5号館を出て

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都教委の逆襲?

 東京都教育委員会と言えば、先日皇居で開かれた園遊会で失言をして、赤恥をかいた将棋差しがいるところではなかったでしょうか。

 そこが、なんともまたアナクロな政策を打ち出しました。

 朝日コムでは、都立高校「奉仕」必修へ 東京都教委が07年度にと出ておりますし、毎日にも都立高:奉仕活動を必修科目に 07年度から導入へと出ています。

 都立校では昨年度から、毎年11月に「ボランティアの日」を設け、うち15校で「ボランティア活動」を選択科目として単位認定しているそうなのですが、それに参加する生徒が少ないために、また国旗国歌のように「強制的に」やらせようということになったのかもしれません。

 しかも、こんどは「ボランティア」ではなく「奉仕」です。辞書によればボランティアは「自ら進んで社会事業などに無償で参加する人」を意味しますが、「奉仕」は「献身的に国家・社会のためにつくすこと」となっています。前者は、自ら進んで行うものですが、後者は献身的につくさせることが主眼で強制的に奉仕させるということもあり得ます。

 今回、都立高校に導入される「奉仕」は必修科目になる方針だそうですから、有無を言わせず国家・社会に貢献させようという意志が見えてきます。

 いったい、なんなんでしょう。

 将棋差しがチョンボをして、都知事が弁解して恥ずかしかったので、逆襲に出たようにも思えます。

 だいたい、高校で奉仕活動を必修させようということは、何を意味しているのでしょう。記事によると「1単位(年35時間)で、うち10時間程度は座学。残りは福祉施設での生活支援、地域行事や児童、園児の野外活動の手伝い、森林の維持管理、河川、公園の清掃などを予定している」とのことです。

 中味としては戦時中のような軍需工場での生産活動などの手伝いのような、悪いことをするのではなさそうですが、たとえ良いことでも高校生という大人に手の届きそうな若者達を単位でしばって強制するということはどういうことなのでしょう。

 小学生に町内の掃除をさせるというようなことなら、多少の強制も教育としてあり得るかなとも思うのですが、自分でものを考えることができるようになっていなければならない高校生に奉仕活動を必修させなければならないとは、いやはやなんとも幼稚な(もちろん教育委員会が幼稚なので、高校生は幼稚かどうかは知りません)自治体と言わざるを得ません。
by stochinai | 2004-11-11 17:48 | 教育 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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