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2度目の「はじめての人口自然減」: 札幌はフキノトウ

 人口は、数年前からすでに減り始めていたはずだと思うのですが、こんなニュースが出ていました。

 日本の人口、2000人の自然減に 昨年、出生が死亡下回る(2008.3.21)
 総務省が21日発表した2007年10月1日現在の推計人口(確定値)によると、比較可能なデータがある1950年以降初めて、年間の出生児数が死者数を2000人下回る「自然減」となった。
 探してみると、2005年に4300人の減少が記録されていたというニュースがありました。

 厚労省が「人口動態統計」発表(2005.12.22)
 厚労省は22日、2005年の「人口動態統計」(年間推計)を発表した。出生数は前年比4万4000人減の106万7000人、死亡数は同4万8000人増の107万7000人となり、差し引きで1万人の「自然減」となった。出生数が死亡数を下回る自然減は1899年に統計を取り始めて以来、初めて。
 このニュースの違いを読み解くのは、私の硬い頭ではなかなか難しいのですが、鍵は総務省の発表と厚労省の発表という差なのかも知れません。総務省は厚労省のデータとは「比較可能」ではないということなのでしょうか。細かく見ると、総務省のものは「推計人口(確定値)」であり、厚労省のものは「人口動態統計(年間推計)」となっており、相互に比較することは「不能」ということなのでしょうか。こういうところを「行政改革」してくれないものかと、素人は思ってしまいます。

 まあ、いずれにしてもあまり大きなニュースではないようなので、話題にもならずに流れ去る前に、こんな辺境のブログにでも書き留めておきたいと思います。

 ニュースではサクラの開花が待ち望まれているようですが、札幌の桜は5月ですのでそれは別の世界のお話しです。ところが、フキノトウも4月のものだと思っていたら、大学の駐車場で見つけてしまいました。この調子だと今年の春は早いかも知れません。
2度目の「はじめての人口自然減」: 札幌はフキノトウ_c0025115_21505894.jpg
 まだ、花は開いていないのですが、フキノトウはこの時期が一番美しいですね。
2度目の「はじめての人口自然減」: 札幌はフキノトウ_c0025115_21515992.jpg
 連休前にサクラが咲くなどという異常気象にならなければ良いのですが・・・・。
Commented by 下手の横好き at 2008-03-22 13:05
不思議に思ったのでグーグルで調べてみましたが、
推計人口は5年ごとに行われる国勢調査を外挿して計算する値で、
人口動態統計は出生届、死亡届などから計算する値みたいですね。
同じものを推計していても定義というか推計方法が異なるから比較可能ではない、という風に理解しました。
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/6.htm
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei05/index.html
国勢調査から直接出生、死亡数は把握出来ないし、
出生届、死亡届だけでは人口は把握出来ないし、
ということかと(素人考えですが、国勢調査はある年(5年毎)の「状態」を測定していて、人口動態統計の元になっているデータはある年(毎年)の「inとout」を測定している、ということかも?)
調べたいこと(=人口)を調べるのにどういうデータの取り方をすればよいかという話は実験や研究の組み方を考えることにも繋がりますし、単に数字の字面だけ見て比べて良いのか比べてはいけないのかを考えることは研究結果を批判的にレビューするということにも繋がりますし、新聞のニュースを元に社会の話題を、理科の話題として見直してみるのも、面白いなと思いました。
Commented by stochinai at 2008-03-23 12:37
 解説をありがとうございました。ちょっとしたニュースから、このように話が広がっていくというお話は、講義などの入り方としてとても参考になる考え方ですね。参考になりました。
by stochinai | 2008-03-21 22:01 | 札幌・北海道 | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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