2007年 10月 03日
札幌のプロポルノ教頭
札幌市立星置東小学校教頭の細田孝幸(54)が児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたという事件に接して、彼を教員に採用し、教頭に昇進させ、日々の勤務状況を把握すべき、教育委員会、校長、教頭の責任はもっと厳しく問われるべきだと思われますし、そもそも教員採用や昇進のシステムそのものを改めて点検しなければならない、考え直さなければならないと考えています。
安倍内閣時代を頂点に、政府を先頭として世の中あげて教員バッシングをしていたことは記憶に新しいのですが、教員を非難する前にどうして、その教員を採用し教頭・校長へと昇進させるシステムにこそ問題があるという議論にならないのか不思議でなりませんでした。
確かに、今回のようなあまりにも異常な例を見ると、安易に普遍化することはできないとは思いますが、指導力不足教員だとかわいせつ教員などが本当にマスコミが取り上げるほどたくさんいるのだとしたら、教員選考・監督・再教育システムの方に問題があると考えるのが当然だと思います。
それが、いつまでたっても何が起こっても悪いのは教員ひとりで、教育委員会も推薦した校長や教頭も「驚きを隠さ」なかったり、「『想定外の事案』と頭を抱え」ているのは責任回避と言わざるを得ません。
もちろんこんな男は普通の社会にもそれほどたくさんいるというわけではありませんので、たまたまこの教員を選考したり推薦することになった人々は気の毒だというふうにも思えますが、彼の邪悪さを検出することのできなかった教員採用・評価システムには明らかな欠陥あると見るべきだと思います。
現状では、教員を採用するにあたって、単に知識の多寡や、教育技術の修得、さらには教育委員会に対する忠誠度などだけで選んでいるのではないかと思われる噂はたくさん見聞きします。その評価方法から見直す必要があるのではないでしょうか。
また、この教頭は「朝は7時前に真っ先に出勤し、遅い時は午後8時に退勤していた」と校長が語っているそうですが、校長は時間ではなく彼が何をしていたかを見ていたのでしょうか。教頭は「約16年前からわいせつ写真を投稿しており、雑誌への写真投稿で、毎月20万円ぐらい稼いでいた」という、ほとんどプロのエロ事師だったようですから、まわりにはそのことを知っていた人間が複数いたはずです。学校という職場に正常な人間関係が築かれていたならば、そうしたことに対する通報もあり得たと想像されますが、そうしたことが一切なかったのだとしたら、校長を中心とする学校という職場に教育という機能を果たすための良好なコミュニティが作られていなかったことも推測されます。
もちろん、この教頭自身は同じことを非教育職の人間がやった場合の何倍も重く罰せられてしかるべきだと思いますが、そういう人間を教員から出してしまう日本の教育制度そのものの問題として深く反省しなければならないのではないでしょうか。
この件だけに限らず、今の日本では人を正しく評価するシステムが崩壊していると考えられる事例に事欠かないように思うのですが、それを直そうとすると日本というシステムを根底から作り直すくらいの大改革が必要なのかもしれません。
明治時代あたりから、やり直さないとダメなのかもしれませんが、やり直しても同じという結果になってしまうでしょうか。
安倍内閣時代を頂点に、政府を先頭として世の中あげて教員バッシングをしていたことは記憶に新しいのですが、教員を非難する前にどうして、その教員を採用し教頭・校長へと昇進させるシステムにこそ問題があるという議論にならないのか不思議でなりませんでした。
確かに、今回のようなあまりにも異常な例を見ると、安易に普遍化することはできないとは思いますが、指導力不足教員だとかわいせつ教員などが本当にマスコミが取り上げるほどたくさんいるのだとしたら、教員選考・監督・再教育システムの方に問題があると考えるのが当然だと思います。
それが、いつまでたっても何が起こっても悪いのは教員ひとりで、教育委員会も推薦した校長や教頭も「驚きを隠さ」なかったり、「『想定外の事案』と頭を抱え」ているのは責任回避と言わざるを得ません。
もちろんこんな男は普通の社会にもそれほどたくさんいるというわけではありませんので、たまたまこの教員を選考したり推薦することになった人々は気の毒だというふうにも思えますが、彼の邪悪さを検出することのできなかった教員採用・評価システムには明らかな欠陥あると見るべきだと思います。
現状では、教員を採用するにあたって、単に知識の多寡や、教育技術の修得、さらには教育委員会に対する忠誠度などだけで選んでいるのではないかと思われる噂はたくさん見聞きします。その評価方法から見直す必要があるのではないでしょうか。
また、この教頭は「朝は7時前に真っ先に出勤し、遅い時は午後8時に退勤していた」と校長が語っているそうですが、校長は時間ではなく彼が何をしていたかを見ていたのでしょうか。教頭は「約16年前からわいせつ写真を投稿しており、雑誌への写真投稿で、毎月20万円ぐらい稼いでいた」という、ほとんどプロのエロ事師だったようですから、まわりにはそのことを知っていた人間が複数いたはずです。学校という職場に正常な人間関係が築かれていたならば、そうしたことに対する通報もあり得たと想像されますが、そうしたことが一切なかったのだとしたら、校長を中心とする学校という職場に教育という機能を果たすための良好なコミュニティが作られていなかったことも推測されます。
もちろん、この教頭自身は同じことを非教育職の人間がやった場合の何倍も重く罰せられてしかるべきだと思いますが、そういう人間を教員から出してしまう日本の教育制度そのものの問題として深く反省しなければならないのではないでしょうか。
この件だけに限らず、今の日本では人を正しく評価するシステムが崩壊していると考えられる事例に事欠かないように思うのですが、それを直そうとすると日本というシステムを根底から作り直すくらいの大改革が必要なのかもしれません。
明治時代あたりから、やり直さないとダメなのかもしれませんが、やり直しても同じという結果になってしまうでしょうか。
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しかし
at 2007-10-04 10:49
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日常業務を問題なくこなしていたなら、プライベートで何をしているかを職場で把握しろというのは無理な話なのでは?
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stochinai at 2007-10-04 11:11
小中学校でほんとうに一生懸命子供達のことを考えている先生は、9時~5時の生活などしておりません。「日常業務を問題なくこなしていた」という時点で、ある意味ダメ先生だと私には思われます。
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0x4E71
at 2007-10-04 15:44
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stochinai at 2007-10-04 15:49
う~ん、それもちょっと残念な話ですね。
私が言いたかったのは、一所懸命やっている教員を大切にして、彼らが働きやすい職場にすることが、教育を良くするために大切だということです。そのためには、教員の増員が必要だと思うので、環境を整えて先生になることに希望の持てる職場にしてもらいたいものです。
現状では、真面目にやろうと思ったらとても時間内では終わらないという、先生達の置かれた苛酷な現状を言いたかったのですが・・・・。
私が言いたかったのは、一所懸命やっている教員を大切にして、彼らが働きやすい職場にすることが、教育を良くするために大切だということです。そのためには、教員の増員が必要だと思うので、環境を整えて先生になることに希望の持てる職場にしてもらいたいものです。
現状では、真面目にやろうと思ったらとても時間内では終わらないという、先生達の置かれた苛酷な現状を言いたかったのですが・・・・。
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inabaua
at 2007-10-05 01:03
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日常業務をこなしてもダメ先生と呼ばれるようなところにまともな人は就職しないよな。
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stochinai at 2007-10-05 01:43
減っているのがまともな人だけなのかどうかは知りませんが、教員志望者が減っているという話は良く聞くようになりましたね。
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takuroshinano at 2007-10-05 06:35
同じ事を大学の教員にも言いたいですね。ゲームをしたり、仕事に関係の無い本や漫画を昼間っから読んでいたり。大学教官の自由のはき違えですね。少数だとは思いますが、公然とそれをやっている神経には驚きを感じます。
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そうかな
at 2007-10-05 23:45
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1流の科学者の会議のゴードンカンファレンスやキーストンシンポジウムでは、昼間からスキーやテニスやボート遊び,ハイキングをして公然と遊びます。どう思いますか?
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hal
at 2007-10-06 00:43
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>そうかなさん
特殊な例を持ち出して話を混乱させるのはいかがなものかと。
普通の国際学会ではそんなことはありません。ゴードンやキーストンのようなのは例外的です(アメリカ的なのかもしれません)。しかも、その場合でも、昼間ゆっくり時間をとって遊んだり親睦をはかったりして英気を養って?)、その後また夜遅くまでセッションがあります。したがって、普通の会議で夕方に終わる場合と、「労働時間」に違いはありません(むしろ多いかもしれない)。
確かに、そもそもアメリカ的な考え方では、結果で評価されるホワイトカラーには拘束労働時間という縛り方はあてはまらないのは事実です。日本でも法人後の大学教員は裁量労働制で、労働時間の縛りはずいぶん弱くなりました。講義や会議などを除けば、午後から働こうが昼に帰ろうが原則としては問題ありません。9時5時で講義のほかは論文を読んでいるだけの教員と、不規則出勤で講義の合間にマンガも読むが論文も書く教員とでは、大学事務的にはどちらも変わりはなく、役員会的にはむしろ後者の方が望ましいとも思われます。しかし、その話と「自由をはき違える無神経な教員」の話はまた別のことがらだと思います。
特殊な例を持ち出して話を混乱させるのはいかがなものかと。
普通の国際学会ではそんなことはありません。ゴードンやキーストンのようなのは例外的です(アメリカ的なのかもしれません)。しかも、その場合でも、昼間ゆっくり時間をとって遊んだり親睦をはかったりして英気を養って?)、その後また夜遅くまでセッションがあります。したがって、普通の会議で夕方に終わる場合と、「労働時間」に違いはありません(むしろ多いかもしれない)。
確かに、そもそもアメリカ的な考え方では、結果で評価されるホワイトカラーには拘束労働時間という縛り方はあてはまらないのは事実です。日本でも法人後の大学教員は裁量労働制で、労働時間の縛りはずいぶん弱くなりました。講義や会議などを除けば、午後から働こうが昼に帰ろうが原則としては問題ありません。9時5時で講義のほかは論文を読んでいるだけの教員と、不規則出勤で講義の合間にマンガも読むが論文も書く教員とでは、大学事務的にはどちらも変わりはなく、役員会的にはむしろ後者の方が望ましいとも思われます。しかし、その話と「自由をはき違える無神経な教員」の話はまた別のことがらだと思います。
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そうかな
at 2007-10-06 01:00
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>>halさん
全面的に賛成です。要するに成果が上がることが大事かと。
全面的に賛成です。要するに成果が上がることが大事かと。
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では
at 2007-10-06 12:58
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成果を上げていればプライベートがどうかは関係ないのでは?
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alchemist
at 2007-10-06 15:54
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少なくともGordon Conferenceは一流の科学者の会議ではありません。若手も歓迎です。
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そうかな
at 2007-10-08 23:34
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>>alchemist
揚げ足取りに、反応するのもと思いますが、ゴードンには、確かに院生もきます。しかし、プログラムのしきり役が認めないと、参加できませんし、院生が会議自体の主役となることはあり得ません。
揚げ足取りに、反応するのもと思いますが、ゴードンには、確かに院生もきます。しかし、プログラムのしきり役が認めないと、参加できませんし、院生が会議自体の主役となることはあり得ません。
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alchemist
at 2007-10-09 17:54
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そうかな様
Gordon Conferenceが若手・中堅を伸ばすことを主眼とした会議であって、運営は40台で一流を目指す中堅クラスが中心になって行っている、という基本コンセプトに同意されるのであれば、それで結構です。昔、Gordonに出かけるのを一流の証明みたいに宣伝していた方を良く存じておりますもので。
まあ、若手、中堅を育てるためにあれだけの全体規模の研究会議に充分な予算を投与できる国なら、何でもできそうですが。
Gordon Conferenceが若手・中堅を伸ばすことを主眼とした会議であって、運営は40台で一流を目指す中堅クラスが中心になって行っている、という基本コンセプトに同意されるのであれば、それで結構です。昔、Gordonに出かけるのを一流の証明みたいに宣伝していた方を良く存じておりますもので。
まあ、若手、中堅を育てるためにあれだけの全体規模の研究会議に充分な予算を投与できる国なら、何でもできそうですが。
by stochinai
| 2007-10-03 23:22
| 教育
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