2008年 06月 30日
ペンギンの個体識別ソフトウェア
New Scientist Tech のサイトに面白い記事が載っていました。
Smart camera keeps an eye on rare penguins
要するにペンギンをビデオで撮影し、リアルタイムで個体識別できるソフトウェアのようです。最近はデジカメでも、ヒトの顔を認識するだけではなく、それが笑顔かどうかまで見分けることもできるようなので、それほど最新のテクノロジーを使ったものではないのかもしれませんが、ペンギンにタグを付けてストレスを与えたりしなくても済むことを考えると「人道的」な個体識別法だと思います。
YouTubeに、リアルタイムで個体識別している様子を録画した映像がアップされています。

このペンギンはアフリカ・ペンギンという名前のようですが、不覚にもそのような名前のペンギンがいることは知りませんでしたので、調べてみると日本では普通「ケープ・ペンギン」と呼ばれているもののようです。それなら、聞いたことがあります。
南アフリカの海岸沿いに住むこのペンギンは、100年くらい前には100万頭(羽?)もいたのだそうですが、現在では17万頭にまで減少したため保護されています(絶滅危惧II類)。このペンギンは、胸にゴマ塩のように黒い斑点があることが特徴で、しかもその斑点が個体ごとに場所や大きさが異なっています。この個体識別プログラムでは、その斑点の位置や大きさから瞬時にして個体を割り出すことをやっているようです。そのため、ほぼ正面から全体が見えるようにカメラに捉えられた個体しか判別することができないという弱点があるのですが、このビデオのように彼らの通り道を正面から撮せる場所にカメラを確保できれば、およそ98%くらいの認識率になるということです。しかしその前に、ペンギンがカメラを意識しなくなるまで慣れてくれないとダメだとのことです。確かに、映像では彼らはカメラを意識していないように見えます。
現在、南アフリカのロビン・アイランドという島にいる約2万頭のペンギンを識別できているということですので、この技術を応用すれば、今まではなかなか個体識別が難しいために、個体の生態がはっきりしていなかった、群れを作って生活している様々な動物の生態研究に応用できるようになると頼もしいと思います。
ひょっとすると昆虫などの個体識別もできるようになるかもしれませんね。
ビデオで個体識別をするというのは、普段なら防犯カメラで国際手配されている犯罪者を見つけるなどという穏やかではない使い方がニュースになったりしますが、今回のような平和的な目的の利用もどんどん発展して欲しいものです。
Smart camera keeps an eye on rare penguins
要するにペンギンをビデオで撮影し、リアルタイムで個体識別できるソフトウェアのようです。最近はデジカメでも、ヒトの顔を認識するだけではなく、それが笑顔かどうかまで見分けることもできるようなので、それほど最新のテクノロジーを使ったものではないのかもしれませんが、ペンギンにタグを付けてストレスを与えたりしなくても済むことを考えると「人道的」な個体識別法だと思います。
YouTubeに、リアルタイムで個体識別している様子を録画した映像がアップされています。

南アフリカの海岸沿いに住むこのペンギンは、100年くらい前には100万頭(羽?)もいたのだそうですが、現在では17万頭にまで減少したため保護されています(絶滅危惧II類)。このペンギンは、胸にゴマ塩のように黒い斑点があることが特徴で、しかもその斑点が個体ごとに場所や大きさが異なっています。この個体識別プログラムでは、その斑点の位置や大きさから瞬時にして個体を割り出すことをやっているようです。そのため、ほぼ正面から全体が見えるようにカメラに捉えられた個体しか判別することができないという弱点があるのですが、このビデオのように彼らの通り道を正面から撮せる場所にカメラを確保できれば、およそ98%くらいの認識率になるということです。しかしその前に、ペンギンがカメラを意識しなくなるまで慣れてくれないとダメだとのことです。確かに、映像では彼らはカメラを意識していないように見えます。
現在、南アフリカのロビン・アイランドという島にいる約2万頭のペンギンを識別できているということですので、この技術を応用すれば、今まではなかなか個体識別が難しいために、個体の生態がはっきりしていなかった、群れを作って生活している様々な動物の生態研究に応用できるようになると頼もしいと思います。
ひょっとすると昆虫などの個体識別もできるようになるかもしれませんね。
ビデオで個体識別をするというのは、普段なら防犯カメラで国際手配されている犯罪者を見つけるなどという穏やかではない使い方がニュースになったりしますが、今回のような平和的な目的の利用もどんどん発展して欲しいものです。
by stochinai
| 2008-06-30 20:55
| 生物学
|
Comments(0)