2007年 10月 18日
灯油の値上げ
夏が暑かったせいもあるのか、今年の秋は冬へと向かうスピードがとても早く感じられます。もはや朝晩は暖房なしには過ごせないくらいですが、今年も灯油の値上がりがおさまりません。
暖房のためとはいえ、灯油を燃やすことは環境への炭酸ガスの放出ということになり、それを削減することは歓迎されることなのかもしれません。しかし、北海道の冬に灯油の使用料を削減することには、おのずと限度があります。
「道内の標準的な世帯は灯油を年間千九百リットル消費」すると言われているのだそうです。実は灯油の値上がりは毎年のように続いており、5年前には1リットル約40円くらいだったものが、この冬には約80円と、なんと2倍になっています。つまり、5年前に年間8万円くらいだった灯油代が、この冬には16万円になるということです。夕張の例を出すまでもなく、北海道は全体として経済状態が悪い状態が続いており、灯油の値上がりはそれに追い打ちをかけるマイナス要因になります。
北海道にはたくさんの石炭が使われずに埋まっています。相次ぐ炭鉱事故や燃やすことによって生じる汚染物質の多さ、さらには扱いの不便さから、夕張を代表とするほとんどの炭坑は閉鎖され、石炭は使われないまま放置されています。
しかし、このペースで灯油が値上がりを続けるならば、いずれは石炭を燃料として使うことを真剣に考えなければならない時がくるものと思われます。もちろん、これだけ科学技術が発展してきたのですから、石炭をそのまま燃料に使うのではなく、何らかの前処理をすることで液体化するなり、もっと使い勝手の良い、そして汚染物質を放出しないような燃料へと転換することで、石油に匹敵するような、あるいはそれ以上に優秀な使いやすく環境負荷の少ないものにできるように思います。
私はそちらの方面にはまったく疎いのですが、そうした研究が盛んに行われているという話も聞いたことがありません。石油がほとんど採れない日本ですから、不安定な輸入に頼るばかりではなく、石油に代わる代替燃料の開発を今のうちから本気でやっておかないと、何十年後かにいきなりパニックになることは明らかだと思います。
目先の経済に振り回されずに、そういう何十年後の未来に向けた研究を行うのも大学の大きな使命でなないでしょうか。そうした、日本の将来の安全にかかわる研究に対してなら、税金を使うことにも国民の理解が得られると思います。
灯油の値上がりのことを考えてもついつい大学の将来を考えてしまうのは、もう「職業病」と言えるのかもしれませんね。
道内最大の灯油共同購入団体、生活協同組合コープさっぽろ(札幌)は十五日、札幌地区の灯油価格(定期配達、税込み)を史上最高値の一リットル当たり七九円とするなど全道で四円値上げして需要期入りすることを明らかにした。(北海道新聞)
暖房のためとはいえ、灯油を燃やすことは環境への炭酸ガスの放出ということになり、それを削減することは歓迎されることなのかもしれません。しかし、北海道の冬に灯油の使用料を削減することには、おのずと限度があります。
「道内の標準的な世帯は灯油を年間千九百リットル消費」すると言われているのだそうです。実は灯油の値上がりは毎年のように続いており、5年前には1リットル約40円くらいだったものが、この冬には約80円と、なんと2倍になっています。つまり、5年前に年間8万円くらいだった灯油代が、この冬には16万円になるということです。夕張の例を出すまでもなく、北海道は全体として経済状態が悪い状態が続いており、灯油の値上がりはそれに追い打ちをかけるマイナス要因になります。
北海道にはたくさんの石炭が使われずに埋まっています。相次ぐ炭鉱事故や燃やすことによって生じる汚染物質の多さ、さらには扱いの不便さから、夕張を代表とするほとんどの炭坑は閉鎖され、石炭は使われないまま放置されています。
しかし、このペースで灯油が値上がりを続けるならば、いずれは石炭を燃料として使うことを真剣に考えなければならない時がくるものと思われます。もちろん、これだけ科学技術が発展してきたのですから、石炭をそのまま燃料に使うのではなく、何らかの前処理をすることで液体化するなり、もっと使い勝手の良い、そして汚染物質を放出しないような燃料へと転換することで、石油に匹敵するような、あるいはそれ以上に優秀な使いやすく環境負荷の少ないものにできるように思います。
私はそちらの方面にはまったく疎いのですが、そうした研究が盛んに行われているという話も聞いたことがありません。石油がほとんど採れない日本ですから、不安定な輸入に頼るばかりではなく、石油に代わる代替燃料の開発を今のうちから本気でやっておかないと、何十年後かにいきなりパニックになることは明らかだと思います。
目先の経済に振り回されずに、そういう何十年後の未来に向けた研究を行うのも大学の大きな使命でなないでしょうか。そうした、日本の将来の安全にかかわる研究に対してなら、税金を使うことにも国民の理解が得られると思います。
灯油の値上がりのことを考えてもついつい大学の将来を考えてしまうのは、もう「職業病」と言えるのかもしれませんね。

北海道では暖房20℃というのは無理なのでしょうか? ふつう30℃と聞きます。以前、我が家に札幌出身の後輩が来たときに「寒い」と言い出したので、あわててストーブを点けたことを思い出します。そのときの室温は14℃で、わたしは普通そのくらいで過ごしています。場所は仙台でした。
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東京もだいぶ寒くなりました。北海道より消費量はぜんぜん少ないのですが、灯油が高くなるのは困ってしまいますね。
戦時中に北大で石炭の液化の研究が盛んにおこなわれていました。
古本屋で北大の研究者がまとめたと思われるガリ版の資料を見つけました。実家のどこかにあると思います。
戦時中に北大で石炭の液化の研究が盛んにおこなわれていました。
古本屋で北大の研究者がまとめたと思われるガリ版の資料を見つけました。実家のどこかにあると思います。
qsatさんがおっしゃるように、冬の北海道の室温が高いのは有名です。さすがに30℃は「伝説」だと思いますが、学生の1人暮らしを除くと18℃以下というのも少ないと思います。22-24℃くらいが多いと思われる現在の室温を下げるのはもはや地球規模での要求と言えると思いますし、20℃なら無理な話ではないと思います。
toshizoさん、その研究はこれから生きてくると思います。ビジネス・チャンスかもしれません。
toshizoさん、その研究はこれから生きてくると思います。ビジネス・チャンスかもしれません。
by stochinai
| 2007-10-18 21:54
| 札幌・北海道
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Comments(3)