5号館を出て

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天然素材による染色:作品展とワークショップ

 CoSTEPの第2期修了生で、染織家という素晴らしい肩書きを持つ角さんが、昨日ひょっこり訪ねてこられました。そういえば、このところ天然染料や薬になる植物の話といったサイエンスカフェや展示会の案内ポスターなどをあちこちで見かけます。

 聞けば、角さんが理事長をしておられる特定非営利活動法人アースネットワークが、なんと3年間ものロングランでイベント「天然の色展と共同製作ワークショップ」を実施中とのことでした(ポスターのpdfファイルはこちら)。
天然素材による染色:作品展とワークショップ_c0025115_18234993.jpg
 そして、8月2日から14日までは、札幌・小樽・当別・名寄など北海道各地で「染料・薬用植物フォーラム2008」が開催されるということで、直前で大忙しのところをわざわざお声をかけてくださったということです。

 このフォーラムはテーマが染料・薬用植物ときわめて焦点のはっきりしたものですので、某サステナビリティ・ウィークよりも、狙いがわかりやすいと思います。

 絶滅危惧種となっている「紫草」を人為栽培により復活させ、その根である紫根を使って染め物をした話をうかがっただけでも、かなりワクワクさせていただきました。薬や染料のもとになる植物を中心に、その利用法や保全などへと話が展開するところは、まさにサイエンスコミュニケーションの最前線という気もして、角さんがなぜCoSTEPで学ぼうと思ったのか、非常に良くわかる気がします。

 ともあれ非常に貴重で興味深いイベントが目白押しという気がしますので、是非ともチェックしておいてください。

 下にフォーラムの日程表を転載しておきます。あくまでも本日時点での転載ですので、出かける方はここを再チェックしてください。ただ残念なことに、この時期は他にもたくさんのイベントが重なる時期で、8月8日には来年から本格的に始まる教員免許更新の試行予備講習会で1日つぶれ、翌9日は動物学会北海道支部大会がありますので、私自身の参加は厳しいところですが、盛会を心から祈っております。

染料・薬用植物フォーラム2008

8月2日(土)
        13:00~14:30 サイエンスカフェ(北海道薬科大学ラウンジ)
        14:40~16:40 実技:アロマセラピー製剤の実習と薬用植物園見学
8月4日(日)~6日(水)
        10:00~18:00 鑑賞:南部紫根染展覧会:小樽市公会堂
8月7日(木)
        10:00~12:00 見学:北海道立衛生研究所薬用植物園 
        13:00~14:30 植物顔料ワークショップ:北海道大学遠友学舎 
        15:00~17:00 見学:北海道立アイヌ総合センター資料展示室
8月8日(金)
        10:00~12:00 北海道医療大学薬学部附属薬草園の見学
        13:00~16:00 紫雲膏の講義と紫雲膏作り体験実習
        18:00~19:30 サイエンスカフェ「染料・繊維・薬用植物のふしぎ」(仮題)、紀伊国屋書店札幌本店1階インナーガーデン
8月9日(土)
        9:30~11:30 NDPC大会:NDPC会員の実践報告、北海道大学理学部大講堂
        13:00~17:30 染料&薬用植物シンポジウム 北大理学部大講堂
        18:00~20:00 交流会、北海道大学ファカルティハウス“エンレイソウ”
8月10日(日)
        12:30~15:30 名寄市立大学、講義と染色演示実験
        16:00~18:00 (独) 医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター圃場見学
        19:00~21:00 交流会、名寄市サンピラー温泉ホテル
8月8日(金)~14日(木)
        染料・生薬・植物関係書籍・DVD・資料展示販売 紀伊国屋書店札幌本店2階イベントスペース

 角さんのブログ「山の手コラム」にも、関連情報がたくさんありますので、是非ともごらんください。
Commented by 角 寿子 at 2008-08-06 07:54 x
ご紹介いただき,光栄です。
9日の染料・薬用植物シンポジウムをどうしても私が学んだCoSTEPのお膝元で開催したかったのです。また北大遠友学舎というアート&サイエンスな素晴らしい空間、国内外遠くから着てくれる仲間達と市民の皆さんをもてなしたい想いを伝えることが出来る場と考えました。
また、今回ご協力いただいてる大学や研究機関の皆さんのお人柄と仕事を現場に行ってご紹介したいと思いこのような広範囲でロングランな内容になりました
植物が相手という科学者や技術者達の長年の研究の積み重ねを市民のみなさんに伝えたい、環境への負荷が少ない生薬や染色技術はその植物なしでは研究も出来ません。自生種の保全と栽培技術の確立は急務です。ムラサキの自生種保全について環境省から許可がでました。通じた!という想いです。
by stochinai | 2008-07-30 19:10 | CoSTEP | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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