5号館を出て

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2004年 11月 17日 ( 1 )

お客さん

 今日は、カリフォルニアのアーバイン(Irvine)からお客さんが来たので、歓迎会をしています。

 お客さんは、日本人なのですが東北大を出て、広島でポスドク(博士を持っている非常勤研究員)をした後、カリフォルニアでポスドクをやっている人です。

 東北大での大学院生時代に、カエルの再生研究をやっていたので知り合いになった人なのですが、アメリカで研究者として働くには時々国外に出て(日本に戻って)、ビザの更新をしなければならないということで、東京のアメリカ大使館に出頭するついでに北海道にも寄ってくれたというわけです。

 セミナーをお願いして、主に今やっている再生研究の話をしてもらいました。ついでに、つい最近カリフォルニアで住民投票の結果、賛成多数で成立した「再生研究推進」の話もしてくれました。シュワルツネガー州知事の下、先頃亡くなったスーパーマン・クリストファー・リーブや、パーキンソン病で苦しむマイケル・J・フォックスの話などが出てくると、「さすがアメリカ」という気がします。 

 アメリカには日本から行っているポスドクの人がたくさんいるのですが、そういう人たちが集まると、必ず最後はどうやって日本に帰ったら良いかの話になるそうです。

 日本政府の大学院生・ポスドク大量生産政策の結果、優秀なポスドクの人がたくさん海外に出ているのですが、向こうでたくさんの業績を上げたとしても、なかなか日本で定職に就くことのできない人が多いという現状があります。

 非常に優秀な彼ら・彼女らをこのまま、外国流民にしてしまっては国家的大損害です。せっかく育った彼らをなんとかして日本に呼び戻して、きちんとしたポジションを与えることは、日本の将来にとっても非常に重要なことであると思いますので、政府にはそこのところをしっかりと把握した上で、長い目で見たしっかりとした政策の立案をお願いしたいと思います。

 内閣や国会議員の継続年数以内の政策しか出てこないような、今の政策立案システムでは国の将来を担うであろう、若手研究者の未来を切り開くことはとても難しいと思います。

 そこで、政府だけにまかせておかず、全国の大学関係者においても、自分たちが育てた、最良の頭脳である彼らを日本に呼び戻し、次世代の研究および研究者養成に携わるべきポジションを与えるよう声を上げて頂きたいと思います。

 微力ながら、私も頑張りたいと思います。

 逆に、そのような境遇に置かれたポスドクの皆さんにも、声を挙げて頂きたいと思います。

 黙っていても、国は動いてくれないものです。一緒に頑張りましょう。
by stochinai | 2004-11-17 17:43 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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