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今日を最後に悪弊を絶つための提言

 名古屋市大の元教授が医学博士の学位取得に当たって収賄したとして逮捕されたと思ったら、毎日新聞のスクープで名古屋大学医学部でも同じようなことが慣例化しているのではないかという報道もありました。すでに、非常に有名になっていることなので、特に元記事などの引用はしませんが、このふたつの「事件」がなぜ名古屋で起こったのかということに不思議に思えています。

 ここのブログのコメント欄でも何度か話題になっておりますが、日本中の国公私立を問わず医学部(など)では昔は学位授与に当たって謝礼を払うのは「当たり前」だった時代があるのだと思います。私も間接的にはいろいろな話を聞いたことがあります。つまり、20年くらい前までは日本中で行われていたのだと思います。

 その頃は、病院に入院した時でさえも治療費とは別に主治医に主治医に謝礼の金品を送ることは「当然」だった時代ですので、学位取得に付随して謝礼があるということがあっても、いわば社会全体として「容認」されていたのではないでしょうか。

 時代が移り、そうしたことがすべて「不適切な行為」と考えられるようになってきてはおりますが、その頃にそうしたことを見て育った大学教授や学位を取りたいと思う人間(多くは医師?)がまだ残っているということが、時折散発的に起こるこうした「化石」のような事件の背景にあるのではないかというのが私の感想です。現に、逮捕された名古屋市大の先生も「元教授」ということでいわば前世紀の生き残りと言えるのではないでしょうか。名古屋以外にもいそうな気がします。

 問題は、現在でもそうしたことが慣例化しているところがあるのかどうかということだと思います。毎日新聞の取材で「告発」があったのも、2001年から2003年ということで、確かにそんなに古いことではありませんが、去年や今年でもありません。論文ねつ造問題などが続発し、大学教員に対する社会の目が厳しくなってきていることが明らかになってきた去年くらい以降もまだやっているのだとしたら、発覚即懲戒免職および逮捕が相当な処分だと思いますが、おそらく今でもやっている「先生」がたくさんいるのを知っていながら、その人達を泳がせたままちょっと前の事例を掘り起こしているのが今回の報道のような気がして、ちょっと違和感を覚えています。

 起こってしまったことを罰することも大切かもしれませんが、ほんとうに大事なことは今日からは絶対になくするということではないでしょうか。

 昨今の食品の偽装問題を見ていると、要するにばれなければいいのだということで、誰かが挙げられたとしても、平気で偽装を続けている人間が多いのがこの国の人々の特徴だと思えてなりません。

 そこで、「昨日までやっていたことは、過ぎたことなので仕方がないので、すべて見逃します。ただし、今日からやった人間はやったことが発覚した瞬間に厳罰に処します。さらに、それを告発した人には大きなメリットがあるような措置をとります」ということにしてはどうでしょうか。

 季節は今まさに博士などの学位申請がもっとも多い時期になってきていますので、このことを徹底させることで、今まで引きずってきた腐った慣習を断絶させることを目指してはどうかと思うのです。

 食品偽装と同じく、論文ねつ造や学位の謝礼金などは、何回も何回も問題になっているにもかかわらずなくならないのです。ここはひとつ、「奇策」と思えるようなことでも試してみる価値はあると思うのですが、どうでしょうか。
Commented by wind at 2007-12-12 22:34 x
「奇策」は効果が期待できそうが、国会の中の賢い顔をしている政治家たちは絶対可決しないでしょう。
Commented by stochinai at 2007-12-13 00:57
 私もそんな気はしています。つくづく日本って不思議な国だと思います。いつでも「実」ではなく「形」をとるのは、実は何も変わって欲しくないということなのかもしれないですね。
Commented by akihiroino at 2007-12-13 13:32
 現在、non medicalの医学博士が増えているのですが、たぶん、彼らは謝礼など払ってないと思います。
 カネの授受に無頓着なのは医局講座制と関係があります。よって、医局に所属しないnon medicalは、カネを払わなくて良いのです。
 医局については、功罪あると思います。「白い巨搭」みたいな世界が、かつてはあった。
 但し、医局の崩壊が、医療崩壊の原因の一つであることは間違いなく、医局を批判するなら、医局に変わる別のシステムを用意する必要があったのに、まったく無策だった厚生労働省は万死に値します。
Commented by akihiroino at 2007-12-13 13:39
>治療費とは別に主治医に主治医に謝礼の金品を送ることは「当然」だった時代ですので、

 はい、確かにそういう時代がありました。公立病院では賄賂、私立であっても、背任罪になったかもしれません。そもそも所得として申告していなかったから、医者は脱税罪です。
 しかし、「謝礼」は、安い保険診療を可能にしていたのです。よく、「赤ひげ」が理想の医者みたいなことを言われますが、彼は金持ちからはがっぽりと金を取って、貧乏人にはタダ同然で治療をします。それに近い状況が、かつては「謝礼」のおかげで実現していました。
 ですから、「謝礼」もまた、功罪ありまして、金の授受自体は違法であっても、いちがいに「廃止すればよくなる」ものでもないのです。
 謝礼は世間の目が厳しくなるにしたがって消滅しました。では、それを補うだけの診療報酬の値上げがあったか?逆ですね。診療報酬は引き下げられました。
 その結果が、やっぱり、医療崩壊なのです。
Commented by stochinai at 2007-12-13 13:46
 akihiroinoさん、有益なコメントありがとうございます。この国のあちこちで行われている「お上」主導の「改革」がことごとく失敗する構図が良く見えてきました。
Commented by S at 2007-12-13 14:42 x
stochinaiさん

>「お上」主導の「改革」がことごとく失敗する構図

最近の「お上」は、「改革」立案にあたってまともな調査をしていないようです。欧米各地で日本のシンクタンクや官庁の下請け調査をしている友人がいます。彼らから聞いた話では、日本の「お上」からの依頼は、日本ですすめられている(すすめられつつある)「改革」のモデル・ケースに関する調査が主だそうですが、その際、現地においてその制度・機関がどのような歴史的・社会的背景のもとに発展してきたものであるのかということは「(時間がかかるので)調べなくて良い」と言ってくるそうです。つまり、歴史的背景を持った社会という有機体の中でその制度・機関がどのように機能しているのかを考えることをしないまま、「よさそう」と思ったらそのまま日本に持ち帰って「応用」しようとする傾向が、日本の「お上」にはあるようです。

ここにも、日本の「お上」の能力の低さが露呈しています。「社会科学系の博士号持ちの官僚が多い欧米から見たら、信じられないような杜撰な調査だ」と友人達は嘆いています。
Commented by don at 2007-12-13 14:44 x
お上主導型の教育システムの崩壊は江戸幕府の崩壊につながりました。松下塾の吉田松陰が果たした明治維新への貢献は私塾の官立教育機関への勝利です。その他、細井平州の米沢藩再興への貢献などトップダウンに対するボトムアップの勝利かともおもわれます。この際、用心すべきはマスコミの暴挙です。マスコミは庶民の味方であったことはなく常にお上の手先であったことは歴史が証明してくれています。
Commented by kuma at 2007-12-13 20:30 x
いま起きているとされる医療崩壊について、患者や厚生労働省が悪いとよく言われます。確かに厚生労働省のお役人に責任はあるでしょうが、でも医局制度の弊害を放置してきたのは誰でしょうか?医局制度が崩壊したときに地域医療に悪影響がでないようなシステム作りに向けての努力を怠ったのは誰でしょうか?医師たちです。プロフェッションとしての医師集団です。
また地方病院が良心的に経営をしようとしてももうからず、都心の開業医ががっぽり儲かる保険点数制度を作ってきたのも、患者ではなく、間違いなく厚生労働省と医師集団です。これらは中医協での長年の妥協の産物だからです。
医療崩壊で立ち去り型サボタージュをし始めた医師たちがいると、いいます。でもその医師たちは別に闇に消えたわけでも飢え死にしたわけでもありません。彼らはもっと楽に稼げる病院に就職したか、儲かると思われる場所で開業しているのです。
ほかにも、忙しくて、予定が立たず、それこそ歯を食いしばってがんばらなければならない職業はたくさんありますが、みんなそこで立ち去り型サボタージュをしてやめていかないのは、開業ができないからです。だからみんな会社を辞めずにがんばっているのです。
Commented by kuma at 2007-12-13 20:36 x
ましてや公務員でありながら、手術の謝礼として現金を受け取るのもあり、脱税もまたあり、という言説にはまったくついていけません。
現在の保険点数制度に矛盾があるならそれを改善するよう努力するのがプロとしての医師集団の責務であり、裏金でカバーしたり、あるときは薬価差益、あるときは検査差益でなんとかカバーするという対策をとってきた結果が、いまの矛盾した保険点数制度につながっているということに反省はないのだろうか、といいたくなります。
Commented by inoue0 at 2007-12-13 21:18
 上に政策あれば下に対策ありというやつで、業務をまわしていくためには、時にはある程度柔軟な制度解釈が必要となります。
 科学研究費補助金だって、規則どおりにやっていたらラボが麻痺してしまうのを、あれこれと「目的外使用」をしてなんとか乗り切ってきたのではありませんか?
 なるほど、ルール違反はいけない。そのとおりです。しかし、ルール違反のおかげで業務が回ってきたのだから、それによる国民の利益は無視されてはならないと思います。
Commented by kuma at 2007-12-13 21:37 x
問題はその考え方です。
規則どおりにやっていたら麻痺するシステムは温存して、その場は頭を使ってうまく乗り切るという対策を続けてきた結果、いよいよ破綻寸前になって初めて問題が顕在化するのです。
ことは科学研究費のような役人対研究者の間の問題ではなく、医療システムの問題です。この問題の本質は、本来スポンサーである、つまり金を出している患者は置き去りにされ、医師と役人が相談して保険点数を決めてきたシステムが破綻寸前になっているということです。
その責任が厚生労働省だけにあると、医師の皆さんは本気でお考えですか?
Commented by kuma at 2007-12-13 21:44 x
真に国民の利益を考えるなら、いまの医療費の使い方は根本的に改める必要があると思います。開業医の収入を一割減らして、勤務医、助産師、看護師、保健師の給料にまわす。たとえば正常分娩は助産師に任せて、医師は緊急対応を中心に分業すれば、お産難民はぐっと減るはずです。日本医師会は賛成してくださるでしょうか?
Commented by inoue0 at 2007-12-13 21:45
>公務員でありながら、手術の謝礼として現金を受け取るのもあり、脱税もまたあり、という言説にはまったくついていけません。

 そうでしょうか?カネのある人からは余計にカネをもらい、カネのない人には規定どおりの報酬しか請求しない。それでも提供されるサービスは基本的には変わらない。まさに「赤ひげ」ですな。
 私が問題にしたいのは、医師に「赤ひげ」的な裁量を求めていながら、自分が払う立場に立つと、今度はそれを糾弾するという矛盾した大衆の姿勢です。袖の下を払わない人までが文句を言うというのもおもしろいところです。
Commented by inoue0 at 2007-12-13 21:55
>その責任が厚生労働省だけにあると、医師の皆さんは本気でお考えですか?
 私は医師ではありませんが、責任は厚生労働省だけではないと思います。一般大衆です。
>本来スポンサーである、つまり金を出している患者は置き去りにされ、
 それは違います。医療サービスのスポンサーは患者ではありません。患者の払う自己負担は全医療費の1割以下であり、大半が、広く国民から徴収された保険料と税金です。
 本質的に、健常者と患者は対立関係にあります。前者は金を払いたくない、後者はいくら金を使ってもいい治療をしてほしい。その間でなんとか調整をするのが政治なのですが、政治はもっぱら前者の味方です。健常者の方が数が多いですから。
 その削減圧力の下で、なんとか医療をまわしてきた医療者たちの工夫は、非難されるべきことではないと思います。
Commented by inoue0 at 2007-12-13 22:07
>開業医の収入を一割減らして、勤務医、助産師、看護師、保健師の給料にまわす。
 利益ではなく、収入を1割減らされると、開業医の大半は潰れてしまい、初期医療の負担が病院にかかり、本当に医療を必要とする患者は後回しになり、崩壊はどんどん進んでいきます。
 診療所は、簡単な診療行為だけをしているように見えますが、診療所が慢性期患者や軽症患者をせき止めていてくれるから、急性期医療中心の基幹病院が機能するわけです。医師を病院に集中させれば、老人でも子供でも、遠くの病院まで通わねばなりません。診療所が広く分散していることには十分に意味があります。

>たとえば正常分娩は助産師に任せて、医師は緊急対応を中心に分業すれば、
 正常分娩は事後的にしかわからないので、最初からトリアージすることはできません。異常がおこったら駆けつけてくれというのなら、最初から病院でお産をした方がマンパワーが少ない。助産師は数が足らない。それを、病院では看護師で補っていたのに、厚生労働省通達によると、これは「助産師法違反」だそうです。このため、内診行為まで医師がやることになり、産科医療の崩壊が加速しました。
Commented by inoue0 at 2007-12-13 22:17
連投になってすみません>管理人

 kumaさんの発言は、典型的な大衆の意見で、一般性があって議論に値します。それは、
・誰かが不当にもうけているから医療がうまくいっていない
という思い込みです。決して、医療費総額が足らないとは認めない。使い方の工夫でなんとかなると思っている。
 いや、医療だけではないですね。公務員が給料泥棒をしている、公共事業にムダがある(そりゃ少しはあるでしょう)、防衛費が多すぎる、特殊法人が税金を吸っている・・・
 どれも、少しずつ真実が含まれていますが、マクロ的に見れば大したものではない。日本の国民負担率は40%そこそこしかなく、G7中で下から二番目です。そのアメリカも、民間医療費を計算に入れると、日本より国民負担率は上です。
 つまり、足らないのは税金、大衆の負担するお金です。増税をして、国民負担率を増やせば、現在、日本の抱えている問題の大半は片付くわけです。
Commented by kuma at 2007-12-14 00:45 x
私の意見が典型的な大衆の意見といわれてしまいました。
inoue0さんお文章を読むと,典型的な大衆の意見というのは,思い込みが強くてマクロを見ていないというということですから,ほめ言葉ではありませんね。

しかし私はinoue0さんよりも長い間(およそ20年間)医療関係の取材を続けてきたのでinoue0さんよりは医療現場の状況や制度は理解しているつもりです。

医療費の患者の窓口負担が1割以下というデータはどちらのものでしょうか。開業医の収入が一割減ると開業医の大半はつぶれてしまうというのはどういう根拠でおっしゃってますか?
異常分娩のトリアージは助産師より医師のほうがうまいというエビデンスは日本にありますでしょうか?
助産師が足りないから看護師に補完させていたというのは事実でしょうか?無資格者を組織的に養成し助産行為をさせていた開業医がかなりの数いたという事実をご存知でしょうか?内診を看護師にさせるのを違法と決めたのはどういう理由かご存知でしょうか?

Commented by kuma at 2007-12-14 00:45 x
患者は窓口負担とは別に,保険料と税金を払っています。医療のスポンサーというにふさわしい存在です。医師歯科医師たちは全国に30万人弱しかいません。国民の99%以上は医師歯科医師以外なのです。そうすると誰がスポンサーでしょうか?国民です。いつ患者になるか分からない国民がスポンサーです。

私は医療費の配分を変えるだけで全ての問題が解決するといってはいません。しかし医療費の使い道がおかしいということについてははっきりと自信を持っています。増税をして解決するならそんな簡単なことはありません。
ご自分のあまり知らない分野に,すべて知っているようなコメントをするのはあまり知識人らしくない行為だとおもいますので,おやめになったほうがいいと思います。
Commented by inoue0 at 2007-12-14 02:34
>医療費の患者の窓口負担が1割以下というデータはどちらのものでしょうか。
 ちょっとデータが古かったですね。どんどん自己負担比率が増えて、平成17年で14.4です。本人ではなく他人が大半を払うという事実は変わらないけれども。
>開業医の収入が一割減ると開業医の大半はつぶれてしまうというのはどういう根拠でおっしゃってますか?
実際に診療所を経営されている方のエントリですが、
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071112
>異常分娩のトリアージは助産師より医師のほうがうまいというエビデンスは日本にありますでしょうか?
 分娩前の検診は医師がやっているんですから、ハイリスクのトリアージは医師にしかできません。しかし、それも推測であって、「正常分娩かどうかは終わってみないとわからない」というのが産科医の多数意見だそうです。
>内診を看護師にさせるのを違法と決めたのはどういう理由かご存知でしょうか?
 まず、あなたの意見をおっしゃっていただけますか?私もことの経緯は知っていますが。
Commented by inoue0 at 2007-12-14 02:53
>そうすると誰がスポンサーでしょうか?国民です。いつ患者になるか分からない国民がスポンサーです。

 一般人は、その立場の互換性を意識できないんです。自分だけは病気にならないと思っている。よって、対立関係にあるのです。

>しかし医療費の使い道がおかしいということについてははっきりと自信を持っています。
 あなたの改革案もずいぶんおかしいと思いますけど。
 医師のコンプライアンスを徹底させろとおっしゃるなら、医師の労働条件のコンプライアンスも重要です。それについては無視ですか?

 ま、このblogは科学について語るblogですので、この続きをしたければ、exblogのIDを取って、私のblogにおいでください。
Commented by kuma at 2007-12-14 09:20 x
そうですね。本来医学界の学位についての謝礼の問題ですからね。
ここで議論するのはやめましょう。あなたと議論する気もありません。まちがった情報や一部の利害関係者(開業医や産婦人科医)の意見をf普遍的事実のようにこのコメントに載せるのをやめていただければ結構です。産科看護学院についてはノーコメントですか?
Commented by 一言 at 2007-12-14 10:41 x
私はいつもinoue0さんの意見に異論をさしはさむことが多いのですが、本件に関してはinoue0さんに全面的に賛成します。inoue0さんがkumaさんの見を「典型的な大衆の意見」と断じたら、kumaさんは自分は大衆ではなく医療関係のジャーナリストだと明かされました。「典型的な大衆の意見」をマスコミが作り上げていることを如実に示しているかのようです。マスコミの大衆誘導(誤導)で日本の医療が崩壊しないことを切に願います。
Commented by 袖の下 at 2007-12-14 11:24 x
akihiroino様
>現在、non medicalの医学博士が増えているのですが、たぶん、彼らは謝礼など払ってないと思います。
 すみません。悪意はないのですが「思います」の根拠はなんですか?
 名古屋地区に限らずMDでも非MDでもいがくはくしについては当たり前に「袖の下」のお金の収受が行われていて、学位をとる教室ごとの「相場」までありますから。
 私はわけあって博士(医学研究科)から、退学、就職して、必要に迫られ別大学研究生(医学研究科)と渡り歩きました。学部も保健系(別大学)で、そこも医学部とのつながりがありました。どこにいっても袖の下はありましたけど?

 まだ学位とってませんが、私が学位審査受けるときにはこの手の袖の下がなくなってたらいいなぁ(願望)。
Commented by 元祖??? at 2007-12-14 12:46 x
>>kumaさん
俺も、 inoue0氏の書き込みには、賛同しかねる事が多いが、本件は彼に同意するね。

> 医療崩壊で立ち去り型サボタージュをし始めた医師たち…彼らは
> もっと楽に稼げる病院に就職したか、儲かると思われる場所で
> 開業しているのです。

職業選択の自由があるから当然。給料の安い職にわざわざ就くことを望む奴は居ない。

> みんなそこで立ち去り型サボタージュをしてやめていかないのは、
> 開業ができないからです。だからみんな会社を辞めずにがんばって
> いるのです。

転職するスキルが無いだけ。彼らだって、同じ仕事で、給料が良い職があれば、転職すると思う。
Commented by 元祖??? at 2007-12-14 13:30 x
諸外国に比べ、日本の医師の診療報酬は安いし、日本の保険制度は良く出来ている。
医療ジャーナリストを自称するkumaさんは、アメリカで医者に掛かったことがあるか?最初に、職業と、保険の加入を聞かれ、支払い能力の有無を判断される。支払能力なしなら、診療拒否だ。予約が一杯だといわれて門前払い。貧乏人は家で死を待つしかない。

だから、助かる確率が極めて低い実験医療(例えば、人工心臓の移植)わらにもすがる思いで、自分から参加する人が出てくる。

日本のあちこちで、アメリカでの移植手術を目的とした募金が、行われている。募金が集まり、金が払えれば、手術が受けられ延命するが、だめなら、死を待つだけ。医療は金次第というアメリカの現実そのものだ。アメリカ人には「赤ひげ」的なものを求めず、日本の医師にだけ、求めるのは矛盾だ。

「税金」というが、いくら税金を払っているのか?平均的サラリーマンの1年間の納税額と保険料の合計は、高度先進医療(例えば心臓移植)の1回分にも満たない。「納税者}という理屈は通らない。

俺は医者じゃないが、自発的なものなら、診療に対する謝金はかまわないと思うし、医局制度がすべて悪いと思わない
Commented by inoue0 at 2007-12-14 13:35
>「思います」の根拠はなんですか?
 non medicalの博士課程の学生が友人にいて、彼は博士号取りましたが、「お礼なんか一切払ってない。医者の先生たちは知らないけど」と言ってました。彼の知人も含めて、n=4くらいです。統計的有意とは言いがたいでしょうかね(笑)
 たまたま「謝礼」が公立大学だったから贈収賄になったけれども、医局のつきあいだと思えばちっとも変ではないらしい。医者の冠婚葬祭って額が違うもん。
 卒業する学生の謝恩会ですら、都会の大学では参加費5万円です。たかが、学生のパーティーですよ。私だったら、卒後のつきあいなんてしないから、そんなものは断ります。
Commented by k at 2007-12-14 13:50 x
話を戻すようですが・・・
>>袖の下さん
akihiroinoさんのおっしゃる
>現在、non medicalの医学博士が増えているのですが、たぶん、彼らは謝礼など払ってないと思います。。
について。
非MDの私の場合,当然払ってません。その様な慣習を無視することに何のためらいもありませんでした。現在それで不都合が生じたことは一切ありません。
しかし私の所属した医学系大学院も数年前に謝礼を渡した人を実際に見てます。彼(MD)は能力もあり立派な研究をして学位を取ったのにもかかわらず,です。これから研究者としてではなく,医局員として大学病院で渡り歩いて行くには必要な行為であったかもしれないですが,私はその様な慣習が今も残っていたことに大学院へのひどい失望を感じたものです。

仮に袖の下さんのいる大学院でも古い慣習が残っているとしても,知らないふりして無視してしまえばいいのでは?
Commented by apj at 2007-12-14 16:23 x
 no medicalの博士(医学)取得者です。袖の下一切無しでした。東大です。その後、論文博士で博士(理学)を取得したときも、袖の下一切無しでした。こちらはお茶の水大。
 医局制度とはそもそも無縁ですし、取得後の元の研究室との関わりは、東大の方は同窓会には出る・協力研究員のメンバーにだけしておいてもらう、といった程度。お茶の水大の方は、大学の制度と直接関わることはありませんでしたが、その後ずっと先生とは一緒に共同研究を続けています。でもまあ、医学系といっても、先生が工学部と医学部の兼任で主な方が工学部という状態でしたので、生粋の医学系とは状況が違ったのかもしれません。
Commented by おが at 2007-12-14 18:00 x
>袖の下さん
>>名古屋地区に限らずMDでも非MDでもいがくはくしについては当たり前に「袖の下」のお金の収受が行われていて、学位をとる教室ごとの「相場」までありますから。

数年前旧帝大医学部の基礎系研究室でPhDを取ったMDです。臨床系の先生にも審査に入って頂きましたが、袖の下など全くありませんでした。臨床系の院に進んだ友人のMDに聞いても「ありえない」とのことでした。学位売買はstochinaiさんが書かれている通り化石化した風習であり、そのような慣行が残っている旧態依然とした大学院は恐らく他の面でも遅れているので、進まれないほうが賢明だったかと思います。
Commented by kuma at 2007-12-14 19:06 x
私は「大衆ではなくジャーナリストだ」といった覚えはありません。

コメントをよく読んでいただければわかりますが、inoue0さんのいう「大衆の典型的意見」というのが「少しの真実で全体を判断する、マクロを見てない意見」という意味であり、自分と違う意見に対してそういう分類の仕方をして馬鹿にするようなコメントは失礼だと感じたから、私は医療全体を取材しているのでそういう批判はあたらないと思うと反論しただけです。

アメリカの医療制度についても何度も現場で取材した経験があります。マネジドケアの問題点についても知っています。日本の診療報酬のシステムの歴史についてもたくさん取材しました。申し訳ありませんが、アメリカでは貧乏人は医療が受けられなくて死ぬだけなどという手垢のついた日米比較論には興味がありません。ヨーロッパ各国の医療制度も取材しました。それぞれの国ごとにいいところも悪いところもあります。とにかくここでの議論はもうやめておきます。さようなら
Commented by 企業人事部 at 2007-12-14 23:19 x
今後は、博士保有者の採用にあたり、博士号授与に関し、金銭授受など反社会的行為がなかったことを証明することがなければ、書類選考段階で、ご遠慮願いします。

Commented by k at 2007-12-15 01:30 x
>企業人事部さん
あえて釣られてみますが、
それっていわゆる「悪魔の証明」を求めるということですかね。本気ですか?
どんな博士も絶対に採らないぞ宣言ですな。
Commented by たいしゅう at 2007-12-15 08:39 x
一番「大衆の意見」っぽいのは、いつもクズ本をネタに持ち出して、凡庸な意見ばかり言うだれかさんですよね。

外野からの感想失礼しました。
Commented by 企業経理部 at 2007-12-15 14:16 x
我々庶民は「悪魔の証明」とかナントカわかりません。ただ「世間知」なるもので日々小心翼翼と過ごしています。その「世間知」では博士さまとは生涯会わざる雲上人であり、よしんば会ったとしたらそれは「怪獣博士」か、公金に手を付けて雲上から転げ落ちた「崩れ」さまか、はたまた正真正銘のバカセさまということになります。従いまして、企業人事部から「博士」採用の予算稟議が来た場合、再考せよ!と回答します。 それでも、しつこい場合は、最近博士号売買が報道されている、本件がそうでないことを立証せよ!さもなくばコンプライアンス問題となるであろう!と再回答します。 よって、事実上、どんな博士も絶対に採らないぞ宣言、となってしまいます。 ただし、それは日本の大学のそれら、ということでございます。
Commented by inoue0 at 2007-12-15 14:33
たいしゅうさんへ。
 それでは、良い本をご紹介ください。そして、非凡なご意見を頂戴したく存じます。
Commented by 学位売買? at 2007-12-15 15:20 x
常連の方々には言わずもがなのことですが、このブログを見ているアカデミア外の方々に。
学位審査にあたって謝礼の慣習がある(あった)のは、ほぼ医学博士に限られることです。さらに、上にあるように主として臨床系で、さらに主には外部から学位だけ取りにくる「お医者様」によるものです。最もひどい場合、週に一度くらい顔見せに来る程度で、実験も論文もラボのポスドクや助手がやることもありました。これは確かに学位売買にあたるでしょうが、彼らは間違っても企業に就職を希望したりしませんw
その他の基礎系non-medicalの医学博士で、仮に謝礼があったとしても、それは通常、文字通り単なる謝礼で(自発的なものでなく慣例だと言われて仕方なく払った場合も含めて)、学位審査には無関係であり、学位の売買ではありません。もっとも、世間からは疑われるのは間違いないことですから、廃止するにしくはありません。
さらに医学博士以外では、高額な現金の謝礼という慣習そのものが存在しないと思います(お歳暮やお中元程度のものはあるかもしれませんが)。
したがって、就職に際して学位売買が問題になるのは、あらゆる意味で馬鹿げたことです。
Commented by 企業法務部 at 2007-12-15 21:27 x
このブログを見ているアカデミア外の方々に。っていうけど世間の庶民はお医者も普通の博士も区別がつかない。ただ、お役所はどこも汚いことやってるから大学だって多かれ少なかれそうなんじゃない?という漠然とした「偏見」を持つだけ。あまつさえ最近の科学技術政府予算は公共事業費並みだったことが世間に知れれば、その「無駄遣い」ぶりがどういう騒動をおこすか...。

まじめな問題点は、もちろん博士号授与にう現金が関与しているとは思わないが、最近の博士は教授の研究の分担、肩代わりという面を持つ。この成果は共著という形で教授も受益する。しかし、別に人件費をその院生に払っているわけでない。つまり、不払い労働と学位の交換と解釈できる。
Commented by k at 2007-12-16 01:56 x
企業人事部・企業経理部・企業法務部さんは皆同じ人?もしそうなら紛らわしいから止めてくれ。違ったらごめんなさい。
>企業経理部さん
貴方の言う「世間知」では,日本の博士なんか最悪で使えなくってどうしようもない,採ったら最悪っていう企業として暗黙の処世知があるというわけですね。だから何が何でもどんな理屈を付けても採るわけにはいかないと。なるほど。それから日本の大学以外の出身博士なら問題ないと。じゃ,アメリカで学位を買った人なら潜り込めそうですね。
>企業法務部さん
科学技術予算の「無駄遣いぶり」というのはよく知らないのでコメントできませんが,どんな無駄遣いがあるのかちょっと教えて下さい。
それから「不払い労働と学位の交換」という解釈には同意できかねます。博士課程での指導という側面を無視して語られていると思うからです。
Commented by 元苦学生 at 2007-12-16 02:13 x
こういう問題が起こって、自称「庶民」や「企業人」やその他大勢の大学院事情を知らない人々の間で「博士」の価値や信頼感が下がるのは、悲しいですね。学位売買や「謝礼」の慣習なんて、箔をつけるための医学博士かディプロマ・ミルくらいにしか見られないのに。少なくとも私の周り(旧帝大)では聞いたことありません。お歳暮すら断る教授陣も数知れず。
Commented by 企業苦情受付担当 at 2007-12-16 11:43 x
k さん! 年いくつ? 学部3年までなら、まあ、許せる。

もし、もっと年長なら、「知的能力」大丈夫か?

あるいは、Kさんはアカデミシャン及びその志願者を貶める「工作員」か? アタマ悪すぎ。、

おかわいそうに。

Commented by kumaさんへ at 2007-12-16 14:20 x
日本の官僚の調査能力だけでなく、日本のジャーナリストの調査能力にも
問題があると思われませんか。
そこに対する自省がないだけでなく、批判されたら逃げ出す根性が、
官僚制度以上にジャーナリズムを腐らせる原因になっていると思いませんか。少なくとも官僚制度並びに官僚自身の質を批判する仕組みは日本にあるが、ジャーナリズムの質を批判する仕組みは、日本にはない。
調査結果に基づかず、イデオロギーに合う情報をつぎはぎだけした
ジャーナリズムが横行しているのもまた、日本の貧困の理由のひとつではないか。
思わないんだったら勝手にしてくれて結構ですけど、そんなジャーナリストなんていらないです。
Commented by k at 2007-12-16 15:10 x
>企業苦情受付担当さん
この可哀想な私にコメントのどの辺が「アタマ悪すぎ」といわれるほどなのか,ついでに指摘してもらえたら勉強になったのですが。
それにしても苦情受付の割にはずいぶんと対応が酷いのですね。
Commented by 企業苦情受付担当 at 2007-12-16 21:15 x
>>勉強になったのですが。

貴殿は心底間抜けですね。そういう甘えた根性だからだめなのですよ。この「忠告」は愛情ですよ。 勉強は自分でして、その成果をシニアーの学徒と討議するという学風を教わっていませんか?

そうでないなら、本当に、おかわいそうに。

Commented by peach at 2007-12-16 21:20 x
これはひどいほのめかしメソッド
Commented by k at 2007-12-16 22:33 x
貴方のコメントは最初から「アタマ悪すぎ」」「おかわいそう」など私を貶める内容だけなんですよ。お前の意見はこういう理由で賛成できない,お前は勉強不足だ,と批判されるならわかりますが,苦情受付担当の方はいきなり罵るだけ。だから「罵りついでに指摘してもらえたら」そこから議論になるし,それ自体が「勉強」になったはずと思ってそう書いたのですがね。その次のコメントが「間抜け」からはじまり,「教えて君」は帰れですか。言い方がまずかったかも知れないですが,かみ合わなくて残念です。
Commented by またかよ at 2007-12-16 22:38 x
企業xxxとかいう、ハンドルネームの奴が出没しているが、
人事部でも、法務部でも、経理部でもないくせにいいかげんにしろ。
まともに、ハンドルネームも名乗れないなら、議論にならん。

「討論する学風」
といいながら、自らアラシ同様の書き込みで、憂さ晴らしかい。
忙しい年末の休日にご苦労さん。

それとも、自分の学歴のなさをwebで博士に八つ当たりか??
大体、おまえさんが、博士の採用にかかわる事なんて、
未来永劫ないだろうに。。。
Commented by またかよ at 2007-12-16 22:39 x
各種謝礼の風習は臨床医が出入りする世界に限ったことで、
学会関係は、企業では普通のお中元やお歳暮程度すら、
最近はほとんどない。まして、謝金を渡すなんて感覚はない。
大学院に在籍したものなら常識。

カスはスルーしましょう。
Commented by 鶏肋36歳PD at 2007-12-18 01:27 x
私のいた大学(名大とは異なる旧帝大)でも、医学部の人が多額の謝礼について言っていました。私の学部では、その様な慣習を聞いたことがなかったので、びっくりした記憶があります。謝礼を受け取るのは当然、という認識は、医学部以外では、通用しないとは思いますね。
by stochinai | 2007-12-11 21:56 | 大学・高等教育 | Comments(48)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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