5号館を出て

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寿命が1年で、その4分の3を卵の中で暮らすカメレオン

 マダガスカルというところは、ほんとうに不思議な生物がいる島です。

 今度は、なんと寿命が1年しかなく、しかも8~9ヶ月を卵の中で暮らすカメレオンの生態が明らかにされました。

サイエンス・デイリー
 Malagasy Chameleon Spends Most Of Its Short Life In An Egg
ナショナル・ジオグラフィック・ニュース
 Record-Breaking Chameleons Live Only a Few Months

 さすがに、向こうの科学ニュースは早いです。元ネタは昨日オンラインで発表されたPNASの記事でした。

 A unique life history among tetrapods: An annual chameleon living mostly as an egg

Published online on June 30, 2008
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 10.1073/pnas.0802468105


 昔から、野生のカメレオンを捕らえて飼育しようとしても、すぐに死んでしまうということが有名だったのは、実は寿命だったのかもしれないなどと、暢気なことが論文に書いてあります。それにしても、脊椎動物の中だとサカナには結構いるとは思いますが、寿命が1年しかない四足類というのは他にはいないかもしれないくらい珍しいものです。

 写真を引用させていただきましょう。PNASに版権があるようです。
Adult male Labord's chameleon (Furcifer labordi) from Ranobe, Southwestern Madagascar. (Credit: Christopher J. Raxworthy)
寿命が1年で、その4分の3を卵の中で暮らすカメレオン_c0025115_17463265.jpg
 ライフサイクルを示した図がありまして、それがとてもわかりやすいので、こちらも論文から引用します。
寿命が1年で、その4分の3を卵の中で暮らすカメレオン_c0025115_17501554.jpg
 11月の雨期になると、卵から一斉に孵ったカメレオン(フルシファー・ロボルディ)は、その後急激に成長し、2ヶ月で成熟します。2月から3月にかけて、相手を見つけて産卵し4月までにはすべての個体が死んでしまいます。

 孵化から死までが4-5ヶ月というなんとも忙しい人生(?)ですが、死と同調するように現地は乾期に入りますので、その間を卵の中で過ごすというのは、休眠にもなって、でとても良く気候に適応しているということになります。

 地球は広いです。我々が破壊さえしなければ、まだまだ不思議な生き物の発見は続きそうです。
by stochinai | 2008-07-01 17:59 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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