5号館を出て

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フジの単独二番花

 動物ではようやくiPS細胞を作ることができて大騒ぎになっていますが、ニンジンの細胞を1個から増やしてまたニンジンができてしまうクローンなどは40年近く前からできていますし、今では高校の生物クラブ程度の設備と技術で誰でも作れるようになっているのは、技術の進歩というよりは植物のすごさなのではないかと思います。

 そういうこともあって、植物というものはほんとうにいい加減と言うか、柔軟というか、何が起こるかわからないという感じがあります。実際に、身近でもそのいい加減さを見せつけられることがよくあり、今日もまた驚かされました。

 フジに限らず春に咲く花が夏から秋にかけて二番花を咲かせることはそう珍しいことではないのですが、今日見つけたフジの花はただの二番花というだけではなく、蔓から直接花が一輪だけ咲いていました。
フジの単独二番花_c0025115_2341410.jpg
 フジというのはご存じのとおり、花が房状にかたまって咲くものですから、たとえ二番花と言っても房で咲くものですので、こんなふうに単独で花が咲くということだけでもかなり異常です。

 接近しても、花は普通のフジとまったく同じように見えます。
フジの単独二番花_c0025115_23491191.jpg
 花の茎の根元は、蔓から直接出ています。
フジの単独二番花_c0025115_23502026.jpg
 本来ならばひとかたまりの葉の房が出る場所から、一輪の花が出てしまったようです。
フジの単独二番花_c0025115_23555980.jpg
 植物の花と葉や雄しべなどで働いている遺伝子は、ほとんど違いがないので、相互に変わることもよく起こると聞いたことがありますから、こういうことも意外と簡単な理由で起きてしまうのかもしれませんが、いきなり見せつけられるとやはりびっくりしてしまいます。

 まあ、そのびっくりが植物とつきあう楽しみでもあるわけですが。
by stochinai | 2008-08-02 23:59 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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