5号館を出て

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腰痛は遺伝する

 日本では腰痛と言いますが、西洋では back pain 背痛ということが多いようです。腰痛にしろ背痛にしろ、腰が痛いのは姿勢が悪いからとか、筋肉が弱いからとか、運動や労働などで無理な負荷をかけるからとか言われるのは洋の東西を問わず同じじとのようです。

 それが、フィンランドで600人の双子(一卵性が147ペア、二卵性が153ペアの男性)を調べた結果、腰痛の原因のひとつである椎間板変成に関しては、遺伝的な影響がもっとも大きいということがわかったというニュース。ソースはサイエンス・デイリーです。

University of Alberta (2008, April 9). Back Pain May Be In Your Genes, Twin Study Suggests. ScienceDaily. Retrieved April 9, 2008

 研究チームはカナダ、フィンランド、アメリカ、イギリスの混成で、一卵性双生児で両方が全然違う生活パターンを持っているケースを調べました。例えば、一人はデスクワークでもう一人が肉体労働とか職業ドライバーとそうではない組み合わせを調べてみた結果、どういう生活をしているかにはあまり関係なく、椎間板変成が起こっていることを発見しました。

 仕事や趣味がどうあれ、一卵性双生児は同じ結果になったのだそうです。椎間板の変成が起こるかどうかだけではなく、どんなふうに起こるかも同じでした。

 研究はここからそれを支配している遺伝子を見つけたり、どうして椎間板変成が起こり、さらにはその変成がどのように腰痛(背痛)へとつながるのかを明らかにしなければならないという段階です。

 この記事とは別なのですが、先日聞いたある podcasting で、腰痛のある人には確かに椎間板の変成が見つかることが多いのですが、実は腰痛のない人を調べても同じような変成がかなり見つかることがあり、この変成と腰痛との因果関係はそれほどはっきりしていないという「事実」もあるのだそうです。というわけで、この分野はまだまだこれからの進展が期待できそうです。

 ともあれ、いろいろ言われてきて怪しげなものも含めてたくさんの「治療法」が提案されている腰痛の世界ですが、ほんとうの意味での科学のメスがはいるのはこれからなのかもしれません。

 アルバータ大学のホームページには、Back Care Program のページもありますし、そこからリンクが張られている背痛のために運動しようというページもあります。いずれもカナダのサイトです。
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 この写真を見ると、背痛といっても場所はやはり腰痛のようです。北海道にも腰痛に悩む人がたくさんいますが、カナダとかフィンランドとか寒いところには腰痛が多いというようなことがあるのでしょうか?
by stochinai | 2008-04-09 20:23 | 医療・健康 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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