5号館を出て

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見えない新聞

 月に1回くらいのペースで配信されてくるメールマガジンに、団藤保晴の記者コラム「インターネットで読み解く!」という、科学的・良識的な評論があり、愛読させていただいております。

 今日送られてきたのが第150回の記念号で、「ネットと既成とジャーナリズム横断」というものだったのですが、記者の団藤さんが全国にちらばる個人ニュースサイトをとりまとめるツール役を買って出て「ブログ時評」を始めるという闘争(?)開始宣言でした。

 確かに、ものすごい勢いでブログが増えていることは事実で、時折あちこちを見回ってみると、とんでもない重要な意見が見いだされることがありますが、それが多くの場合は埋もれてしまっているのも事実だと思います。

 団藤さんは、その現状を「もったいない」と思い、さらにはしっかりとしたツールによってつなぎ合わせることで、新しいジャーナリズムを作り出せると考えておられるようです。

 現在、多くのブログサイトは同じようなフォーマットによって作られており、コメントを入れたり、トラックバックで関連記事をつなぎ合わせていく機能がついているようですが、効率的に働いているとは言い難く、まさに団藤さんが書かれているように「ブログの世界は急膨張しすぎて、面白い議論であっても当事者周辺にしか分からない」状況になってしまっていると思います。

 このような状況が続くと、あらゆる意見は砂浜におちた小さなダイアモンドのように埋もれてしまうことは確実で、だんだんと四畳半化してグローバルな視点などを提出する意欲を失ってしまう人が出てくることも懸念されます。

 そういうブログを巡回し整理する作業をしている方も大勢いらっしゃるようで、私はその中でもAcNetProjectによって作られているAcademia RSS Projectを頻繁に利用させて頂いておりますが、それは大変な作業であることは感じつつも、(失礼ながら)毎日毎日雨後の竹の子のように増え続けるブログサイトをウォッチし続けることは不可能だとも思っています。

 そんな中、新しく立ち上がりつつあるブログ・ツールも多いのですが、ツール自身が意見や思想を持っているものの出現を願っていたところでした。

 団藤さんという、プロのジャーナリストがその作業に立ち上がってくれたことに、私は大いに期待を持っています。

 タイトルにも書きましたが、ブログの世界を見渡し、整理し、読者を適切な記事へと導いてくれるツールがあったならば、それこそが未来の「姿なき見えない新聞」の登場になるのではないかと、ひそかに期待しています。

 心ある人がひとりでも多く、このような動きに賛同し、自分のできることで協力していくことができるならば、見えない新聞は姿をあらわすことなくどんどんと成長し、いずれは世論形成に影響を与えるような力を持ちうる可能性があると思います。

 しかし、正直なところ現在のブログの世界を見わたたして見ると、我々の業界で言うところの「原著論文」が少なすぎる気がします。多くのブログは、引用に毛の生えた程度のコメントしか載せていません。引用などは専門のブログツールにまかせることで、もっと多くの人がオリジナルな発言ができる環境が整ってくれることになるならば、私は団藤さんの試みを全面的に支持したいと思います。
by stochinai | 2004-11-25 17:21 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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