5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

米を焼却処分にし始めたようです

 NHKのニュースによると、流用問題のもとになったカビ米などの焼却処分が始まったということです。もったいなくないですか。

 高いお金を出して買ったものが、農薬に汚染されていたり、カビが生えたりして食用にならなくなったものを、後は野となれということでいかがわしい業者に販売した農水省の責任は当然厳しく問われなければならないと思いますが、だからと言って焼却するのが正しい処置だとはとうてい思えません。

 私が小学生の頃は、たとえ米粒ひとつでも粗末に扱うと「目がつぶれる」と言われて、お米を大切にすることを厳しくしつけられました。同じ年代の人は皆同じだと思います。お百姓さんが、大変な思いをして手間をかけて育てたものだからという話もいやというほど聞かされました。

 そういうふうに育った人間からみると、余ったごはんを捨てることすら心が痛みますから、袋ごと米が燃やされている映像を見ると、たまらない気持になります。たとえ、外国から輸入されたものだとしても、それを作った農家の人達の苦労は同じようにあったはずです。

 この件を見ても、農水省の無能ぶりが感じられます。事後監督をまったくしないで売りっぱなしにするのでなければ焼却というのでは、小学生にさえ笑われるでしょう。

 なんらかの有効利用を模索できないものでしょうか。

 たとえば、最初には糊を作るという「口実」を使っていたようですが、糊には不要だとしても大量のデンプンはいろいろなものに利用可能だと思います。たとえば発酵させてアルコールにしたら、バイオ燃料になるのではないでしょうか。設備がないのだとしたら、肥料にはならないでしょうか。あるいは、生分解性のプラスチックにすることなどは無理でしょうか。将来的にも同じような米を買い続けなければならないのだとしたら、国が主導で開発をする価値があると感じます。

 こういう話をすると、今だと必ず「経済的に引き合わない」という反対意見が出てくると思いますが、どうしてお金の話だけになってしまうのか残念です。何十年もの間、税金や年金を湯水のごとく使い続けてきた政党や官僚には言われたくない言葉です。

 そして、こういう時にこそ大量に余っている博士を動員して、米の有効利用研究所などを建ててみてはどうでしょう。50人の博士を雇ってください。

 それを通して、米を無駄にするような道徳的退廃を修復することと、たとえ一部だとしても若い人達が将来に希望の持てる職場を提供することができれば、何もしないよりははるかにマシだと思います。

 社会保険庁の年金問題にしても、大量の博士の頭脳を投入すれば、今よりははるかに手際よく問題の解決に当たれると思います。ここでも、50人の博士を雇ってください。

 今政府がやるべきことは、あらゆる非難を避けるための後ろ向きの政策ではなく、誰もが納得できるような前向きの行動だと思います。

 もちろん、博士だけでなくとも良いと思います。予算の節減のために公務員を減らすことばかり考えずに、問題解決のために優秀な公務員を増やす時期が来ていると思います。
Commented by MusignyBlanc at 2008-10-04 01:11
日本が得意の、「もったいない」文化の発動ですね。
たしかに、知恵を絞れば、消却とは別の方法がある気がします。
Commented by 一言 at 2008-10-04 01:26 x
おそらく、そうした「有効利用」の途中で、横流しがあったり、農水省の役人への贈賄がまた生じたりなんてことを恐れているのではないでしょうかね・・・って、これは皮肉です。
Commented by ProDoc at 2008-10-04 08:28 x
余ったコメ同様、余った博士も有効活用することはできないでしょうね。余った博士も焼却処分ですよ。
Commented by Ped.せいしんかい at 2008-10-04 08:43 x
たまに拝見させて貰っていますが、今回は(も)お話の筋道が少々飛躍して、「博士問題」に牽強付会にこじつけられてるようにお見受けします。
博士には頭脳がある、という前提条件がそもそも真ではないと思います。
バイオ系博士号取得者の平均総合IQと農水省キャリアのそれをきちんと比較したら、恐らく後者の方が言語性、動作性とも有意に上だとぼくなどは思うのですけれどね……
また、米の無駄使いが一概に道徳的退廃に起因するとも思えません。焼却するにいたった過程には、複雑な事情が種々絡み合っている筈です。

「どうしてお金の話だけになってしまうのか残念です」と書かれておられますが、今回の事件の背景には事故米に絡んで、「お金の話」を解決したいという業者&農水省双方の切実な問題があったように思います。お金の話を抜きにして綺麗ごとを並べてもsuperficialな感は否めません。経済的視点を抜きに世の中の事象をわかったように論じるのはやはり何かが足らない気がします。今のポスドク問題の深刻さも、バイオ産業が経済的に衰退している背景が少なからずあるのだと思います。

Commented by 鶏肋 at 2008-10-04 11:09 x
たしかにもったいないとは思えますね。どうせこれだけ悪評が広まってしまったのだから、ネガティブなイメージのある焼却処分よりバイオエタノールの開発など打ち出してみればいいように思いますが、コスト上引き合わないんでしょうね。最初から焼却処分すべきだったという意見もありますし。

> Ped.せいしんかい様
農水省キャリアの方と我々をIQで比較することになんの意味があるかわかりませんし、それと言語性、動作性がどのように関係するのかも理解できませんが、「博士に頭脳がある」ということが誤りであるのと、農水省キャリアの決定が妥当なものである、という結論がなぜ結びつくのでしょう?IQが高い方々の決定だから、誤りはない筈だ、とおっしゃりたいのでしょうか?いくら「お金の話」で解決したかったからって、これだけの問題を起こしておいてねえ。
Commented by ゑぶ at 2008-10-04 12:22 x
国家公務員の採用には、博士にも門戸が開かれているのだから、本人の自由意思に従って応募したらいいと思います。年齢面で差別はありますが、博士は学部生や修士より長年専門的な勉強を積んでいるのだから試験では有利です。
国家公務員の採用は、まず試験で応募人数をしぼって、あとで官庁訪問で採用をきめるという仕組みをとっています。試験の合格者のほとんどが博士だったら、官庁訪問に学部生や修士の学生が来れないわけですから、省庁側も博士を採用せざるをえません。
私の提案ですが、まずは博士全員が国家公務員試験をうけること。それで辞退するにしろ官庁訪問に大量に博士を送り込んで、ひいては省庁に博士を送り込むこと。たくさんの博士によって運営されることになった政府は、きっと博士にとってより都合の良いものになるでしょう(笑)。
Commented by もちろん皮肉ですが at 2008-10-04 17:07 x
確かに焼却はもったいないので,太田前農水大臣ほか関係者のお宅ですべて引き取って,かならず家族で食べるという約束をするというのはどうでしょう。
なにしろメタミドホスの濃度は中国ギョーザの60万分の一だし,食べてしまっても直ちに健康への影響はないのですからね。
国民にそのことを信じてもらうため,太田前大臣以下農水官僚,食料事務所関係者が身をもってデモンストレーションをするための米にする,それが一番有効な利用法だとおもいます。
Commented by これも皮肉ですが at 2008-10-07 03:55 x
私は政治家でも官僚でもないですが、この程度なら引き取って食べても良いと思ってますけど。
ウソをついて流通させていた業者の姿勢に対する道徳的反感はありますし、法律に反することは司法に裁いて貰うべきだと思っていますが、それとどの位リスクがあるのかという話は別の次元の問題です。それをごたまぜにしたニュースやワイドショーしかないのは何故でしょうか。ある意味、ずさんな政府とずさんなニュースショーの、目くそ鼻くそを笑うというレベルの話でしかないのではないか。そう考えると、別の使い方があるのではないかというstochinaiさんの切り口はまともだと思います。

ただ疑問なのは、まずお金が貰えないとアイデアが出てこないのでしょうか。
農水省のダメ官僚と博士をIQで比較しても意味がないというのはそのとおりだと思いますが、博士の方が何らかの意味で素晴らしい資質を持っているのなら、農水省の中に居なくても、ダメ官僚よりもましな施策とかお米の使い方のアイデアを出せるのではないでしょうか。
Commented by 博士 at 2008-10-09 10:14 x
多分アメリカから二次利用のしばりが掛かってるんでしょう。
Commented by uuu次郎 at 2013-10-06 19:39 x
たしかに勿体無いです。
ただどうしたらいいのでしょうか?発言ひとつで軽率に思われるので
慎重な日記作成を心がけてください。
by stochinai | 2008-10-03 19:51 | つぶやき | Comments(10)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai