2008年 08月 13日
信頼を失った権威
「文科省の意図を越えた大学の節約ぶり」に寄せられた、コメントさんからのコメントを読んで、私も考え込んでいます。
今の日本で、信頼性(権威)を失ったものは専門家以外にもたくさんあります。逆に、権威を失っていないものを見つけることのほうが難しいかもしれません。もともと権威や信頼性などというものは、ムードによって形成されることが多いので、いったん「裸の王様」であることが暴露されてしまうと、それを取り戻すのは容易なことではありません。
恐怖政治を行っている独裁国家でもない限り、権威を保つにはある集団全員が一丸となって権威を維持する努力が必要ですし、外側にもその権威を守ってくれる大きな勢力が必要です。逆に、権威を壊すにはほんの数例の悪を暴露するだけで事足ります。最近の小中高そして大学の「先生」の権威は、そのようなほんの一握りの人間の悪行を暴露することによって簡単に崩壊してしまったようにも思えます。
小中学生の親の中にも「モンスターペアレント」などという名前で呼ばれる存在が出てきているように、先生の権威に対してまったく敬意を払わない人も多くなっています。昔の親は、子どもが先生に叱られたり、場合によっては殴られたりしたときには、なんで先生に叱られるようなことをしたのだと、自分の子どもをさらに叱ったり殴ったりすることもあったものです。父兄も教師の権威を守る側にいたのです。残念なことに、現在は教育委員会や政府(文科省)もそうした「モンスターペアレント」の暴走から教師を守っているかというと、時には一緒になってあるいは別の方向から教師の権威をおとしめるような言動をしていることが目立ちます。さらには、その教育委員会や文部科学省、さらには政府の権威すら失われているという現実があります。
専門家のことに話をもどしますと、大学の教員を初めとしたいわゆる専門家が「御用学者」として、科学の名前を借りて国民をだます側にまわったという史実がたくさんあります。もちろん、全学者の中に占める御用学者の比率は戦前の方が多かったに違いないのですが、独裁国家大日本帝国における御用学者を批判することは許されなかったので「権威」は保たれていたのでしょう。しかし、戦後民主主義国家日本においては、御用学者は鋭く批判されることになりました。そのような環境の下では、御用学者ではなくとも学生に受けのわるい研究者は、さまざまな批判にさらされ権威をはぎ取られる運命にあります。研究者・専門家はただの「専門バカ」という地位におとしめられてしまったのかもしれません。
そして、そうした専門家を守ってくれる勢力があるでしょうか。今は、文科省や国も率先して、大学およびそこにいる研究者を非難し、時には侮蔑さえしますので、たくさんの人がその尻馬に乗って大学や研究者を非難することは、とてもたやすいことになっていると思います。
コメントさんがおっしゃるように、「20-30年前も、今も、大学や研究機関の専門家のレベル(専門性)は遜色ありません」し、「現代日本の科学の繁栄」の陰に「専門家」いたこともまた事実だと思います。しかし、科学者・専門家を非難する人々は、科学や技術は信頼しても、それを作ったのがたくさんの科学者・技術者であるというところの理解は欠けているような気がします。日本人の科学・技術に対する理解が、非常に浅薄でノーベル賞を取るような科学者や、プロジェクトXに出てくるような例外的な技術者だけで、戦後日本の科学・技術が発展させられたのだという刷り込みがされているのかもしれません。
それは政府が意図的に行っている刷り込みかもしれないという悲劇もあるのですが、政府や文科省が行っている大学や専門機関に対する選抜と集中を過度に進めると、すべてが無に帰してしまうということを理解してもらわなくては、「専門家集団という存在」に対する信頼性を回復することは無理だと思います。決して目立つことはないのですが、科学・技術の世界の裾野を支える、膨大な数の科学・技術者がいたからこそ、ノーベル賞や世界一になった日本の自動車や家電産業があるということをわかってもらう必要があると思います。
日本のすべてがボロボロになってしまわなくてはわかってもらえないことなのかもしれませんが、危機感を持った人間が地道に不断に信頼回復の努力を続けるしか、当面の方策はないと感じています。
それは別にして、「専門家の信頼性」って何でしょうね。20-30年前も、今も、大学や研究機関の専門家のレベル(専門性)は遜色ありません。それとも、日本の専門家のレベルは落ちて居るのでしょうか?或いは、元々、日本の専門家のレベルは低いのでしょうか?
現代日本の科学の繁栄は専門家が築いたものです。専門家の信頼性に疑問を持つ人は、日本の科学技術の繁栄を、どう考えるのでしょう。何を理由に専門家が信頼出来ないのでしょうか?
もし、報道やドロップアウトした院生や団塊の世代の学生運動等に煽られて、漠然と専門家を信頼できないなら、先入観が相当大きい気がします。印象での決めつけなので、信頼性の回復は難しい気がします。どう思われますか?
今の日本で、信頼性(権威)を失ったものは専門家以外にもたくさんあります。逆に、権威を失っていないものを見つけることのほうが難しいかもしれません。もともと権威や信頼性などというものは、ムードによって形成されることが多いので、いったん「裸の王様」であることが暴露されてしまうと、それを取り戻すのは容易なことではありません。
恐怖政治を行っている独裁国家でもない限り、権威を保つにはある集団全員が一丸となって権威を維持する努力が必要ですし、外側にもその権威を守ってくれる大きな勢力が必要です。逆に、権威を壊すにはほんの数例の悪を暴露するだけで事足ります。最近の小中高そして大学の「先生」の権威は、そのようなほんの一握りの人間の悪行を暴露することによって簡単に崩壊してしまったようにも思えます。
小中学生の親の中にも「モンスターペアレント」などという名前で呼ばれる存在が出てきているように、先生の権威に対してまったく敬意を払わない人も多くなっています。昔の親は、子どもが先生に叱られたり、場合によっては殴られたりしたときには、なんで先生に叱られるようなことをしたのだと、自分の子どもをさらに叱ったり殴ったりすることもあったものです。父兄も教師の権威を守る側にいたのです。残念なことに、現在は教育委員会や政府(文科省)もそうした「モンスターペアレント」の暴走から教師を守っているかというと、時には一緒になってあるいは別の方向から教師の権威をおとしめるような言動をしていることが目立ちます。さらには、その教育委員会や文部科学省、さらには政府の権威すら失われているという現実があります。
専門家のことに話をもどしますと、大学の教員を初めとしたいわゆる専門家が「御用学者」として、科学の名前を借りて国民をだます側にまわったという史実がたくさんあります。もちろん、全学者の中に占める御用学者の比率は戦前の方が多かったに違いないのですが、独裁国家大日本帝国における御用学者を批判することは許されなかったので「権威」は保たれていたのでしょう。しかし、戦後民主主義国家日本においては、御用学者は鋭く批判されることになりました。そのような環境の下では、御用学者ではなくとも学生に受けのわるい研究者は、さまざまな批判にさらされ権威をはぎ取られる運命にあります。研究者・専門家はただの「専門バカ」という地位におとしめられてしまったのかもしれません。
そして、そうした専門家を守ってくれる勢力があるでしょうか。今は、文科省や国も率先して、大学およびそこにいる研究者を非難し、時には侮蔑さえしますので、たくさんの人がその尻馬に乗って大学や研究者を非難することは、とてもたやすいことになっていると思います。
コメントさんがおっしゃるように、「20-30年前も、今も、大学や研究機関の専門家のレベル(専門性)は遜色ありません」し、「現代日本の科学の繁栄」の陰に「専門家」いたこともまた事実だと思います。しかし、科学者・専門家を非難する人々は、科学や技術は信頼しても、それを作ったのがたくさんの科学者・技術者であるというところの理解は欠けているような気がします。日本人の科学・技術に対する理解が、非常に浅薄でノーベル賞を取るような科学者や、プロジェクトXに出てくるような例外的な技術者だけで、戦後日本の科学・技術が発展させられたのだという刷り込みがされているのかもしれません。
それは政府が意図的に行っている刷り込みかもしれないという悲劇もあるのですが、政府や文科省が行っている大学や専門機関に対する選抜と集中を過度に進めると、すべてが無に帰してしまうということを理解してもらわなくては、「専門家集団という存在」に対する信頼性を回復することは無理だと思います。決して目立つことはないのですが、科学・技術の世界の裾野を支える、膨大な数の科学・技術者がいたからこそ、ノーベル賞や世界一になった日本の自動車や家電産業があるということをわかってもらう必要があると思います。
日本のすべてがボロボロになってしまわなくてはわかってもらえないことなのかもしれませんが、危機感を持った人間が地道に不断に信頼回復の努力を続けるしか、当面の方策はないと感じています。
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コメント
at 2008-08-13 23:36
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>> stochinai先生
丁寧なお返事有り難うございます。先生のお立場がよく分かりました。賛同致します。
先生の書き込みに、「御用学者」とありました。でも、「御用学者」の判断の誤りを、「誤り」と指摘したのは、政策担当でも、市民でも、企業でも、報道関係者でもなく、大学や国の研究所の専門家集団でした。
日本での、数々の公害病や薬害の原因の同定は、日本の専門家です。諫早湾の干拓と有明海の漁業の関連性の指摘も専門家です。政府が目指す大学や専門機関に対する選抜と集中は、見方を変えれば、政策課題に従う、「御用学者の選抜」に近い気がします。
>科学・技術の世界の裾野を支える、膨大な数の科学・技術者がいたから
>こそ、ノーベル賞や世界一になった日本の自動車や家電産業がある
には賛同致します。日本の科学技術が揺らぎ始めていると思います。
丁寧なお返事有り難うございます。先生のお立場がよく分かりました。賛同致します。
先生の書き込みに、「御用学者」とありました。でも、「御用学者」の判断の誤りを、「誤り」と指摘したのは、政策担当でも、市民でも、企業でも、報道関係者でもなく、大学や国の研究所の専門家集団でした。
日本での、数々の公害病や薬害の原因の同定は、日本の専門家です。諫早湾の干拓と有明海の漁業の関連性の指摘も専門家です。政府が目指す大学や専門機関に対する選抜と集中は、見方を変えれば、政策課題に従う、「御用学者の選抜」に近い気がします。
>科学・技術の世界の裾野を支える、膨大な数の科学・技術者がいたから
>こそ、ノーベル賞や世界一になった日本の自動車や家電産業がある
には賛同致します。日本の科学技術が揺らぎ始めていると思います。
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さらにコメント
at 2008-08-13 23:43
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現在の御用学者は誰ですか?
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だれが
at 2008-08-14 00:00
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御用学者でも、このスレッドの趣旨と関係ないだろ。マスコミが好きそうなコメントだがな。
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ゑぶ
at 2008-08-14 00:26
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昔のことをいったら、大学での教育研究よりも、企業内で教育研究の方が日本のためにずっと役立っていた、何も大学だけが専門家を輩出する機関ではない、という人もいることでしょう。
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コメントさんへ
at 2008-08-14 00:36
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専門家集団の過去の貢献はよく分かります。けれども、公害、薬害の原因の同定に貢献した専門家が社会からの信頼を勝ち得たのは、御用学者に対して反対ののろしを上げたからではなく、御用学者(と歴史を振り返って今の視点から見てそう呼ばれている輩)に対して筋の通った主張をぶつけたからです。御用学者対政府になびかない専門家という対立軸を予め作って話をしても、益々信頼を失うだけです。
公害、薬害の原因の同定に貢献した専門家は自らの主張に対しても厳しい姿勢を貫いています。自らに正義があると信ずるにあたいする状況でも、敵に対して厳しいのと同様に自分に対しても厳しい態度をとっていました。自らに正義があるからといって、自らに特権的な立ち居振る舞いを許す理由にはならないことを身をもって示していました。その結果、信頼を得たのです。
他人には厳しく自分には甘い人が信頼を得られないのは、やむを得ないと思います。
公害、薬害の原因の同定に貢献した専門家は自らの主張に対しても厳しい姿勢を貫いています。自らに正義があると信ずるにあたいする状況でも、敵に対して厳しいのと同様に自分に対しても厳しい態度をとっていました。自らに正義があるからといって、自らに特権的な立ち居振る舞いを許す理由にはならないことを身をもって示していました。その結果、信頼を得たのです。
他人には厳しく自分には甘い人が信頼を得られないのは、やむを得ないと思います。
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ゑぶ
at 2008-08-14 00:42
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stochinai先生の記述が国立大学の運営費交付金のことをいっておられるのだと思えてならないのですが、大学と政府のあり方を論じる際には、政府の財政全体の話も考慮に入れるべきと思います。
現在、国の借金は、国が予算のすべてを借金返済に充てて、何の行政活動もしなかったとしても、完済するのに、約10年かかるような規模です。しかも、この借金はいつまで増え続けるのかわからないような状態です。なにしろ2011年に目指していた基礎的財政収支の黒字化を先送りするなんて話もあるのですから。
この借金は誰が背負うのでしょう?月並みな言い方をしたら、これからの日本を担う若い世代です。科学技術も未来への先行投資のようなもので、最大の利益をうるのは、若い世代やこれから生まれてくる将来世代でしょう。しかし、昔のように財政が潤っていた時期ならいざしらず、現在の厳しい財政下では、借金してまで投資するというのであれば、慎重になって、当然です。
その結果が、大学の選抜の集中となったとしたら、それは大学の側の人間が、自らの重要性を社会に対してアピールしきれなかった結果だと受け止めるべきだと思います。
現在、国の借金は、国が予算のすべてを借金返済に充てて、何の行政活動もしなかったとしても、完済するのに、約10年かかるような規模です。しかも、この借金はいつまで増え続けるのかわからないような状態です。なにしろ2011年に目指していた基礎的財政収支の黒字化を先送りするなんて話もあるのですから。
この借金は誰が背負うのでしょう?月並みな言い方をしたら、これからの日本を担う若い世代です。科学技術も未来への先行投資のようなもので、最大の利益をうるのは、若い世代やこれから生まれてくる将来世代でしょう。しかし、昔のように財政が潤っていた時期ならいざしらず、現在の厳しい財政下では、借金してまで投資するというのであれば、慎重になって、当然です。
その結果が、大学の選抜の集中となったとしたら、それは大学の側の人間が、自らの重要性を社会に対してアピールしきれなかった結果だと受け止めるべきだと思います。
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ひとこと
at 2008-08-14 02:42
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コメント
at 2008-08-14 03:42
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>>ゑぶさんへ
私の他の書き込みは別にして、stochinai先生に引用して頂いたレスでは、大学や研究機関の「専門家」と書きましたが、学会に参加する研究職を全て指したものです。どこにも”国立の”とは書いて居ません。
その上で、私はこのスレッドのトップレスでは
、「”大学や国の研究所の”専門家集団」
と限定しました。それは公害病、薬害など、誤りを指摘する根拠を出した専門家を調べたところ、民間企業の専門家は見つからないからです。
私の他の書き込みは別にして、stochinai先生に引用して頂いたレスでは、大学や研究機関の「専門家」と書きましたが、学会に参加する研究職を全て指したものです。どこにも”国立の”とは書いて居ません。
その上で、私はこのスレッドのトップレスでは
、「”大学や国の研究所の”専門家集団」
と限定しました。それは公害病、薬害など、誤りを指摘する根拠を出した専門家を調べたところ、民間企業の専門家は見つからないからです。
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コメント
at 2008-08-14 03:42
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(続き)
> 自らの重要性を社会に対してアピールしきれなかった結果だと受け止めるべき
この様な意見を聞くたびに、「日本の科学など流れに任せて廃れればいい」と思います。現代科学の進展は早いので、現状なら10-15年で日本は2流国です。日本の科学が廃れ、国力が落ちれば重要性は効果的アピールできます。今の日本で、科学の重要性を語っても、「文革時代の中国で学問の意義をとくこと」と同じ気がしています。逆に、専門外の方が言う様に、企業力で科学技術が廃れないなら、大いに結構なことです(ちなみに、企業は不況でも開発費はあまり削減しませんね)。
但し、一度落ちた技術力を元に戻すのは相当大変です。マスコミのいい加減な主張で実現した、「ゆとり教育の弊害」や「医局制度の廃止による医師不足」の修正以上に大変でしょう。
数十年では科学技術は戻らないと私はおもいますが、それも、マスコミ様の言われる様に、特権意識や見立て違いなのでしょう。。
> 自らの重要性を社会に対してアピールしきれなかった結果だと受け止めるべき
この様な意見を聞くたびに、「日本の科学など流れに任せて廃れればいい」と思います。現代科学の進展は早いので、現状なら10-15年で日本は2流国です。日本の科学が廃れ、国力が落ちれば重要性は効果的アピールできます。今の日本で、科学の重要性を語っても、「文革時代の中国で学問の意義をとくこと」と同じ気がしています。逆に、専門外の方が言う様に、企業力で科学技術が廃れないなら、大いに結構なことです(ちなみに、企業は不況でも開発費はあまり削減しませんね)。
但し、一度落ちた技術力を元に戻すのは相当大変です。マスコミのいい加減な主張で実現した、「ゆとり教育の弊害」や「医局制度の廃止による医師不足」の修正以上に大変でしょう。
数十年では科学技術は戻らないと私はおもいますが、それも、マスコミ様の言われる様に、特権意識や見立て違いなのでしょう。。
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先生の権威について
at 2008-08-14 07:56
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確かに教員の権威に対して敬意を払わなくなっている人も増えているかもしれませんねぇ。
でも敬意って「教員」に対するものでしたっけ?「教員をやっている特定の個人」に対するものだと思うのですが。敬意を払われない程度の人間が教員に増えているんじゃないですか?
そもそも「先生様は偉いんだ」と勘違いしている人種が先生業をしているから、してきたから敬意を払われなくなってるんじゃないですかね。
でも敬意って「教員」に対するものでしたっけ?「教員をやっている特定の個人」に対するものだと思うのですが。敬意を払われない程度の人間が教員に増えているんじゃないですか?
そもそも「先生様は偉いんだ」と勘違いしている人種が先生業をしているから、してきたから敬意を払われなくなってるんじゃないですかね。
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このスレの主旨だと
at 2008-08-14 08:41
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誰が御用学者か指摘できない専門家集団じゃ信頼されないのは当然では?
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D
at 2008-08-14 13:06
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コメントさんのコメントの感想
at 2008-08-14 17:49
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本筋とは関係ない話でなんですが
コメントさん>それは公害病、薬害など、誤りを指摘する根拠を出した専門家を調べたところ、民間企業の専門家は見つからないからです。
イタイイタイ病の萩野昇さんは地元の開業医ですよね、まあ民間企業の定義にもよりますが。
ただ、そもそも「公害病、薬害など、誤りを指摘する根拠を出した専門家」の数自体が「専門家」全体からみれば極少数でしょうし、「専門家」が所属している組織が「大学や国の研究所」と「民間企業」でどのように分布しているかも時代によって異なるでしょうから、そこまで定量的に議論するのでなければ、例示以上の意味はなさない気がします。
で、昔は「専門家」=「大学や国の研究所」だったものが、だんだん「専門家」の所属組織にバリエーションが広がってきて、一方で「大学や国の研究所」の方も(上にも下にも)千差万別となってきて、等号が必ずしも成立しないことが社会的に認知されてきた、とかいう気がしてきたのですが、そんなことないですかね?
コメントさん>それは公害病、薬害など、誤りを指摘する根拠を出した専門家を調べたところ、民間企業の専門家は見つからないからです。
イタイイタイ病の萩野昇さんは地元の開業医ですよね、まあ民間企業の定義にもよりますが。
ただ、そもそも「公害病、薬害など、誤りを指摘する根拠を出した専門家」の数自体が「専門家」全体からみれば極少数でしょうし、「専門家」が所属している組織が「大学や国の研究所」と「民間企業」でどのように分布しているかも時代によって異なるでしょうから、そこまで定量的に議論するのでなければ、例示以上の意味はなさない気がします。
で、昔は「専門家」=「大学や国の研究所」だったものが、だんだん「専門家」の所属組織にバリエーションが広がってきて、一方で「大学や国の研究所」の方も(上にも下にも)千差万別となってきて、等号が必ずしも成立しないことが社会的に認知されてきた、とかいう気がしてきたのですが、そんなことないですかね?
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ゑぶ
at 2008-08-14 23:33
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そんなことあるのではないですかね?
また、「コメントさんのコメントの感想」さんの考え方にも同感です。
>>コメントさん
私も、なかには、大学や専門機関にいる専門家だからこそできる社会貢献もあると、期待を込めて思っています。専門家は、それを社会に向けて示してほしいと思います。専門家の言うことは、素人にはわかりっこないと言いたそうな雰囲気が、コメントさんのコメントからは、嗅ぎ取れるのですが、国の税金を使っているのであれば、国民に対し説明責任を果たす義務があると思います。
また、「コメントさんのコメントの感想」さんの考え方にも同感です。
>>コメントさん
私も、なかには、大学や専門機関にいる専門家だからこそできる社会貢献もあると、期待を込めて思っています。専門家は、それを社会に向けて示してほしいと思います。専門家の言うことは、素人にはわかりっこないと言いたそうな雰囲気が、コメントさんのコメントからは、嗅ぎ取れるのですが、国の税金を使っているのであれば、国民に対し説明責任を果たす義務があると思います。
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ゑぶ
at 2008-08-14 23:45
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なお、
>どこにも”国立の”とは書いて居ません。
何か勘違いが生じているようですが、私は、Stochinai先生がお書きになったこの記事の最後から2番目のパラグラフについて、コメントしたのであって、専門家が国立の人といいたかったわけではないです。(もう一度、読んでみてください。もともとこの議論は、7/28にstochinai先生がお書きになった国立大学法人運営費交付金の削減の記事から始まったものであることを考えると、stochinai先生は、運営費交付金削減を念頭において書かれたものと思われます。)
しかし、これは「私立」も事態は同様で、国立大学と同じ流れで、私学助成金もカットされています。
あと、ついでに、以前のコメントで、
>運営費交付金は、官僚の意向で増減する部分はわずかですよ。
とありましたが、その根拠を、もし可能でしたら、お示しいただけると幸いです。
私の主張の根拠としては、たとえば
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/
a01_0238.html
の特別教育研究費についての議論があります。
>どこにも”国立の”とは書いて居ません。
何か勘違いが生じているようですが、私は、Stochinai先生がお書きになったこの記事の最後から2番目のパラグラフについて、コメントしたのであって、専門家が国立の人といいたかったわけではないです。(もう一度、読んでみてください。もともとこの議論は、7/28にstochinai先生がお書きになった国立大学法人運営費交付金の削減の記事から始まったものであることを考えると、stochinai先生は、運営費交付金削減を念頭において書かれたものと思われます。)
しかし、これは「私立」も事態は同様で、国立大学と同じ流れで、私学助成金もカットされています。
あと、ついでに、以前のコメントで、
>運営費交付金は、官僚の意向で増減する部分はわずかですよ。
とありましたが、その根拠を、もし可能でしたら、お示しいただけると幸いです。
私の主張の根拠としては、たとえば
http://www.rieti.go.jp/jp/columns/
a01_0238.html
の特別教育研究費についての議論があります。
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SR
at 2008-08-15 04:48
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冒頭に引用されている現在の日本の科学技術の繁栄に関してですが、おそらく世間一般の印象としては、それは大学や国の研究機関よりも民間企業、科学よりも技術、基礎研究よりも応用研究によるところが大きいと思われているのではないでしょうか。おそらく科学政策にたずさわる官僚もそう考えているのではないかと思えます。私自身は必ずしもそうとは思いませんが、自信を持って主張するほどの知識はありません。大学は、もし科学技術の繁栄に自らが貢献し、研究レベルが高いと思うなら、説明してもしょうがないなどと言わず、積極的にアピールした方がいいんじゃないでしょうか。
資源の乏しい日本が将来もやっていくためには科学技術に力を入れざるを得ないことを否定する人はそんなにいないと思います。国の政策もそうだと思います。だからこそ、大学にも競争をさせようとしているのではないでしょうか。研究の多様性が失われると言われますが、ほとんど引用されない論文の数を稼ぐことが目的化しているような研究が現実に一部にあるわけです。交付金を削って競争的資金を増やすという方向は間違っていないように思えるのですが、私の見識不足でしょうか?
資源の乏しい日本が将来もやっていくためには科学技術に力を入れざるを得ないことを否定する人はそんなにいないと思います。国の政策もそうだと思います。だからこそ、大学にも競争をさせようとしているのではないでしょうか。研究の多様性が失われると言われますが、ほとんど引用されない論文の数を稼ぐことが目的化しているような研究が現実に一部にあるわけです。交付金を削って競争的資金を増やすという方向は間違っていないように思えるのですが、私の見識不足でしょうか?
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それにしても..
at 2008-08-16 03:34
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>>先生の権威について
> 教員の権威に対して敬意を払わなくなっている人も増えている
> かもしれませんねぇ。
でも、
お前なんて尊敬できないけど,xxxxをおしえろよ。
って態度は変だと思うね...
> 教員の権威に対して敬意を払わなくなっている人も増えている
> かもしれませんねぇ。
でも、
お前なんて尊敬できないけど,xxxxをおしえろよ。
って態度は変だと思うね...
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世間一般やマスゴミが
at 2008-08-16 03:48
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> 世間一般の印象としては、大学や国の研究機関よりも
> 民間企業、科学よりも技術、基礎研究よりも応用研究による
> ところが大きいと思われている
神風で戦争に勝つってのに近い妄想だと思うね.感想だがな.
日本の科学技術の繁栄が企業の技術力によるってのは神話だ.
企業の技術で国は回ると考える根拠は何だ?
大体、企業の技術系で、大学(院)教育を受けてない奴がいるのか?
もし,大学がロクでもないなら、企業は,高卒で雇って自社で教育すれば良いんでは?
> 民間企業、科学よりも技術、基礎研究よりも応用研究による
> ところが大きいと思われている
神風で戦争に勝つってのに近い妄想だと思うね.感想だがな.
日本の科学技術の繁栄が企業の技術力によるってのは神話だ.
企業の技術で国は回ると考える根拠は何だ?
大体、企業の技術系で、大学(院)教育を受けてない奴がいるのか?
もし,大学がロクでもないなら、企業は,高卒で雇って自社で教育すれば良いんでは?
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企業
at 2008-08-18 09:26
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大学入試の結果だけは利用させていただきます。
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名無しさん
at 2008-08-19 15:54
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化学や物理の授業が本当につまらないのも原因ですよね。大学入学当初、理系文系両方向けに理系教授陣が専門分野を紹介する授業があったのですが、酷い教授だと隣の理系の生徒が頭を抱えて文系の私に質問してきました。これでは駄目でしょう。名も無き専門家への敬意が無いのは、数式や化学式なんてわからなくてもいいから、科学の大切さ素晴らしさ面白さを教えてこなかったツケ、科学関係者の罪だと思います。
>お前なんて尊敬できないけど,xxxxをおしえろよ。って態度は変だと思うね...
無料ならそうでしょうけど、お金払って他人のオナニーショーを見せられるのはもうこりごりですよ。
>お前なんて尊敬できないけど,xxxxをおしえろよ。って態度は変だと思うね...
無料ならそうでしょうけど、お金払って他人のオナニーショーを見せられるのはもうこりごりですよ。
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それって、、
at 2008-08-19 19:02
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>>名無しさん
何年前の、どのレベルの大学の話ですか?
今だと、高校レベルの補講をしたり、大学に出てこない学生の家を教授が訪ねたり、そんなレベルです。MARCHクラスだと、理系の学部に「分数」や「オームの法則」すら知らない学生もいるそうです。
> 化学や物理の授業が本当につまらないのも原因ですよね。
高校の基礎学力がなければ、大学レベルが理解できないのは当然では?
> 科学関係者の罪だと思います。
あなたの母校は、オナニーショーだったのでしょうが、私の母校では大変充実した教授陣から少人数での指導を受けました。
何年前の、どのレベルの大学の話ですか?
今だと、高校レベルの補講をしたり、大学に出てこない学生の家を教授が訪ねたり、そんなレベルです。MARCHクラスだと、理系の学部に「分数」や「オームの法則」すら知らない学生もいるそうです。
> 化学や物理の授業が本当につまらないのも原因ですよね。
高校の基礎学力がなければ、大学レベルが理解できないのは当然では?
> 科学関係者の罪だと思います。
あなたの母校は、オナニーショーだったのでしょうが、私の母校では大変充実した教授陣から少人数での指導を受けました。
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おやおや
at 2008-08-19 23:08
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↑↑
at 2008-08-20 21:54
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「オナニーショー」と、一方的に、口汚く罵って、マトモなレスを期待するのか?
相当な自己中。 オマエ、会社でもダメだろ。
相当な自己中。 オマエ、会社でもダメだろ。
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企業って
at 2008-08-20 22:06
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at 2008-08-24 16:35
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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stochinai at 2008-08-24 17:20
「海洋科学研究者の日常」さんのところで、このエントリーに関連した記事を書いてくださいました。是非、お読みください。
科学技術専門家の権威
http://blogs.dion.ne.jp/hiroichiblg/archives/7532637.html
科学技術専門家の権威
http://blogs.dion.ne.jp/hiroichiblg/archives/7532637.html
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コメント
at 2008-08-29 04:43
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上記のHPを見ましたが、自分とは違います。科学的思考ができる人が相手なら上記に同意しますが、理屈も裏付もない人には、何を言っても無駄です。
上記のHPを書いた人は、判断基準を,下記に様に言っています.
>「信じるための5つのガイドライン」を肝に銘じておく必要があろう。
>1.調べる努力をせよ
>2.信念ではなく根拠に基づいて信じよ
>3.根拠の強さに応じて確信度を決めよ
>4.信じるときは間違っていることを覚悟せよ
>5.根拠が不十分ならば保留する勇気をもて
確かに、上記のような姿勢の人なら、私は説明を尽くすことに賛成です。しかし、この様な態度を取らない人に対して、この方はどうするのでしょう?
例えば、「写真を撮ったら魂を抜かれる」と信じる人をどう扱うのでしょう?
養老先生の「バカの壁」ではないですが、バカの壁に阻まれて何を言っても無駄に思います.
上記のHPを書いた人は、判断基準を,下記に様に言っています.
>「信じるための5つのガイドライン」を肝に銘じておく必要があろう。
>1.調べる努力をせよ
>2.信念ではなく根拠に基づいて信じよ
>3.根拠の強さに応じて確信度を決めよ
>4.信じるときは間違っていることを覚悟せよ
>5.根拠が不十分ならば保留する勇気をもて
確かに、上記のような姿勢の人なら、私は説明を尽くすことに賛成です。しかし、この様な態度を取らない人に対して、この方はどうするのでしょう?
例えば、「写真を撮ったら魂を抜かれる」と信じる人をどう扱うのでしょう?
養老先生の「バカの壁」ではないですが、バカの壁に阻まれて何を言っても無駄に思います.
by stochinai
| 2008-08-13 20:14
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