5号館を出て

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雑酒増税

 明日、2コマもある講義の準備をしながら、聞くともなく横でかかっているテレビのニュースが聞こえてきました。

 去年の発泡酒増税に続いて、最近売れ行きが良いビールタイプの雑酒にも増税しようという政府税調の答申が出たとか出るとかいうニュースだったようです。

 税金の収入が悪くなってきているので、取れるところからはどんどん取ろうという政府の姿勢はわかっているつもりで、いずれなんやかやと理由をつけて「儲けているところ」からは税金を取ろうとしているのは知っていましたので、それほど驚くに値しないニュースだったのですが、その中で税調の委員長だかなんかだという石というおっさんが出てきて言った言葉を聞いて、思わず切れそうになりました。

 言葉そのものは良く覚えていませんが、あのようなビールの味を忘れさせるような酒を出すこと自体が問題なので、税金を高くして(製造自体を否定していることを思い知らせて)やるというような発言だったと思います。

 この人は、一橋大学かなんかの学長だったはずで、国立大学法人化の時にも第3者を装って法人化を推進していた人ですが、これほどまでに恥知らずなことを言うとはまったくあきれました。御用学者を見たければ彼を見ればよいという見本のような人です。

 大学で学問をやっているはずの人間が、人間の文化や嗜好の領域を税金でコントロールすることが当然であるかのごときことを言うとは、まったく信じられません。彼の住んでいるところの知事と似ていることに驚きました。あの知事は、反大学・反知性の人ですが、石さんは知性を商売にして生きているいる人ですから、そんな発言をするということが学者としては命取りであるということがわからないとも思えません。もし、確信犯としてやっているのなら、A級戦犯と言えますね。

 それにしても、そんな下品な酒(発泡酒や雑酒)を飲むやつは信じられないといいながら、そこから税金を取ってその税金で自分たちの懐を潤そうというのですから、さらに下品だということがわからないんですかね。彼らのように、高いビール以外は飲めないという高級な人々こそ、お金もたくさんあるのでしょうからこのさいビールの税金を高くするようにしてはどうでしょう。

 こういう私も、タバコの税金を上げるという話の時には、タバコはからだに悪いから、まあ税金を上げてタバコを止める人が出るのなら、それはそれで良いかと思っていました。

 しかし、今回の雑酒という酒が下品だから税金を上げてやるという石君の発言を聞いて、自分が間違っていることに気が付きました。タバコを吸うか止めるかは他人に迷惑をかけないならば自己決定すべき問題です。税金でコントロールすることは、やはり正しくありません。

 今、政府関係者のやるべきことは、税金を上げることではなく、税金の無駄遣いを止めることです。そっちの方がはるかに緊急の課題のはずなのに、やりませんねえ。(当たり前か!)
by stochinai | 2004-11-23 17:23 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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