2005年 02月 25日
入学試験 (ミスの遠因)
今日は北大でも入試の2次試験がありました。
運の悪いことに、朝からJRの札幌-新千歳空港間が貨物列車の故障のため一時不通になり、空路で駆けつける受験生に対する配慮から、試験時間を繰り下げる措置を午前8時に1時間、さらに9時にもう1時間と2回繰り返したため、結局2時間の遅れになりました。
本来ならば、9時から始まって5時10分までだったはずの試験時間が、11時から7時10分までということになり、受験生は肉体的にだけではなく精神的にもかなり疲れたことと思います。
ほんとうにお疲れさまでした。
発表は9日の予定で、その後12日に後期日程の2次試験が行われる予定です。
何回かいろんなところで言ったり書いたりしているのですが、受験生にも大学にも大きな負担になる、この2次試験というものはもうそろそろ止めたらどうでしょう。センター試験で成績順の振り分けができているのですから、屋上屋を重ねるような学力判定にすぎない前期の2次試験をする意味はほとんどないと思われます。
後期試験は小論文や面接、総合問題ですから、センター試験とはかなり異なる能力を判定していると思われますので、とりあえず前期試験は願書とセンター試験での選抜、後期試験では今まで通り特色ある試験とセンター試験での選抜ということで良いのではないでしょうか。
噂によると、今年から試験や採点にかかわる教職員の手当が廃止あるいは縮小になっているのだそうで、時間外の労働(試験監督・採点)に対しては、基本的には代休で対応し旧来のような時間外手当は特例的扱いになっているようです。
昔は、入学試験というものは、大学にとって非常に重要な行事と考えられており、私が初めて採点業務に係わった20年くらい前には、採点にとてつもないエネルギーも要求されましたが、大学当局からの手厚い慰労もありました。昼食はもとより、数時間ごとに豪華な茶菓の差し入れがあり、夕方まで頑張って採点を続けるような事態に至った時には、特別に夕食までも差し入れられたものでした。公務員の贅沢と思われるかもしれませんが、それは採点の緊張感を維持するのにとても大切なことだったのだと確信しています。
一方、採点にも2重3重のチェックが入り、最後の事務的点検の段階で配点の矛盾や加算のミスなどが発見されると、全員が再招集されてすべてを再点検させられた記憶もあります。ものすごく古い話しなのでもう時効だと思いますが、そのころの試験にはミスなどというものはほとんど考えられなかったと思います。
もちろん、時間外の労働に対する手当も、適度に厚かったような記憶があります。
それが、いつの頃からか採点には昼食がつかなくなり、もちろん夕食など出るはずもなく、大瓶のインスタントコーヒーと乾きものの駄菓子はありますが、あまり食べる気にもならないものばかりです。緊張感もだんだんと喪失せざるを得ないというものでしょう。
その頃から、採点に対するチェックもそれまでよりは2~3割(感覚ですが)の簡略化が始まったように記憶しています。単なる偶然なのかも知れませんが、全国の国立大学で入試や採点のミスが多く報道されるようになったのも、その頃からだったような気がします。
そして、今年からは手当も削られ代休での対応となってきました。
わかるでしょうか。採点する人間の志気を低下させるような状況が作られてきているのです。その結果としてとはまでは言いませんが、こんな状況下でミスが多くなるのは、人情としては良く理解できます。きちんとした対価を支払うことなしに作業させようとしたら、いくら先生でもパワーが出ないものです。
こうした「人の使い方」がきわめて下手なまま、法人化という会社的経営を始めた国立大学というものが如何に危ういものかということは、この後続々と新聞を賑わせるような結果となって出てきそうな気がして、ちょっと恐いものがあります。
わかりますか。
運の悪いことに、朝からJRの札幌-新千歳空港間が貨物列車の故障のため一時不通になり、空路で駆けつける受験生に対する配慮から、試験時間を繰り下げる措置を午前8時に1時間、さらに9時にもう1時間と2回繰り返したため、結局2時間の遅れになりました。
本来ならば、9時から始まって5時10分までだったはずの試験時間が、11時から7時10分までということになり、受験生は肉体的にだけではなく精神的にもかなり疲れたことと思います。
ほんとうにお疲れさまでした。
発表は9日の予定で、その後12日に後期日程の2次試験が行われる予定です。
何回かいろんなところで言ったり書いたりしているのですが、受験生にも大学にも大きな負担になる、この2次試験というものはもうそろそろ止めたらどうでしょう。センター試験で成績順の振り分けができているのですから、屋上屋を重ねるような学力判定にすぎない前期の2次試験をする意味はほとんどないと思われます。
後期試験は小論文や面接、総合問題ですから、センター試験とはかなり異なる能力を判定していると思われますので、とりあえず前期試験は願書とセンター試験での選抜、後期試験では今まで通り特色ある試験とセンター試験での選抜ということで良いのではないでしょうか。
噂によると、今年から試験や採点にかかわる教職員の手当が廃止あるいは縮小になっているのだそうで、時間外の労働(試験監督・採点)に対しては、基本的には代休で対応し旧来のような時間外手当は特例的扱いになっているようです。
昔は、入学試験というものは、大学にとって非常に重要な行事と考えられており、私が初めて採点業務に係わった20年くらい前には、採点にとてつもないエネルギーも要求されましたが、大学当局からの手厚い慰労もありました。昼食はもとより、数時間ごとに豪華な茶菓の差し入れがあり、夕方まで頑張って採点を続けるような事態に至った時には、特別に夕食までも差し入れられたものでした。公務員の贅沢と思われるかもしれませんが、それは採点の緊張感を維持するのにとても大切なことだったのだと確信しています。
一方、採点にも2重3重のチェックが入り、最後の事務的点検の段階で配点の矛盾や加算のミスなどが発見されると、全員が再招集されてすべてを再点検させられた記憶もあります。ものすごく古い話しなのでもう時効だと思いますが、そのころの試験にはミスなどというものはほとんど考えられなかったと思います。
もちろん、時間外の労働に対する手当も、適度に厚かったような記憶があります。
それが、いつの頃からか採点には昼食がつかなくなり、もちろん夕食など出るはずもなく、大瓶のインスタントコーヒーと乾きものの駄菓子はありますが、あまり食べる気にもならないものばかりです。緊張感もだんだんと喪失せざるを得ないというものでしょう。
その頃から、採点に対するチェックもそれまでよりは2~3割(感覚ですが)の簡略化が始まったように記憶しています。単なる偶然なのかも知れませんが、全国の国立大学で入試や採点のミスが多く報道されるようになったのも、その頃からだったような気がします。
そして、今年からは手当も削られ代休での対応となってきました。
わかるでしょうか。採点する人間の志気を低下させるような状況が作られてきているのです。その結果としてとはまでは言いませんが、こんな状況下でミスが多くなるのは、人情としては良く理解できます。きちんとした対価を支払うことなしに作業させようとしたら、いくら先生でもパワーが出ないものです。
こうした「人の使い方」がきわめて下手なまま、法人化という会社的経営を始めた国立大学というものが如何に危ういものかということは、この後続々と新聞を賑わせるような結果となって出てきそうな気がして、ちょっと恐いものがあります。
わかりますか。
入試問題のミスって最近は多い。今度は、都立高校でもミス。受験生のことを考えると気の毒。センターでもあったし、私立でも。マンネリ化して手抜きになっているのか、問題作成能力が落ちたのか、(失礼!)何とも言えないが、新聞も前に比べて鬼の首でも取ったように書くのも何だか作成者にも気の毒な感じです。いずれにしても、作る方も答える方も、一発勝負の制度っていうところに矛盾があるのでしょうか。かといって、内申書重視っていうのも今や形骸化しているし、いっそのこと入学試験を易しくして卒業を難しくする、でも今の日本ではそんな余裕はどこにもないのでしょうね、大学も、高校も、企業も、社会も。
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ぜのぱす
at 2005-02-26 09:15
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遠い昔を思い出しました。入試の採点にあたっては、担当者は予め辞令を貰ってましたよねぇ。当時は、何て大袈裟なと思っていましたが、逆に云えば、採点はそれほどの一大事だという認識が大学にもあったと云うことでしょう。 今では、もしかして、その辞令も無くなったのでしょうか?
by stochinai
| 2005-02-25 21:33
| 大学・高等教育
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Comments(2)