5号館を出て

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2004年 12月 07日 ( 1 )

雪に雨

 どっさりと降り積もっていた雪の上に、今日は朝から暖かい雨が降りしきっていました。路面はツルツル。雪には強いはずの札幌の歩行者も、あちこちでこけております。さすがの私も、自転車で家を出たものの、途中で挫折。駅に自転車を乗り捨てて、軟弱に地下鉄通勤となりました。天気予報によると、今夜半からまた雪だそうで、明日は朝九時から会議があるのに、間に合うように着けるんでしょうか。ちょっと不安。

 今日は、やっぱりこのニュース高1学力、世界トップから脱落 数学6位 読解力14位 OECD調査についてコメントせざるを得ないですね。

 この調査は昨年、経済協力開発機構(OECD)が41カ国・地域の計約27万6000人の15歳を対象に行われたものだそうです。

 前回8位だった「総合読解力」は14位。「科学的応用力」は2位で変わらないものの、前回1位だった「数学的応用力」は6位。今回から調査項目に加えられた「問題解決能力」は4位でかろうじてトップグループ、というのが全体の成績です。

 要するに、たくさんの人がずいぶん前から指摘しているように、子ども達の読み書きができなくなっているということが、国際的に証明されたということなのだと思います。しかし、例によって外圧に弱い日本の政策決定ですから、朝日コムによると、「文科省は・・・、特に落ち込みの目立った『読解力』に対応するため『読解力向上プログラム』を来夏までに策定する」という、早速の拙速なコメントを出してくれました。

 何十年もかけて破壊された子ども達の読解能力を向上させる処方箋を、どこの誰に頼むか知りませんが、今から半年くらいの間にバタバタと作り上げるのは、愚を重ねることになるだけだと思います。

 大学でもそうですが、なんで日本の教育政策はこんなにコロコロと変わるのでしょう。受験地獄と騒がれたら、高校全入・ゆとり教育を展開し、ゆとり教育が失敗したら、「あれは最低限の到達ラインだ」とごまかしてみたり、先生に問題があると指摘されたら「スーパー・ティーチャー制度」みたいなことを始めようとしたり、英語が話せないと言われたら、小学校で英語の授業を始めて見たり、そういう場当たり的な対応が教育環境を破壊してしまったという根元的な問題に対する反省がないのことが、やればやるほど悪くなるという今の「教育改革」の根元にあるのだと思います。

 産経ウェブの記事には識者のコメントがあります。小野さんは、今回の結果の原因は、「新教育課程によって教科の授業時間が削減されたことにあると考えられる。『総合的な学習の時間』の設定により、中学国語は週四時間から三時間」になって、時間不足なのだと言っています。

 長尾さんは、「読解力が下がったからといって『国語の時間を増やそう』と短絡的な反応をすべきでない」と、文科省のあわてふためいた行動を見越した発言をしています。

 刈谷さんは、毎日新聞で「全国一律に導入した週休5日制は誤り」と言っています。

 毎日新聞上では他の人も、いろいろ異なる意見を述べています。要するに、現時点では処方箋はいろいろと考えられ得るということだと思います。そういう中で、急いで次の一手を決めずに、せっかくの機会なのですから、国民みんなで少し時間をかけて考えてみてはどうでしょう。政府の意見を先取りしてくれるような「めんこい学者」ばかりを集めて、文科省の思い通りの答申を出させて制度を改革することはそろそろ終わりにしないとほんとうに取り返しのつかないことになります。とは言っても、実はもう取り返しのつかないことになっているのかもしれないとも、私は思っています。

 頼みの文部科学大臣のコメントも「(政策見直しは)中央教育審議会で分析・検討してもらう」といういつもの通りのものでした。中教審というもの自体が、間違った政策を出し続けて来ている諸悪の根元の審議会なんじゃなかったでしょうか。そこを作り直すことから始めませんか。構造改革ですよ。小泉さん。
by stochinai | 2004-12-07 00:00 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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