5号館を出て

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アメリカの参加しない京都議定書が発効

 温室効果ガス排出削減の数値目標を定めた京都議定書が、日本時間の今日16日午後2時(国連本部のある場所が午前0時)に発効しました。

 しかし、この議定書には最大の二酸化炭素排出国であるアメリカが不参加を表明しているために、とても不自然な状況になっています。

 今まではみんなが小さな部屋でタバコをすっていて、部屋の空気があまりにも汚れてしまったので、タバコを吸う量を減らそうと相談して決めたのに、一番のヘビースモーカーがその部屋を出ることもなく、「俺は吸うのをやめないよ」と宣言したようなものです。

 他の人たちも本当はタバコを吸いたいのに、このままだとこの部屋にいる全員が煙で死んでしまうという危機感から、タバコを減らそうと決めたのにアメリカは従わないというのです。

 それにもかかわらず、他の国が努力してタバコを減らすことで部屋の空気がきれいになった場合には、アメリカもその恩恵を受けます。こんなうまい話が通るものでしょうか。

 これが、世界一のお金持ちで、世界の正義の守護者を自認する国の態度でしょうか。タバコを止めることには犠牲が大きすぎて、アメリカの強さが損なわれるという危機感は理解できないこともないのですが、強いアメリカを維持するために他の国を犠牲にしても良いという理屈は成り立たないでしょう。

 しかし、さすがにアメリカの国内にもこれは恥ずかしいと感じる人々がたくさんいて、カリフォルニアなどでは連邦政府が京都議定書から離脱したとしても、州のレベルで自動車の排ガス中の炭酸ガスを規制する法律を作ろうとしているようです。

 私たちにもできることはないでしょうか。国や大企業の努力だけに任せるのではなく、何かやってみたいと思います。

 まずは、炭酸ガスを出さないように努力する以外に、減らすことも考えてみましょう。 

 地球上の炭酸ガスを減らしてくれるのは植物です。植物が太陽の光を利用した光合成で水と炭酸ガスを材料に作った有機物を分解せずに、木材や石油の形で保存することはできないでしょうか。石油を作るのは大変ですが、木を植えること、そしでできた木を長年利用できる構造物の形で保持することなら、比較的簡単にできそうです。

 燃やしたり、腐敗・分解してしまったら、木も元の炭酸ガスと水にもどってしまいますが、木のままあるいは紙の形で保存することは、大気中の炭酸ガスを減らすことに協力することになると思います。さらに、地球上のあらゆる土壌を有機物をたっぷり含んだ肥沃な土壌にしてやることも意味があると思います。森林とまではいかなくても、砂漠を緑に戻すことができるならば、たとえ一時的であれ炭酸ガスを土壌中にとどまらせることにもなるでしょう。

 小さなことでも、たくさんの人が一斉にやると大きな力になりそうな気がします。そうした努力が地球のそして人類の寿命をたとえ1秒でも延ばしてくれると思えるのなら、努力する力もわいてくるのではないでしょうか。

 たとえ庭や畑がなくても、小さな鉢植えを育てるだけでも、二酸化炭素の減少に貢献しているのだと思うと、ちょっとは楽しくないですか。
Commented by winter-cosmos at 2005-02-17 09:23 x
 ↑努力します。自分の暮らす環境に愛情がもてるようになるといいですね。
 何かのサービスで花の種をもらうことがありますが、育てる場所がないので、そのまま捨ててしまいがちでした。
 それを特に自生しているもののなさそうな、河川の国有地なんかに蒔いています。もし咲いたらちょっと嬉しいですね(笑)。
Commented by stochinai at 2005-02-17 15:38
 いつも、コメントありがとうございます。
 国家レベルで二酸化炭素何億トンとか言われてしまうと、我々の出る幕はないなあと思ってしまいますけど、なるべく燃えるゴミを出さないとか、自動車は緊急時以外はなるべく使わないとでも、やらないよりはやった方が良いですよね。
 京都議定書の悪いところは、あまりにもスケールの大きな話ばかりで、そうした個々の人々の小さな努力を大切にしようという呼びかけが少ないところかな、とも思います。
by stochinai | 2005-02-16 21:59 | つぶやき | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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