5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

ヒトの研究が始まる時、動物の研究が終わる 【追記】仙台通信さんにトラックバック

 私が大学院にはいった頃、動物発生学の研究ではウニやヒトデを使った受精研究が非常に盛んに行われており、研究者の数も多く、学会発表の数も多く、論文も多く出ていました。その頃、ヒトはもちろんマウスをはじめとした哺乳類は体外での人工授精すら難しく、たまたま成功することもあるというレベルだったのに対して、ウニやヒトデそれにカエルなどはもともとが体外受精で、成熟した卵と精子さえ手にすることができればそれを使って誰でもが人工授精させることができることもあって、受精の前後に起こることについて膨大な情報が蓄積されていました。

 その頃でも、ウニやカエルの受精研究の意義を述べる時に、それが「ヒトでは研究することが困難な受精のプロセスを明らかにすることに貢献する」ということを強調して、論文のイントロやディスカッション、さらには研究費の申請書類に書かれるのが普通でした。今でも、ヒト以外の動物を使った研究をしている我々が論文を書いたり、特に研究費の申請をしたりする時に、その意義を強調する時に「ヒトでは研究することの難しい**の研究の基礎データを得るために有用な研究である」などということをついつい書いてしまうものです。

 さて、その受精研究ですが哺乳類での研究も進展し、1978年には初の体外受精でのヒトが生まれました(試験管ベイビー、ルイーズちゃん)。つまり、ヒトあるいは哺乳類を使った受精研究が誰でも簡単にできるようになってきたのです。そうなってくると、もはやウニやヒトデ・カエルを使った受精研究は「ヒトにも適用できる基礎研究」ということにはならず、ヒトの受精を研究したいのならヒトあるいは最低でも哺乳類を使ってやらなければ意味がないという時代になります。

 その結果、ヒトおよび哺乳類以外の受精研究は壊滅的な打撃を受けます。もちろん、基礎的な生物学の研究としてウニやヒトデ・カエルの受精についてヒトとは異なるおもしろい現象はたくさんあり、それを研究することは研究者にとっては十分におもしろいことであり、そこからは十分に興味深いウニやヒトデ・カエルに独特な情報が得られるという事情に変わりはないのですが、世の中のほとんどの非専門家の興味はヒトの受精や発生についてのことであって、ウニやヒトデやカエルがどんな受精をし、どんな発生をしようが興味を持ってもらえないという現実の前に急速に熱が冷めてしまい、さらには研究費も配分されにくくなるということになるのだと思います。

 同様に動物の再生研究も、ヒトがほとんど再生できないのに対して、ヒドラやプラナリアというヒトとは遠く遠く隔たった動物がそのからだの小さな断片からでも全身を再生することができるということから、それらの動物を研究することでいずれはヒトのからだも再生させることができることができるようになる「再生医療」へとつながる可能性があるかもしれないという意義を強調するのが常套句のように使われていたものです。

 ところが、どんな細胞にでも分化することが可能なマウスのES細胞が登場したあたりから事情はかなり変化してきたような気がします。マウスのES細胞が報告された時、ヒトのES細胞が作られるのは時間の問題だと誰もが思っていました。さらに1996年1978年に羊のドリーの誕生によって移植可能なES細胞を得るための哺乳類クローンが作成できるようになった時に、カエルのクローンが50年以上も前にできていたことを思い出す人(新聞記事)がほとんどなかったことにも、その思いを強くしました。ヒトでできるようになったら、他の動物での研究はすっかり忘れ去られるというのが現実なのです。

 さらに、「倫理的問題」があるということでヒトクローンおよびヒトES細胞の研究が足踏みをしている時に、倫理的問題をクリアする「万能細胞」というかたちでiPS細胞ができたという論文を読んだ時、私の耳にはヒト以外の幹細胞研究の時代の終わりを告げるベルが聞こえたような気がしました。

 もちろんiPS細胞に分化万能性があるといっても、それを使ってもヒドラやプラナリアのような全身再生などできるはずもなく、イモリのように足の一本を再生させることもできず、さらには肝臓のような比較的簡単な臓器を作ることすらできないにもかかわらず、iPSに興奮している現在の日本及び世界の状況の中ではiPS以外の基礎的再生研究は、たとえマウスのES細胞といえどもその存続がかなり苦しくなってくることは間違いないだろうと思います。

 日本人がiPSという素晴らしい細胞を作り出したことには、心から喜びとお祝いの気持ちを覚えながらも、同時にそれがヒトのiPS細胞以外の他の動物や他の細胞を使った多くのの発生や再生研究の終わりを意味するであろう寂しさも同時に感じています。

 それは、単に国の政策のレベルや非生物学者の意識だけにとどまるものではなく、現場の研究者やこれから研究を志す若者達をも拘束してしまう、避けがたいトレンドとなるのだと思います。

 そんな大波に翻弄されながらも、昔の大学には独自の研究を細く長くできる場を見つけることができたのですが、今はどうでしょう。かなり難しい気がしています。細々と生き延びる「わけのわからない」研究がなくなってしまうと、次の時代に「クローン」や「ES細胞」や「iPS細胞」に匹敵する新たな大きな課題が出てくる余地がかなり少なくなるだろうという私の思いが、杞憂に終わってくれるといいのですが。

【追記】
 仙台通信さんからトラックバックをいただきました。こちらからも送りますが、記事の中で気に入ったフレーズをクリップさせてもらいます。

>大学にしろ、学会にしろ、アカデミアの中だけで閉じていて、研究費申請のときだけ「これは、きっと将来、役に立つでしょう」と逃げていてはいかがなものか。

>(そういう伝統があったからこそ、山中先生のiPS細胞に繋がったと思います)、一方で、この予算にお金が付くから、関係ありそうな研究ならそこに乗っかろう、というのはどうかと感じます。

>省庁も、「いかにiPS細胞につぎ込んで、それによって成功したか」に乗っかりたいというのは、箱物行政に似た短絡さを感じます。

>よく考えると、「その研究って面白い!」と思って資金援助をしてくれる大金持ちがいたら、もっといいですね(*^_^*)
Commented by isikaribetu07 at 2008-01-14 00:28 x
>1978年に羊のドリーの誕生
1996年ではありませんでしたか。

「わけのわからない」研究の大切さというのは、分かってもらうのは大変ですよね。とくに予算配分権を持つような方々には。
莫大な予算を要するというならば別ですが、個人的には「へー」(「トリビアの泉」的なノリで)と思わせてくれる研究であればそれでいいと思っているのですが。
Commented by stochinai at 2008-01-14 00:44
 ありがとうございます。ルイーズちゃんの出生の年を書いてしまいました(^^;)。

 そういうわけのわからない、しかし確実にその中から重要な研究の萌芽が出てくるには、昔のように研究室に年間100万か200万でいいのですけれども、基盤校費としてはそれすらもなくなっているのが今の大学の実態なのです。なんとか、国民の皆さまから支持をもらうべく努力しなくては大学の存在意義の半分はなくなってしまいます。
Commented by miw at 2008-01-14 01:24 x
>なんとか、国民の皆さまから支持をもらうべく努力しなくては大学の存
>在意義の半分はなくなってしまいます。

そうですね、ご理解していただけるようにうまくアピールしたり、
企業さんとも一緒に研究したり、
大学祭とかでいろいろ見てもらえる出し物を用意したり、
がんばりたいです。
Commented by 研究バ○一代 at 2008-01-14 11:05 x
いつも楽しみに読ませていただいてます。
今回のエントリーに対して私なりの考えを 書いたのですが、トラックバックが会員専用らしいので、出来ませんでした。
アドレスを貼っておきますので よろしかったら、ご覧ください。
Commented by stochinai at 2008-01-14 11:42
 関連エントリーを書いていただきありがとうございます。
iPS細胞 その4
http://blog.livedoor.jp/chaonetwo/archives/464910.html
 異論・反論大歓迎です。

 今後とも、よろしくお願いします。
Commented by lll at 2008-01-14 12:54 x
試験管ペイビーの固有名詞としてルイーズちゃんという名前をあげる必要があるのか小一時間問い詰めたい。
人権侵害じゃないだろうか。
Commented by stochinai at 2008-01-14 13:30
 冗談のコメントではないということで、反応しておきます。

 ためしにネットで検索してみてください。彼の地では日本のように試験管ベイビーだからといって差別されたりはしないようなので、ご両親を含め本人も映像入りで取材に応じています。少なくとも当人および両親は、人権侵害とは思っていないはずです。
Commented by K_Tachibana at 2008-01-14 13:35 x
久しぶりにコメントします.
私は,文科省での「第1回幹細胞・再生医学戦略作業部会」を傍聴し,サイエンスポータルにそのときの様子をレポートしましたが,「ヒトのiPS細胞以外の他の動物や他の細胞を使った多くのの発生や再生研究の終わりを意味する」というのは,事実誤認ではないかと思います.
後ほど,同作業部会に委員として出席された大隅さんからもブログ上でコメントされると思いますが,iPS細胞以外の幹細胞研究も含め基礎研究を非常に重要視しています.
「iPS細胞研究コンソーシアム」も組織されますので,栃内先生もぜひご参加いただいて意見を出していただければと思います.
Commented by K_Tachibana at 2008-01-14 13:39 x
追記します.
「iPS細胞研究コンソーシアム」はネット上のバーチャル組織ですので,東京や京都にいなくても札幌から十分参加可能です.
Commented by stochinai at 2008-01-14 13:43
 今後どうなるかは、10年くらい経ってみないとわからないと思いますので事実誤認は言い過ぎでしょう(笑)。私は、受精研究に関して起こった「歴史」が繰り返されないように「警鐘」を鳴らしたつもりですので、予想が外れることは大いなる喜びです。
 私としては、今回の快挙が基礎生物学全体(幹細胞の基礎研究だけではなく)の底上げにつながることを期待していますが、まさかそこまで広く考えている人はほとんどいないのではないでしょうか。
Commented by 2つ at 2008-01-14 13:49 x
この話題で2つのことを思いました。1つは、昔、Dosの時代にMacが出来てプログラムを覚えなくてもよくなりましたが、C言語はまだ専門家の間では進歩し続けてるのではないでしょうか。
もう1つは、ゲノムプロジェクトのことですが、日本がこの後もこの再生の分野にたくさん貢献するには良く出来た研究体制が必要でしょうけど、体制作りは大の苦手です。日本のゲノムプロジェクトに対する貢献は高かったか、低かったかという反省がありましたが、果たして今回はどうなるのでしょうか。
Commented by K_Tachibana at 2008-01-14 13:51 x
ちょっと言い過ぎたようで,申し訳ありませんでした.ただ,私が見ている限り,マスコミが喧伝しているように,ヒトiPS細胞の応用研究だけに特化しようとはしていません.
少なくとも,委員会の中では基礎生物学全体の底上げにつながることを考えています.あとはそれをうまくつないで,一部の研究だけに特化して終わりにならないように話をもっていく必要があります.科学技術コミュニケーションは,こういった場面において,非常に重要になってきます.
CoSTEPなどで養成されている人材の重要性を会議で大隅さんが強調されていたのですが,まさに栃内さんの危惧を超克したいからだと思います.
Commented by stochinai at 2008-01-14 15:13
 おっしゃることは良くわかりますし、善意の方々が一所懸命に努力しておられることにも感謝しています。しかし、ポスドクを含め直接にiPSの研究をしているわけではない生命系の研究者にある種の危機感が広がっていることはそこはかとなく感じられます。
Commented by 6@新潟 at 2008-01-14 20:14 x
やりたいこと(研究)なら自腹切ってやればいいじゃない。
実際そうやって研究してる人は多くはないけどいるんだから。

何でもかんでも国を頼るな、と言いたい。
Commented by stochinai at 2008-01-14 21:08
 国に甘えているというふうに読まれてしまったのは、私の筆力のなさです。私が言いたかったのは、国の政策として基礎を大切にしないと、20年・50年後に日本の科学界が荒れ地化してしまうのではないかということです。
 個々人のレベルならば「やりたいことを好きに」やっていれば良いのでしょうが、国の科学政策がそれではやはりダメでしょう。
Commented by またかよ at 2008-01-14 23:56 x
>> 6@新潟
> やりたいこと(研究)なら自腹切ってやればいいじゃない。

この種の書き込みが多いから、書き込むが、、、

逆に聞くが、6@新潟は、いくら所得税を納めているんだ ?
納税額が100万円にも満たなかったら、あんたが国から受けている
恩恵の方が、払った税金よりも多いぞ。

「自腹を切れ」とか、「税金だ。。」と言う奴に限って所得税をロクに
収めていない。
納税額の多い人で、そんな発言をする人は見たことがあまりない。

トピずれすみません。(元の議論続けてください)
Commented by カリフォルニア at 2008-01-15 00:37 x
再生や発生の非常に基礎的な研究をしているポスドクたちはStochinai先生がおっしゃっているように非常に危機感を持っています。
とはいえ、こういうと、金にならない研究をしてどうすんだ???という反論が帰ってきそうですが、非常に貢献の大きなサイエンスはやってどうすんだ?という研究から生まれる可能性が高いものだと思います。
これらの芽をつぶして、既存のものにしか研究費を配分しなくなり、人材を海外に流出させてしまう事こそが問題だとおもいます。
もちろんiPSに研究費を重点的に配分する事に大きな意味はありますが、他の分野の芽をつぶすほどである事は好ましくはないかと思います。
科研費を配分していらっしゃる先生方の数人はこのようなことをおっしゃっている方もおられますので、根絶はしないでしょうか、いづれにしても厳しくはなると賛成します。
20-50年後相変わらずの米国二番煎じサイエンスが続いているのでしょうね。
Commented by K_Tachibana at 2008-01-15 08:07 x
今回の部会の中には,NAISTの高橋淑子先生がおられますし,stochinaiさんやカリフォルニアさんの言われたような危惧を会議の場で口に出しておられたので,そうおかしな方向には行かないと思っています.

発生・再生の基礎的な研究が重要ということを,しっかり行っていくためにもぜひ,コンソーシアムで意見を出して高橋先生の意見を支援してあげてください.
Commented by stochinai at 2008-01-15 12:37
 淑子さんがいるのなら、私の出る幕はありません(^^)。もちろんバックアップ・後方支援は最大限にやっていきたいと思います。
Commented by M at 2008-01-15 17:12 x
結局予算の取り合いですな。負債過多でデフォルトになるのか、ハイパーインフレでちゃらにするのか、財務省の見解はどんなもんですかね。
Commented by stochinai at 2008-01-15 19:11
 身も蓋もないですが、国が使える予算に限りがある以上、税金を使うところでは最後は予算の取り合いになってしまうのは、その通りだと思います。

 政策としてトップダウンでお金が使われる場合には、決定までの議論の透明性と使われたお金の監査と公表が保証されていれば、それは行政の権限として認められるべきものだと思います。しかし、一方では行政側にその時々の国民の声を聞いてもらうことも国民の権利だと思いますので、意見があったらさまざまなチャンネルを通じて発言することもまた民主主義というものだと思います。
Commented by ゑぶ at 2008-01-19 02:00 x
上の文章では、「予算は取り合い、それでも、ちゃんとした手続きさえ踏めば民主主義的なのだ」とうけとれますが、他の政策では正しいと認められている手続きを踏まえた場合でも、研究については、それに加え、研究者の自律心やモラルが厳しく問われるべきだと思われます。

科学技術関連政策の場合は、施策の内容が専門的過ぎて、一般国民には理解し得ない部分が、他の政策分野に比べ、大きいとおもわれます。そのため、一般国民(と一般職たる官僚)は、科学的な議論の蚊帳の外にいるわけですが、そうであっても、一般国民は、専門家である研究者の科学的モラルを信頼し、政策的判断をゆだねているとおもいます(例えば「あの大御所の××先生が言ったのだから間違いない」のように)。

科研費にきれいごとや絵空事をならべて申請し、税金を掠め取っては、くだらない研究をしている研究者も一部みうけられますが、研究者は、一般国民の附託をうけて、科学技術関連予算を執行しているという自覚を忘れないでほしいと思います。
Commented by 矛盾 at 2008-01-19 03:20 x
>>ゑぶ 様

> 施策の内容が専門的過ぎて、一般国民には理解し得ない部分が、
> 他の政策分野に比べ、大きいとおもわれます。

そのとおりだと思う。だが、上記の如く、内容が充分に理解できないと述べながら、下記のコメントは変だ。

> 科研費にきれいごとや絵空事をならべて申請し、税金を掠め
> 取っては、くだらない研究をしている研究者も一部みうけられます

内容が分からんと初めに書きながら、「研究内容がくだらない」と、何故分かるのか?矛盾だ。

何処からかの伝聞、例えば院生崩れのNPOの風聞を鵜呑みにして決め付けているとしか思えない。あの団体が言っていることだから間違いないとかね。

だが、この種の団体の役員や、HPの開設者の、経歴や素行を少し調べると、相当怪しい人も多いと分かる。伝聞を垂れ流すのではなく、少しは自力で取材し、情報の真偽を確かめてみたらどうだろう。。

現在の科学技術予算は、審査があり、最低でも3倍の競争率だ。一定の評価を得た人でないと通らない。誰からも評価されない、本当にくだらない人が絵空事を書いて、予算が通るほど甘くない。
Commented by ゑぶ at 2008-01-19 03:26 x
たしかに、説明不足かもしれません。
科学技術の全体にわたって細かく把握をすることは不可能ですが、非常に細かい分野に限って言えば、私レベルの人間でも、変な研究をやっているということに気づくことも可能です。ただこれは私の知っている分野については、そういう人が見受けれるという話なので、こういう傾向を研究一般に敷衍しようとは思いません。ですから、上の文章で「一部みうけられますが」と書いたのです。

要は私が個人的に知っている人が本当にひどかったという話です。
Commented by 矛盾 at 2008-01-19 03:38 x
確かに、そういう例もあると思います。

しかし、私の知る限りでは、ここで上げられているような、純粋な科学研究ではなく、むしろ応用系に多いと思います。

応用系の予算の申請書を見たことがありますが、科研費のものに比べると随分詰めが甘いのに、民間(特に中小やベンチャー)との共同研究だからという名目で、一桁大きな研究費が申請されています。。

よく知られた例だと、予算の使い方が問題になった、早稲田の女教授の研究も、民間(中小企業)と組んだ応用系でしたが。。。

また、産学協同の流れを利用し、税金で食いつないでいる民間人を見たことがあります。

同じ民間と応用研究でも、大企業との共同研究だと、大学以上にきっちりした実現可能な計画が多いです。不思議なものです。
by stochinai | 2008-01-13 23:59 | 生物学 | Comments(25)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai