと思います。もしも、安倍さんがそういう性格の人だとは知らなかったとしたら、今度はそういうことを知らなかったということで政党としての責任は免れないと思います。しかし、そういう発言をする人はほぼ皆無ですね。
さらに言うと、このような人間を総理にしてしまう政党に、選挙という意思表明をした上で、長年政府を任せている我々の責任もまた大きいということになります。
こういう日は外国のニュースを見ると、我がことのようにとても恥ずかしい気持ちになります。経済的には先進国になっているとしても、
今日の空のように、安倍さんの退陣が小さな光になるのか、それともやはり今日の空がそうだったように、それが周囲から押し寄せる黒い雲で塞がれてしまうのか、と考えるととても明るい展望はいだけそうにありません。
【追記】
まわりを見渡すと、最近は発表の直前になって突然病欠する学生も結構普通に見られるようになっています。さなえさんがおっしゃるように、こんな人間を育ててしまったのは戦後の「日本の教育、家庭教育、教育全般の大いなる敗北」であることを認めるべきだと思います。そして、そういう人間がリーダーシップをとってやっている「教育改革」などはさっさと旗をおろして、あらゆる無駄な委員会を解散すべきでしょう。特に、首相直属の「教育再生会議」は笑えないジョークになってしまいましたので、委員の方々は解散を待たずに逃げ出した方がよろしいかと思います。
>外国人に見せたくない
失礼ながら、こういう言葉を見ると、まだ日本は精神的に鎖国してるのだと実感します。結局外国人にどう見られるかが問題なんですね。日本がいまだ世界の田舎だと実感しますよ。外国人に軽蔑されるとしたら、そういうオドオドした態度でしょう。
失礼ながら、こういう言葉を見ると、まだ日本は精神的に鎖国してるのだと実感します。結局外国人にどう見られるかが問題なんですね。日本がいまだ世界の田舎だと実感しますよ。外国人に軽蔑されるとしたら、そういうオドオドした態度でしょう。
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stochinai at 2007-09-13 18:02
コメントありがとうございました。
しかし、公務員が年金をネコババしたり、国会議員が税金を企業献金という形で還流したりという行政の私物化状態を見ていると、日本が政治体制に関しては極端な後進国であることを認めざるを得ないと思います。そして、毎日のように起こるこういう事例を起こしているのが、自分を含めた日本・日本人であり、それを心から恥ずかしいと思う自虐的な自分がいます。外国人は別に「神」でもいいのですが、自分を見るための鑑として引用した比喩にすぎません。
こうした恥ずかしい体制を直さずに精神だけ誇り高くしても、さらに恥ずかしさが増すような気がします。
しかし、公務員が年金をネコババしたり、国会議員が税金を企業献金という形で還流したりという行政の私物化状態を見ていると、日本が政治体制に関しては極端な後進国であることを認めざるを得ないと思います。そして、毎日のように起こるこういう事例を起こしているのが、自分を含めた日本・日本人であり、それを心から恥ずかしいと思う自虐的な自分がいます。外国人は別に「神」でもいいのですが、自分を見るための鑑として引用した比喩にすぎません。
こうした恥ずかしい体制を直さずに精神だけ誇り高くしても、さらに恥ずかしさが増すような気がします。
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by
miw
at 2007-09-16 14:36
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by stochinai
| 2007-09-12 23:13
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Comments(3)