5号館を出て

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まっとうな意見

 今朝の朝日新聞の「声」欄に、しごくまっとうな意見が載っていました。

 愛知県の64歳無職の加藤さんという方の「派遣の議論はまず総括から」です。

 イラク派遣延長の議論の前に「この1年間、どれだけの税金を費やし、いかほどの人道支援ができたか、その実態をきちんと総括した上で延長の是非を問うべきだ」という意見です。

 先日の某国首相の「自衛隊が活動しているところが非戦闘地域だ」という答案が0点または1点ならば、この人の意見には95点以上をあげたいと思います。非の打ち所がほとんどありません。

 「どんな成果があったのだろう。給水ダムはできたのか。水道施設は完備したのか。住民の生活道路はどう整備されたか。病院や学校はどれだけできたか」などは私も是非とも知りたいところです。

 もっとも、失敗した政策の成果などについて政府が発表したがらないのもわかるので、こうしたデータの公表はジャーナリズムおよび野党の責任なのでしょう。

 最近の野党やマスコミは自分でデータを集めるということがきわめて苦手のようで、政府の発表するデータをもとに意見を言ったり、提言をしたりすることが多いので、政府がデータを選択して発表する状況ではまさに赤子の手をひねるようにもてあそばれているように見えるとまで言うと、言い過ぎでしょうか。

 それにしても、今回の投書のようなきわめてまっとうな意見が国民の声として政治を動かす力になることが感じられない昨今の日本の状況を考えると、投書する人もあまり力が出ないかもしれません。

 まあ、新聞の「読者の声」そのものも、新聞社が意図的に作っている「記事」であるという声もあるので、読んでいる方でもこれは国民の声と言うより、作られた新聞の記事のひとつとして現実感なく読んでいるのかもしれませんね。

 う~ん。なんだか、四方八方閉塞感が漂いますね~。
by stochinai | 2004-11-20 17:27 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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