5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

動物学会初日 「ポスドク問題を考える」

 朝9時から学会が始まりました。一般口演、ポスターセッション、また一般口演と6時まで続いた後、関連集会ということで「ポスドク問題を考える」まで、フルに参加しました。終わったのは9時過ぎです。

 弘前は異常な暑さで、南から来た人たちも暑い暑いと言いながら、弘前大学のキャンパスをうろうろしていました。そんな暑さの中、昼休みに構内でオンブバッタに出会い、ちょっとした涼しさを感じました。
動物学会初日 「ポスドク問題を考える」_c0025115_3233099.jpg

 「ポスドク問題を考える」では、ポスドクなどという制度の恩恵を被ることのできなかったシニアの女性研究者の方のお話から始まり、現役のポスドク女性の話の後、学術振興会の課長さんのRPDを代表とするポスドク制度の解説がありました。そして、最後に学術振興会の研究員になった動物学会会長の佐藤のりゆきさんの「ポスドク問題を考える」という話で締めくくられました。各講演の間と最後には参加者からの質疑応答やディスカッションが行われましたが、当然のことながらポスドク問題の究極の解決策が提案されることはありませんでした。

 印象に残ったのは、40歳以上のポスドクでは全年代を通じて女性の比率がもっとも高くなっているということでした。女性でポスドクというのは、やはり二重苦であることが如実に現れたデータだと思います。

 あとは佐藤さんの「ポスドクというのは、パーマネントの職に就くまでの移行期なのだから、せいぜい5年が限度だろう。10年や15年のポスドク生活というのは異常で、これこそがポスドク問題だ」という発言は、まったくそのとおりだと思いました。いつまでもポスドクを続けるのは間違いなく問題です。そして、ポスドクの後に「職」がないのは「ポスドク問題」というよりは「オーバードクター問題」と言うべきだろうとおっしゃっていました。オーバードクター問題は、彼ら・彼女らを就職させることでしか解決しないのだが、それに対する一刀両断の処方箋はやはり出てきませんでした。

 会場のある方が「大学院生・博士を減らしてはどうか」という至極もっともな提案をなされたのですが、学術振興会の方は「そうすると、大学の先生が被害を被ることになりますが、それに耐える覚悟はおありですか」というようなことをおっしゃっていました。つまり、大学院生を減らすということは、大学の先生の数を減らし、大学に配分される交付金が減るということを意味するということですが、まさにここにポスドク問題の元凶が見て取れた気がします。

 この発言を聞いて、学院重点化とポスドク1万人計画が政府・文科省と大学(研究者)の利害が一致したところで手打ちが行われたことが実感できました。文科省も大学も、大学教員の数や研究費を減らしてまで、大学院生を減らす気はないようです。(私は、大学教員を減らしてででも、大学院生の数を妥当なところまで減らすべきだと思っています。)というわけで、とりあえず大学院における博士生産力を落とすことなく博士・ポスドク問題に対処するというのが、文科省・大学の了解事項ということのようですので、学生はそのことをはっきりと自覚した上で大学院進学や博士取得、ポスドクへの応募を自己責任の上で行う必要がありそうです。

 今後も研究者(大学教員・研究所研究員)の数はそれほど増えないが、博士の生産は今までどおり続くということは、博士のほとんどは大学教員や研究所研究員にはなれないという状況が今後も続くということです。

 現在、ポスドクをやっておられる方の多くはそこまで悲観的に思っておられなかったでしょうから、文科省や大学を責めることに一分の理はあると思うのですが、これからは大学院に進学する前から状況ははっきりしているのですから、いったん進学してしまったら文句は言えない時代になるということでしょうか。

 そういう状況の中では、大学院博士課程へ進学して得られるものは社会的に認知されるものというよりは、個人レベルの満足感のための「教養」とあまり変わらないものということになるのかもしれません。そうした「教養」を得るためだけに、大学卒業後の20代半ばの貴重な5年間を費やすことに価値を見いだせる人はどのくらいいるものでしょうか。

 私はこの方式では、日本の科学は研究者の再生産に失敗すると思います。
Commented by 博士の就職難について at 2007-09-21 06:36 x
長期的な解決法として、私も大学院生の数を減らすのが最もよいと思います。若い大学院生を利用し、大学教官の自己の利益を守りたいという利己的な理由から、破綻するのが明らかな現体制を改善しようとする意見が教官側から出ないのは悲しいです。おっしゃるように、博士の学位は、学問上の功績の話であって、就職とは関係ないという点を大学院希望者によく説明して納得してもらうことがせめてもの良心でしょうか。
Commented by 橋本昌隆 at 2007-09-21 06:38 x
まったく持っておっしゃるとおりです。大学のリストラは急ぐべきだと思います。
Commented by totoro at 2007-09-21 07:30 x
博士の数を減らすか、博士課程の学生の嗜好を変えて、企業就職の道を開くか、どちらかでしょうね。

小泉内閣で行われた独立行政法人化で、研究機関や大学は組織として大変疲弊しています。科学振興を謡っていますが、共通機器の更新すら全く出来なくなっています。ポスドクだけではなく、大学教員や常勤の研究者も疲弊しているのです。「研究をするな」と言われている気分になります。まるで現代の「焚書坑儒」か,日本の「文化大革命」の様です。

この様な風潮の中で、博士進学は全くお勧めできません。東大あたりでも、頭の良いものほど、研究者を目指すのを止めていると噂に聞きます。次世代の科学者や大学教員を有能な人が目指さなくなり始めています。

企業の論理も結構ですが、国の運営の上で、それは万能では無いと思います。大きな禍根を残します。
Commented by あのう at 2007-09-21 09:28 x
院生の頭数で交付金を決めるという国のしきたりを改めるという提案はなかったのですか?
Commented by at 2007-09-21 10:14 x
基本的に大学院生、ポスドクの数を減らすことに、私は反対です。人口に比して決して日本は研究者が多いとは言えない現状で、資源もない、そしてついには目立った技術もない、そういった国になっていってしまうのは時間の問題であるかのように思えます。そうなっていいのでしょうか?問題解決のためには長期的なビジョンのもとに考える必要があるように思えます。(何度も書いている意見で申し訳ありません。)
Commented by PPD at 2007-09-21 10:59 x
雇用を安定させて、せめてまともに家族が養える程度の生活保障(若い頃は400万程度、最終的に6~700万)が得られるのならずっとポスドクでも構いません。現行のポスドク制度は家庭を持つなといっているに等しい。給料のことだけではなくて、異動が激しいので共働きもろくにできません。引越し代もでませんし、家族手当も住宅補助もない。企業にいった同期とは既に倍以上の収入の開きが出ています。他人の比較は別に構わないのですが、絶対的な生活水準としてポスドクは下流への道といわざるをえません。博士は子供を作るなということなのでしょうか。
Commented by apj at 2007-09-21 12:42 x
鼎さん、
 就職できずに放り出される人が多いまま推移するのでは、研究者はやっぱり増えないと思います。
 本当に必要なら、ポスドクの受け皿ができて給料がまず上がり、それによってめざす人が増え、人数が増えるということが自然に起きるのではないでしょうか。
Commented by at 2007-09-21 16:59 x
apjさん、
アメリカから勝手なことを書いて申し訳ないとは思っているのですが、場当たり的な対応は将来を危うくすると思っています。問題なのは研究者が多すぎることでなく、受け入れ先が少なすぎることです。今はアメリカは夜中なので、簡単なご返事でごめんなさい。また書きます。
Commented by 中年研究者 at 2007-09-21 17:13 x
大学院の定員増で、とりあえず自分の能力を試せる今の方がいいのか、昔みたいに院入試で門前払いしてもらってた方がいいのか、難しいですね。昔は大学院の説明会で、院に行くと就職は無いから覚悟して下さいと言われたものです。アメリカの院生だって、院の途中で辞めて会社員になるか技術員になる人も多いです。万年ポスドクだって多い。結局日本もそうなる気がします。

 個人的意見では、研究者の給料は半額でもいいです。この借金大国で基礎研究なんて贅沢の極みです。ユニクロの服着て生協で飯喰って、子供は塾にも行かさず公立育ちにすれば金は掛かりませんから。まあ、地方大では自主的に給料で研究費を穴埋めしてますから、実質一緒ですけどね。
Commented by totoro at 2007-09-21 17:32 x
> 資源もない、そしてついには目立った技術もない、そういった国に
> なっていってしまうのは時間の問題であるかのように思えます。
> そうなっていいのでしょうか?

国としてはマズイでしょうね。
但し、自分自身の問題として、理系や研究系はお勧めできません。
8-9割は負け組で、40代でのフリーターor派遣社員となる,生活苦が待っています。1-2割の勝ち組になり、研究職に就いても、四大卒で企業就職した平均的な人より、給料も安く、身分も不安定です。教授も任期付の方向で、企業で言えば契約社員と同じです。

国は、研究立国を掲げたいのでしょうが、研究系を誤って選択すると、人生での取り返しがつかない、イバラの道が待っています。
満足な職に就けず、子供もつくれず、家も建てられず、老後の保障も全くない状態になります。博士進学は愚かな選択だと思います。
Commented by totoro at 2007-09-21 17:48 x
中年研究者さんへ

もしかしたら企業の研究者か、大学院を出てストレートで教員になった方ですか?任期付きを全く経験していない方のコメントのように思います。

> 研究者の給料は半額でもいいです。この借金大国で基礎研究
> なんて贅沢の極みです。

典型的な意見です。
「基礎研究なんて贅沢の極み」=不要,もしくは趣味
もしそうなら、大学院での博士養成も止める方が良いです。不要な人、趣味的研究をする人を養成しても、前述の様に30代後半には、フリーターか派遣社員になること請け合いですから...

自分は研究者の給料は半額で良いとは思いません。今の倍でも良いと思います。そうでないと、リスクに対する見返りが少ないと思います。
私はプロの仕事として研究をしていますから。。。
Commented by あのう at 2007-09-21 20:01 x
国の将来を考えるのは上の人の仕事なんであって、下のものがそこまで考えてやる必要はないんでは? 下っ端は生活第一でしょう。これからの時代、一度落ちたら這い上がれないですから。
Commented by 物理屋A at 2007-09-21 20:34 x
> つまり、大学院生を減らすということは、大学の先生の数を減らし、大学に配分される交付金が減るということを意味するということ

頭悪いのではないだろうか>学振

現状の大学教員の数に対してつりあうように院生の数を減らしたら,大学教員のポストが減る→それにつりあう院生の数はさらに減少する→ポスト源→院生減(無限ループ)→大学はなくなる。

つまり,PD問題を解決する気はさらさら無いって事ですね。
Commented by kshojima at 2007-09-22 00:55
私が院生の頃から(10年弱前)から、SさんはDのあとの就職難は言っておられました。当時のS研は規模が大きかったですから。それでも就職率が他と比べて驚異的にいいので、K大のSさんは怪しんでましたが。確かに研究の実力だけでないでしょうが、別の実力や運もやはり大事でしょうね。私も考え方がふけましたかなぁ。。。
Commented by inoue0 at 2007-09-22 06:36
 鼎さんのおっしゃる「日本の経済発展のためには人的資源の開発が必要だ」という総論には賛成なのですが、だからって博士を増やす必要は必ずしもないでしょう。大学すらそんなに必要でない。
 VHSを開発したのは、ビクターの工業高校卒の5年目の技術者でしたし、青色LEDの中村修二は、就職時は修士でした。
 どうせ教育に金を使うなら、初等中等教育にもっと金をかけるべきです。底辺が拡大すればトップの水準も上がります。
 日本の金融業がダメなのは、資産運用担当者の水準が低いからであり、それは基本的な数学(理工系の1年生レベル)や語学能力の不足からくるのだと野口悠紀雄は語っています。
 経済学部の学生で、理工系の1年生程度に数学を操れる学生ってどれだけいますか?一部の難関大学以外ではほとんどいないでしょう。
Commented by ちょっと違う at 2007-09-22 11:08 x
> VHSを開発したのは、ビクターの工業高校卒の5年目の技術者でした

これはちょっと違うと思うのですが。。
VHSの開発をした方が自宅の周囲に住んでいて、個人的に知っているから。。。大学の工学部出の人だったと思いますよ。それから、開発が個人でできた訳ではなく、後輩を指導する体制があったと聞きました。このチームの方々が催していた新年会や暑気払いの飲み会に、遊びに行っていた近所の子供でしたから。。。高柳さんという大変優秀な方のお世話になったといっていたと思います。

大学すら必要ないとは思いません。そうなら、明治時代のような教育レベルに戻せばいい。現実には、大学に値しないような教育レベルの私大の卒業生が大半だから、確かに彼らは不要だと思いますが。。。
Commented by 田舎生物屋 at 2007-09-22 11:09 x
話はちょっと変わりますが、再現不能な論文を書く旧帝大教授・准教授や、本音とは違うテーマで大型研究費を稼ぐ大物研究者の跳梁跋扈にはいいかげんうんざりです。そういうラボから巣立つ若い院生やポスドクにも、悪い手本になってる気がします。
Commented by inoue0 at 2007-09-22 12:51
 VHSの開発責任者は高野鎭雄。しかし、実際に手を動かして試作機を作った中心人物は高卒です(すぐに名前が出てこないのが困りますが)。
 基礎研究段階まで遡れば、磁性体開発や記録再生の信号変調方式の研究にまでいってしまいますが、商品の開発には、それほど高学歴者が絡んでいたわけではないと言いたいのです。
 AppleのJobsは大学中退でしかない。
 基礎研究者も世の中には必要です。しかし、国家戦略という視点で見れば、底辺を広げる方がずっと重要でしょう。インドが初等教育で数学に力を入れているように。
Commented by inoue0 at 2007-09-22 13:49
 それでも、博士や基礎研究の必要性を訴えるのなら、国家戦略とか産業なんて狭い了見ではなくて、「人類の文明の発展に貢献する」ぐらいの大風呂敷が必要かと思います。
 アポロ計画が推進されていたころ、
「宇宙ロケットが何の役に立つ?地上の貧困を放置して宇宙開発なんかに金を使うな」
という反対論がありました。それはそうです。しかし、人を月に送り込んだことには意味があったと思う。それは、希望を与えたことです。これは他の事業では代替できない。
Commented by at 2007-09-22 16:15 x
もし私のコメントを待っている人がいたら申し訳ないです。予定が変更になって今太平洋を越えて成田に到着。少し待ってください、すみません。私の意見としては、大学院生、ポスドクを減らす前にとにもかくにも、ポスドクの受け入れ先を拡大させることだと思います。ところでどこをということになりますが、アカデミアは当然のこと、民間も拡大するよう努力すべきなのですが、誰が運動するのという問題があります。そこのところは明日書きます。というか、その運動をするために日本に飛んできたようなものなのですが、、。ではまた明日に。
Commented by 通りすがり at 2007-09-22 22:08 x
> AppleのJobsは大学中退でしかない。

極端な例を、いくらあげても意味がないですよ。ヤンキー先生が、ヤンキー時代の経験を元に、一般中高生の教育を論じでも、無理がありましたよね。

例えば、あなたが大学を卒業できず職探しをし、研究系で企業に採用されると思いますか?また、仮に幸運にも研究職に就けたとして、大学中退の力で、即戦力として研究が出来ますか?

企業も修士卒を必要としています。実際に、修士卒でないと、企業で研究職に就くのは難しいと思います。博士卒を一本釣りで雇うケースも聞きます。初等中等教育だけでは足りないのです。
また、職に就いてからも、研究職として企業でキャリアを積むのは、学会でキャリアを積むのと同等以上に難しいですよ。

但し、職人芸が必要な職工的な職は、学歴は不問ですよ。 試作品を組んだり、金型を作ったりetc.です。
Commented by inoue0 at 2007-09-23 04:42
 30年前には学部卒でもじゅうぶん研究職に就けました。それができなくなったのは、学歴インフレが進んだからです。求められる人材の水準が上がったわけでもなければ、学部卒の水準が下がったわけでもない。
 というわけで、私は「高等教育が、企業の求める人的資源の開発になる」という神話に大いに疑問を抱いています。
Commented by ゑぶ at 2007-09-24 00:09 x
博士が就職できないのは、大学院で企業が満足するような教育がなされていないからだと思います。

日本の大学の教員は、教育よりも研究を重視する傾向があるから、もっと真剣に教育にとりくませるような工夫をする必要性があるのではないでしょうか。

たとえば、科研費は、そのお金をつかって、大学院生に研究をやってもらい、その過程のなかで、大学院生を研究者として育てるという意義があるのですから、科研費の審査の際には、大学院生をどれだけ育てたか(どういう就職先にいったか等々)、というのも審査基準のひとつにするとかです。

研究費の分配と、教育の成果をむすびつけたら、もっと大学の教員は、教育について取り組むようになり、大学院の質は向上し、企業も社会も博士を採用しようと思うようになるのではないでしょうか?
Commented by 一教員 at 2007-09-24 10:00 x
>科研費は、そのお金をつかって、大学院生に研究をやってもらい、その過程のなかで、大学院生を研究者として育てるという意義がある

すみませんが、この記述の出所はどこでしょうか。私は、科研費は「研究のための経費」であって、教育のための経費ではないと理解しています。そのため、科研費に関わる研究テーマを学生に手伝ってもらう場合は、その都度、バイト代を支払っています。

もっとも、教育成果を目に見えるかたちで評価すべきというご意見には、賛成です。
Commented by ななし at 2007-09-24 11:16 x
まあ、細かいことなんですが、
主旨の取り違えでしょ?
「大学院生が教員の手足となり出したデータをもとに、教員が科研費申請する。科研費を使って大学院生が実験する。」
すなわち、「研究のための経費」として使われた結果としてそれが大学院生の教育にも貢献しているということを言いたかったのでは???
Commented by alchemist at 2007-09-24 13:49 x
実態としていえば、科研費が取れなければ大学院生が実験することもママならない、ということでしょう。
Commented by 物理実験系 at 2007-09-24 16:27 x
一教員さん>「科研費に関わる研究テーマを学生に手伝ってもらう場合は、その都度、バイト代を支払っています。」

私の分野では信じがたいのですけど。大学院生は研究室にいる時間のほとんどを研究に費やしており、その研究費の大部分を科研費に依存しています。一教員さんのようにしようと思ったら、科研費の相当割合が学生の給料になってしなくてはなりませんが、それが通るとは思えません。
 一教員さんの学生さんはバイト代をもらっていない時間に何をしているのでしょうか?
Commented by papa at 2007-09-24 16:59 x
>私は、科研費は「研究のための経費」であって、教育のための経費ではないと理解しています。そのため、科研費に関わる研究テーマを学生に手伝ってもらう場合は、その都度、バイト代を支払っています。

うちだけの特殊な事情かもしれませんが・・・大学の事務から,科研で学会発表する際のテーマは,修論テーマと同じでは困るといわれました.科研はあくまでの研究であり,修論は教育なので,科研テーマで兼ねるのはまずいということでした.また,学生の教育の一環で科研の謝金を使うこともまずいといわれました.学生自らの勉強なので謝金を払うべきでないという理由だそうです.それで,修論テーマはなるべく包含するようなタイトルにして,実際には科研テーマも修論の一部に入るような現実的対応をしています.
Commented by 通りすがり at 2007-09-24 18:55 x
>> inoue0さん

随分,思い込みがはげしいですね.

> 30年前には学部卒でもじゅうぶん研究職に就けました。

これは事実です。

> それができなくなったのは、学歴インフレが進んだからです。

これは違います。例えば、今、博士が随分増えて、学歴インフレですが、雇う企業は少ないです。学歴が高いだけでは、企業は人を雇いませんよ。
Commented by LL at 2007-09-24 21:13 x
また寝ぼけたコメントしまくってて楽しいぞ。
それでstochinai氏の感想はおいといて,結局ポスドクから某かの提案は出たのかな?9/15エントリーの最初で何か書いてたけど,その辺報告よろしく。
ま・さ・か・ポスドクのみなさん,だまって聞いてただけじゃないだろうな?っつーか,会場にポスドクいたのかね。
Commented by ゑぶ at 2007-09-25 00:30 x
一教員さん>「もっとも、教育成果を目に見えるかたちで評価すべきというご意見には、賛成です。」

賛成していただいてうれしいです。まじめにお答えくださって、恐縮なのですが、その記述の出所もないのですが、実態として、科研費には、大学院生の教育に役立っているという側面があるように思われます。

であれば、現状の研究成果しか評価しないやり方を改めて、教育的効果のある科研費の使い方をした人も、評価したらいいのではと思うのです。

大学院生にとって、教育と研究は、渾然としているので、研究にかかるお金と教育にかかるお金を線引きしようとしても困難だと思います。
Commented by 一教員 at 2007-09-25 21:34 x
物理実験系さん
>一教員さんの学生さんはバイト代をもらっていない時間に何をしているのでしょうか?

自分の研究をしています。幸運な場合は、院生自身が助成金を申請して研究費を得ることや、最近流行り (?) の学振DCになることもあります。テーマは、学生には私が提案する場合もありますが、院生には基本的に自分で設定することを求めます。もちろん「自分でやった」という自信を持ってもらいつつ、さりげなく誘導したりフォローしたりしますが。マクロ生物系では、それほど珍しい教育方針ではないと思います。ご察しされることと思いますが、私の分野では、あまりお金がかからない研究「も」できます。
Commented by 一教員 at 2007-09-25 21:43 x
ゑぶさん
>大学院生にとって、教育と研究は、渾然としているので、研究にかかるお金と教育にかかるお金を線引きしようとしても困難だと思います。

理想論だと承知のうえで書きます。教員の研究と学生の教育は、本来、別物だと思います。広く浅いテーマに取り組みたい学生や狭く深いテーマに取り組みたい学生など、教員は各学生の指向性を尊重した上で研究に必要な事柄を伝えるべきであり、その「教え」が時代遅れにならないように、できれば一線級であるべく、教員は自身の研究能力を磨き続けることが許されるのだと考えています。大学院生は、そのポジションにふさわしい教育を受けるべきだと思いますし (それが企業にとっての即戦力か否かは、さておき)、教員は、そのために様々な努力をすべきです。そして大学院は、そのために必要十分な教育経費を、教員の研究経費とは別に、配分されるべきです。大学院生が、おもに研究に必要な様々な能力を磨くために、5年間を使えるようにすることが、教員にできることであり、お金はさておき、そのような教育方針を掲げることは、各研究室の教員にしかできないことだと思っています。
Commented by stochinai at 2007-09-25 22:14
 私も、一教員さんの院生教育観には、大いに共感するところですが、大学院重点化・大学法人化とともに、その必要最低限の院生のための教育研究経費が保証されなくなってきて、「競争的資金」でまかなえという風潮になってきています。つまり昨今の大学院生の多くは、博士やポスドクになる前の時点でしっかりとした教育を受ける権利を侵害されているとも言えるのではないでしょうか。そんな中、ご自分の科研費を目的外使用という「違法行為」を犯しつつも学生の教育に「流用」されている先生も多いはずです。そして、たとえ情状酌量の余地があったとしても「目的外使用」が表面化したら、間違いなく処罰されるはずです。大学の基盤経費の削減が「犯罪者」を作っていると言えるのかもしれません。
Commented by 物理実験系 at 2007-09-25 23:38 x
「目的外使用」だの「犯罪者」だの、という言葉が出てくるので仰天しました。まったく文化が違うのでしょうか。
 われわれの分野では、「教育のための研究」というのは考えられません。大学院学生は共同研究者として教員の研究に参加し、その中で腕を磨き、知見を深めていくこと、が教育の中心です。(もちろん、ゼミや講義などは別にありますが) 
 研究に参加するなかで、学術的な知識と技能だけでなく、問題発見能力、問題解決能力、事業企画力、遂行力など、社会人として普遍的な能力も育てます。教員の研究の遂行の一部に教育が欠かせないものとして組み込まれていますから、科研費で買った機材で学生が実験をしたり、学会発表旅費を科研費で支出することは自然なことです。
 科研費が切れたら、と考えると恐ろしいですが。
Commented by stochinai at 2007-09-26 00:09
 おっしゃることはすべてその通りだと思いますが、現実は違うようです。

 10月1日から科研費を配分する側の理事長になる方の最新の言葉がここにあります。

http://mitsuhiro.exblog.jp/7047425/

 それによると、科研費の使い方について「現時点では「合算、流用、繰越」問題はすべて原則的禁止です」ということです。なぜならば、「現在の研究費の使用は国のその他の税金の支出と同じ会計法に従っています。ダムの工事と同じく、二つの工事をするといって一つのダムを作ることは許されず(合算)、また、○○にダムを作るといって××にダムを作ることも許されません(流用)。さらに、○○のダムを作る今年度予算が余ったので、来年の××工事に使いたいということも許されません(繰越)」ということなので、大学院生を共同研究者にすることもルールとしては許されていないはずです。
 この状況では、気を付けていないと我々のほとんどは、いつの間に新聞ネタになってしまう可能性があるというのが現実ではないでしょうか。
Commented by ゑぶ at 2007-09-26 00:56 x
先生がおっしゃるのであれば、実際の運用上、科研費は裏技的な使い方をしなければならない場面もでてくるかもしれませんね。

でも、無理やり実態を制度に合わせることに悲観するのではなくて、現実に沿っていて、かつ研究や教育の理念に基づいた制度を議論するほうが建設的ではないでしょうか。

教育費と科研費のあるべき関係について、先生の意見をきいてみたいものです。
Commented by ゑぶ at 2007-09-26 01:06 x
↑ の文の最初のパラグラフは、「先生が言うのだから、実際そうなのでしょうね」ということが言いたかったです。

乱文乱筆失礼(自分の文は乱文乱筆ばかりですが…。)
Commented by ちょっと違う at 2007-09-26 01:23 x
遅いレスですが

>>inoue0 さんへ
> VHSを開発したのは、ビクターの工業高校卒の5年目の技術者でした

に対して,

> VHSの開発をした方(大卒)が自宅の周囲に住んでいて、、、、
> 高柳さんという大変優秀な方のお世話になったといっていた...

と書きました。それに対し、

> VHSの開発責任者は高野鎭雄。

と書かれました。しかし、VHSの開発者達が尊敬し世話になったと私に言ったのは確かに「高柳」でした。ビクターのHPで調べてみました。高柳はテレビを作り、ポストテレビの技術としてVTRの開発を指揮した人です。高柳で間違いないです(下記)。
http://www.jvc-victor.co.jp/company/technology/human/index.html
http://www.jvc-victor.co.jp/company/technology/human/ashiato.html
ちなみに、VHSの開発者のご近所さんが超してきたのは1974年で、VHSがないころでした。ご自宅には当時は珍しいU-maticのVTRがあり、娘さんが妹と同級で、テレビ番組を録画して見せてくれたので、良く遊びに行っていました。
Commented by バカ at 2007-09-27 10:33 x
VHSはどうでもいいのでは?
あほか?
Commented by Ph.D.の力 at 2007-09-27 16:31 x
世間は産科医が足りなくて医療崩壊寸前、一方でポスドクは余っているという。文科省、厚生省の種々の報告書を読むと、先端科学技術に精通し諸外国の動向を自力で調べて報告書が作れる人、単なるアンケートの集計でなく「科学的な」データ処理ができる人が全く足りていないように見受けられる、、、 急激に数だけ増やした大学院拡張政策がそもそも問題なのですが、日本の社会だって力のあるPh.D.を必要としてきているはずと思うのですが、、、何か人の流れ(人材育成)がおかしくありませんか。
Commented by 通りすがり at 2007-09-27 22:02 x
> 文科省、厚生省の種々の報告書を読むと、先端科学技術に精通し
> 諸外国の動向を自力で調べて報告書が作れる人、単なる
> アンケートの集計でなく「科学的な」データ処理ができる人が全く
> 足りていない

国として、足りないのは明らか。国のシンクタンク的な働きをしていた
旧国研を軒並み独法化し、報告書は民間のシンクタンクに丸投げしてる。
しかし、民間のシンクタンクは、人材難。大学の先生を集め、1-2日
意見交換させ、纏めて報告書にするのが実態。
その報告書を元に政策立案される。
Commented by Ph.D.の力 at 2007-09-28 01:23 x
>しかし,民間のシンクタンクは人材難
大学院重点化は,例えば官や学で現場の視点から日本と世界の先端技術を調査,分析,企画,政策立案できるような人材等を育成していくような目的があったのでは? やっぱりそんな能力を発揮してもらっては目障りだから採用しないのか,大学教官が単に労働力としてしか見ていなかったためにそういう能力をのばす機会を提供しなかったのか,学生にそんな意図や能力がないのか,,,
Commented by 理工系 at 2007-09-28 07:40 x
学院重点化とポスドク1万人計画が政府・文科省と大学の利害が一致したところで手打ちが行われたという点が仮に本当だとすれば、草の根の活動から社会を変えていく必要があるのではないでしょうか。
Commented by 口だけ? at 2007-09-28 22:02 x
鼎さん、戻ってこないですね。
Commented by stochinai at 2007-09-28 22:31
 お忙しいんだと思います。
Commented by そですね at 2007-09-28 22:52 x
気長に待ちますw
Commented by at 2007-09-30 00:11 x
戻ってくるのが遅くなってすみません。書き込もうとするとたくさんの人がさらに書き込んでいたりで、それを読んでいるとそれだけで時間がなくなってしまう中、書こうと思うと時差ボケで午後10時には知らぬ間に寝てしまって、今日も書き損ねてしまうという毎日で、どうも約束を違えてしまうことが多くて申し訳ないと思っています。
Commented by at 2007-09-30 00:11 x
さて、なぜ民間企業がポスドクを受け入れないのか?これは何度も書いてきたつもりですが、民間企業の多くが、ポスドクの魅力を知らないから、ポスドクをマネージする能力がないから、あたりが本当のところだろうなと思います。

 少しだけ私の知っているお話ししますと、ある日本の製薬会社は、ポスドクこそとるべき人材であるという考え方で密かに求人をしています。その製薬会社はもちろん採用したポスドクが即戦力になるとは考えていません。しかし同時に3年間のトレーニング期間の間に同年齢の大卒、あるいは大学院卒の研究者を追い抜いて、プロジェクトのリーダーとして活躍できる人間になることも知っているのです。これまで中途で採用したポスドクたちの活躍がその製薬会社の発展に寄与していることも社内で明確に認識されています。もちろんその製薬会社は、その採用形態をけっして外に漏らそうとはしません。なぜなら、自分のところでだけで、最も優秀な人材を確保したいと願っているからです。
Commented by at 2007-09-30 00:12 x
3年間も待ってられるか、というのが多くの民間企業の考え方かもしれませんが、実はそこに大きな間違いがあります。ポスドクの資質を見抜き、トレーニングを怠らなければ3年後には予期しないことが起きてしまうのです。そのことをほとんどの民間企業が知らないのです。おそらくは、ポスドクを採用した企業の多くが不満を漏らすのは、期待することが即戦力であるからでしょう。

 民間企業の多くはポスドクの魅力を知りません。そしてその扱い方も知りません。そこに問題があると私は思っています。
Commented by 物理実験系 at 2007-09-30 00:59 x
>stochinai様
私が繰り返し書いたのは、大学院生が科研費のテーマの研究に参加することは教育の一環と認識されているということです。したがって、その研究に「大学院生を共同研究者とする」ことは、「流用」とは考えられません。
ついでながら、北澤氏が理事長になるのは、「科研費を配分する側」(学振)ではなく、JSTですね。さらに蛇足ですが柳田ブログに出てくるJST生駒氏の「基礎研究」観は噴飯ものですね。さっさと首にしてほしい。
Commented by stochinai at 2007-09-30 01:31
 鼎さん、ありがとうございました。3年どころか、10年20年先のことを考える企業には、間違いなくポスドクの行き先があるということは良くわかりました。そう考えると、あまり悲観ばかりすることもないのかもしれません。

 物理実験系さん、私も個人的には大学院生が科研費の研究に参加することが流用だとはまったく思っておりませんし、実際には普通に行われていることだと認識しています。ただ、「事務手続き上」は信じられないくらい硬直した解釈をされることが多いので、気を付けなければならないということを言いたかったのでした。
 北澤さんのところで、科研費と書いてしまったのは振興調整費と書くとわかりにくいかなと思って、ついキーがすべってしまってもので、失礼しました。また数日前には、そのJSTも廃止されるという報道があったりして混迷は深まりますね。また、生駒さんのような意見は文科省を除くと官僚の世界では「多数派」なのではないかと思いますので、科学研究費の未来は決して予断を許さないものだと感じています。
Commented by 博士→PD→無職 at 2008-07-04 16:08 x
身分は名前のとおりです。

事実および経験に基づく推論を書きます。

日本では学卒→海外で修士(稀に博士)の官僚が政策を立案している。

(博士がどういうものか知らない)

しかもトップはほとんど文系出身である。

理系は公務員・企業ともに冷遇される。(給与が低い)

日本の大学の博士が持っているのは専門知識であるが、企業が求めているのはマネジメント能力である。

日本では理系出身の起業家が少ない?。
by stochinai | 2007-09-20 23:59 | 生物学 | Comments(53)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai