5号館を出て

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2004年 12月 03日 ( 1 )

 ライコス・ヨーロッパのスパム対策ツールで中国2カ所のサイトがアクセス不能にという記事が出ています。

 Lycosと言えば、ネットの世界ではかなり有名な大手のポータルサイトですが、そのヨーロッパ社が、スパムメールと戦うために実力行使を開始したようです。

 その中でも、数日前から提供し始めた、スパムメールで紹介されるウェブサイトをリクエスト攻めにするスクリーンセーバーが、問題を起こしているようです。そのスクリーンセーバーが動き始めると「ユーザーが受信した電子メールに、Lycos Europeのブラックリストに載っているURLが記載されている場合、このツールはサイトにリクエストを自動送信する。大量のスクリーンセーバーを使って、同時に同じページをリクエストすることにより、サイトのパフォーマンスを低下させる」ということです。恐ろしい機能だと思います。

 それが、今日になって効果をあらわし始め、中国で運用されている2つのウェブサイトbokwhdok.comとprintmediaprofits.bizの2つのサイトがアクセス不能になったということです。

 確かに、スパムメールは困ったことだし犯罪に(近いもの)だとは思いますが、それに対してDDoS攻撃をかけて、サーバーをダウンさせるというのも犯罪に近いのではないでしょうか。

 Lycos Europe では、このツールを使うと「今すぐにでもスパマーを困らせる」ことができると書かれた広告が表示されているそうなのですが、そんな実力行使の応酬は暴力の連鎖を生むだけのような気がします。

 ネットの世界では、それほどのお金もかけずに世界にパケットを発信・受信することができますので、それを使って意見を言ったり、メールを出したり、ネットサーフィンしたりできます。

 ほとんどの人はこの便利なツールを善意で利用していると思いますが、悪意でインターネットを使おうという人間もたくさんおり、それを防止することは簡単ではないことは良くわかります。

 しかし、毒を持って毒を制することはやはり難しく、吐いた唾は自分に戻ってくることも考えた方が良いと思います。自分が攻撃できるということは、相手にも同じように攻撃される可能性があるということです。

 Lycos Europe が扱う電子メールのうち90%がスパムかウイルスメールだという事情だそうですので、お腹立ちは重々わかるのですが、だからと言ってネット全体に無用な負荷をかけながらの攻撃というのは、いかがなものでしょう。

 同社は「このスクリーンセーバーについて、DDoS攻撃は行っておらず、スパムサイトが利用可能な帯域幅を引き下げているだけだと述べ、さらにウェブサイトをダウンさせる意図はないことも付け加えている」のだそうですので、思った以上の効果が出て困っているのかもしれません。その証拠かどうか、今はそのスクリーンセーバーはダウンロードできなくなっているそうです。

 なぜ、私が悪い奴(スパマー)の肩を持つのかと思われる方もいらっしゃる方がいるかもしれませんが、実は北海道大学のサーバーはSpamCopによって、スパムサーバーの烙印を押されたことがあるのです。もちろん、大学が意図してスパムを流すはずなどがなく、学内にあるサーバーのいくつかが侵入され乗っ取られてスパムをまき散らしていたのが原因なのですが、学内から発信されたメールがすべて北大のメールゲートウェイを通って出ていくので、スパムが出された場合には北大のオフィシャルサーバーがスパムサーバーと判断されます。

 そんな事情があったとしても、問答無用で今回のようにDDoS攻撃をされるというようなことが起こったら、大変です。正常な業務もできなくなり、場合によっては北大の機能が麻痺してしまいます。

 ネットを使った犯罪も困りますが、ネットを使った犯罪者攻撃も犯罪と同じような結果を生んでしまいます。ネット犯罪は、テクノロジーの発展によって防止していくのが正当な対処出はないでしょうか。悪に対して、短気にブチ切れてしまってはやっぱり敗北なのではないでしょうか。
by stochinai | 2004-12-03 00:00 | コンピューター・ネット | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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