5号館を出て

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2004年 12月 15日 ( 1 )

振り込め詐欺

 またひとつ美しくない日本語が生み出されてしまいました。しかも警察庁が作り、全国民で使おうということです。もちろんオレオレなど架空請求、「振り込め詐欺」と命名 警察庁のことです。

 子どもの国語力が落ちているとかで騒ぎになっていますが、振り込め詐欺などという言葉を平気で「専門用語」として命名してしまうようでは、国語力が落ちているのは子どもだけではないことが暴露されてしまいました。

 「振り込め」というのは、動詞「振り込む」の命令形です。命令形の後に名詞が付く言葉は、他にもあるでしょうか。あるとしたら、命令形の後には人称が来る場合ではないでしょうか。例えば「行け行け飛雄馬」とか、「走れメロス」とか、後に来る名詞に向かって命令する場合です。

 そうすると文法的には「振り込め詐欺」というのは、詐欺に向かって振り込めと命令している語感になります。言葉の意味としては、詐欺が我々に向かって振り込めと命令あるいはお願いするということを想定していますので、気持ちが悪いのだと思います。

 どうしても振り込むという動詞を使いたいのなら「振り込ませ詐欺」が妥当なところではないでしょうか。事実、この命名の前にも振り込ませ詐欺という言葉はかなり使われており、googleで検索してみると593件もヒットします。

 「オレオレ詐欺」は、電話や手紙でだましたり、脅したりして巧みに現金を振り込ませる犯行の実態に合わなくなってきたために名前を変えたということですが、ほんとうにそれで被害者が減るのでしょうか。疑問です。

 それよりも、政府関係機関自らが日本語を破壊するような使い方をすることの悪影響の方が大きいのではないでしょうか。

 現政権のキャッチフレーズ政治が警察にまで蔓延しているのではないかと危惧します。キャッチフレーズではなく、銀行や金融機関に働きかけて犯行を防止すること、および自ら犯人を検挙することが犯罪を減らす近道です。

 犯人が捕まっていない奈良の少女殺害事件や、ドン・キホーテの連続放火事件では、警察が完全になめられており、事件が報道された後にも犯人が堂々と行動しているのことが、警察力の落ちている日本の現実を示しているのだと思います。

 国内の犯罪も防げないのに、復興支援などといって国外のならず者を懲らしめに軍隊を派遣している国というのものも滑稽な存在に思えます。
by stochinai | 2004-12-15 00:00 | つぶやき | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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