5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

アメリカが家畜の飼料への規制を強化する【追記あり】

 昨日の吉野家に納入された牛肉に脊柱(背骨および脊髄)が混入していたというニュースには、正直言ってあまり驚きませんでした。

 私の知る限り、アメリカではウシを解体する時に、凍った全身を電動ノコギリで縦にまっぷたつに切り分ける、いわゆる背割りという方式をとっているはずです。背骨が縦に割かれる時に、その内側にある脊髄も切り裂かれますので、おがくずのように出てくる切りくずがそこら一面に飛び散るはずです。そういう動画も見たことがあります。

 その方式で解体するということは、たとえ製品の肉に脊髄などの部位が入っていないとしても、脊髄の破片にまみれていることは想像に難くありません。そんな状況で製品になった特定危険部位のふりかけ入り肉には、かたまりとして特定危険部位が含まれていようがいまいが、「危険度」にそれほどの差はないと思っています。

 それより、アメリカの言い分は、アメリカの牛肉にはBSEのプリオンは含まれていないし、たとえ含まれていたとしても危険は限りなくゼロに近いので、日本の言い分は非科学的であるということだったと思います。

 アメリカの言うことが科学的だということであれば、アメリカは日本の非科学性を非難し続けていれば、時間がたっていっても何も起こらないはずなので、アメリカの牛肉は安全であるという雰囲気がだんだんと固まってくるのを待っていれば良いということになります。

 ところが、先ほどのニュースによればアメリカはどうやらその考え方を変えてきたのではないかと思われます。

 米、BSE感染防止へ飼料規制強化 09年4月から 
米食品医薬品局(FDA)は23日、牛海綿状脳症(BSE)の防止策を強化するため、新たな飼料規制を来年4月から導入すると発表した。BSEの原因物質が蓄積しやすい「特定危険部位」が含まれる飼料の使用を、すべての動物向けで禁じる。ペットフードも使用禁止対象に含める。
 この記事をどう読むかは、他の情報なしには難しいのですが、今まで頑強にBSE問題に対して「無視」を決め込んできたように見えるアメリカも、それを続けることができなくなってきた何らかの「事情」があると見るべきかもしれません。

 しばらく前のニュースになりますが、アメリカではヨーロッパや日本では決して食糧にしない、BSE感染が疑われる歩行困難になった「ヘタレ牛」を食肉として使っていることが暴露されたりしていますので、ひょっとするとそうした牛がBSEに感染していたということが分かってきたということなのかもしれません。

 あるいは、日本などの「非科学的な」顧客が牛肉を飼ってくれなくなって経済的に苦しくなってきたことも理由のひとつなのかもしれません。

 ともかくアメリカもこの件に関しては、他国に歩調を合わせざるを得ないと思い始めたのは良いことだと思いますが、同時にアメリカで何か恐ろしいことが起こっているのではないかという推測もしてしまいます。

 こういう時こそ、プロのジャーナリストの取材が欲しいのですが・・・。


according to BRITANNICA
bovine spongiform encephalopathy. (2008). In Encyclopædia Britannica. Retrieved April 24, 2008, from Encyclopædia Britannica Online:
http://www.britannica.com/EBchecked/topic/76037/bovine-spongiform-encephalopathy


【追記】
 日経ネットの記事によれば「月齢30カ月以上の牛の脳と脊髄(せきずい)の使用を禁止する」ということになっているようです。そして、「検査で食肉として適当と承認された牛の肉でなければ、動物用飼料としての使用も禁止」ということですので、やはりアメリカでBSEの流行が深刻化していると勘ぐられても仕方がないかもしれません。
by stochinai | 2008-04-24 20:55 | 医療・健康 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai