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秋の夜長をマイルスの「枯葉」で

 ブルーノートといえば、モダンジャズの老舗のレコード会社で、私も一時期たくさんの30センチLPレコードを買いあさった記憶があります。1960年代までは、そのほとんどがジャズの歴史に残る名盤と言っても過言ではないくらい素晴らしいものばかりで、ブルーノートのレコードを並べるだけで、そのままモダンジャズの歴史年表ができあがってしまいそうです。

 そのブルーノート・レコードの中でも名盤中の名盤を1枚だけ選べといわれたら、かなりの人がこれを選ぶと思われるのが、いちおうキャノンボール・アダレーがリーダーになってはいるもののマイルス・デイビスの最大傑作のひとつでもある「枯葉」が入っているSomethin' Elseでしょう。

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 このレコードに収まっている「枯葉」は、そのすべての音を暗記するくらい何回も聞いていて、ちょっとでも違うと耳が反応してしまうのですが、それを試すことのできる別テイク録音が発掘されただけではなく、なんと今日からネット上でフリー公開されています。

 「枯葉~テイク1

 まずは聞いてみてください。そして、誰でも知っているあの「枯葉」のメロディーがマイルスのミュートトランペットで演奏されるところを楽しんでください。上のレコードに入っているのがテイク2ですが、その違いはこの部分ではそれほど明らかではありませんが、その後にはいるキャノンボール・アダレーのアルトサックスのパートなどは驚くほど違います。

 実は、このレコードで演奏される「枯葉」は、先ほどまでYouTube上にもあって聞くことができたのですが、今は削除されたようです。どうしても聞き比べたくなると思いますので、アマゾンで購入するのがベストです。(こちらで、ほんのちょっとだけは聞けます。)

 そして、マイルスの「枯葉」を聞くと、どうしても聞きたくなるのが、ビル・エバンスの「枯葉」でしょう。Portrait in Jazaというレコードに入っている「枯葉」はマイルスのものとはまったく違ったアップテンポで演奏されるものですが、そのスピードにもかかわらず非常に叙情的です。

秋の夜長をマイルスの「枯葉」で_c0025115_19552157.jpg

 こちらもアマゾンで購入されるのが良いと思いますが、幸運なことに今ならYouTubeで聞けます。(いつまで持つか、保証はできません。)


 ここには、A面の1曲目「Come rain or come shine (降っても照っても)」と2曲目「枯葉」が連続して収められています。幸運にも残っているならば、3分22秒くらいから始まるスリリングな「枯葉」をお楽しみ下さい。

 秋の夜長は、ジャズがいいですね。
by stochinai | 2008-08-20 20:06 | 趣味 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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