5号館を出て

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ザトウクジラの捕獲は中止

 ここでも何回か取り上げましたが、日本政府は今シーズンの調査捕鯨から行う予定だったザトウクジラの捕獲を中止すると発表してくれました。理由や発表の仕方はどうあれ、とりあえず政府の「大人の対応」に賛意を表します。

 我々はどうしてもザトウクジラを食べなければならないのか

 ザトウクジラには世界的アイドルがいた

 昨日の広島大学サイエンスカフェの後の懇親会で、久しぶりにクジラの竜田揚げを食べました。もちろんそれがなければ食生活に支障が出るというほどの存在ではありませんが、私にとって懐かしくおいしい「食べ物」のひとつであることを再確認しました。

 おそらくあのクジラはミンククジラだったと思います。私が子供の頃に良く食べていたのは、マッコウクジラとナガスクジラだったと記憶していますが、クジラの種を味で感じられるほど自分の舌が肥えていないことは明らかで、私にはせいぜいクジラとウシとブタとニワトリの違いくらいしかわかりません。

 よく食べるこれらの動物の中で、クジラを除くすべての動物は家畜として人間が繁殖させたものを飼育して食用にしていますが、クジラだけは「野生」のものを捕獲して食用に供しているという大きな違いがあります。

 国際法的な解釈はともあれ、私の意見としては野生動物の所有権は誰にもないと思いますので、増えすぎて困っているエゾシカなどの場合と違って、世界の海を泳ぎ回っていてしかも数がそれほど多くないクジラを食べ物にすることに日本だけが強い既得権を主張できるほどの根拠はやなりなさそうな気がします。

 というわけで、さまざまなことを考えるとやはりザトウクジラを捕獲して食べてしまうというのはどう考えても世界的な支持を得られる行動とは思えず、それを主張して国際社会の中で悪い立場に立つくらいなら、クジラを食べることをあきらめて国際的に歓迎されるのであれば、それはやはり外向的に正しい判断だと思います。

 農水省では「ザトウクジラを捕らなくても、国内の鯨肉の供給に問題はない」と言っているようですが、「調査捕鯨」として行っている捕鯨の目的が「鯨肉の供給」であることを白状しているこのような発言はとてもまずいものだと思います。

 そろそろ「調査捕鯨」などという便法から脱皮して、食料としての捕鯨を国際的に認知してもらう努力を始める時期が来ているように思えます。
Commented by うに at 2007-12-23 18:34 x
鯨肉は水銀含有量がばかにならないようです。まあ、妊娠していたり、毎日のように食べたりしなければ大丈夫だとは思いますけど。
Commented by k at 2007-12-24 03:59 x
一口に鯨肉と言っても色々種類がありまして,種によって水銀含有量が高いものと低いものがあります。捕鯨の対象になっているミンク鯨などは,実はマグロよりも低いというデータが4年前に厚生労働省から公表されてます。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/06/tp0613-1.html#betsu
このデータを信じるなら,ミンク鯨の肉はマグロよりも安全ということになるでしょう。ミンク鯨は個体数が豊富ですからモラトリアムを維持する必要はどこにもないはずなんですがね。
ザトウクジラを捕らないという判断は戦略的に正しいと思いますが,今回の件は議長からIWCの正常化を進めるという一言を引き出したとはいえ,得たものより失ったものの方が大きいかも知れません。
Commented by nq at 2007-12-24 11:03 x
NHK BSで見た一昨日のBBCのニュースでは、銛を打ち込まれた鯨の血で海が真っ赤になる捕鯨風景を背景に放送していました。日本でも食糧難だった戦後とちがって、鯨見物に人気がありますから、このような画像とともに報道されると喚起される世論はずいぶん違うでしょうね。
by stochinai | 2007-12-22 23:59 | つぶやき | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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