5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

2004年 12月 16日 ( 1 )

図書館もいらない?

 googleがまた動き出しました。米グーグル:図書館の蔵書を検索対象にです。

 少しまとまった記事はグーグルによる図書館の電子化を見ると良いと思います。

 ミシガン大学やハーバード大学図書館にある総計1,500万冊以上の本の全ページをウェブで読むことができるようになるというサービスです。

 もともと公共の図書館というものは、たくさんの人に本を読んでもらうために蔵書を用意しているわけですから、ウェブで公開した方がより徹底的なサービスになることは誰でもが想像していたことです。

 しかし、昔からある本を電子化する(スキャンする、あるいはさらにテキスト化する、さらにはテキストを検索できるpdfファイルにする)というところがネックで、あまり進んでいなかったのだと思います。

 もしも、グーグルが膨大な資金力にものを言わせて、それを現実のものとし始めたら、世界は動き出すだろうと思われます。つまり、一気に雪崩のように追随するところが増えることが予想されます。

 もし、そうなったら図書館の使命は本を展示することではなく、本を電子化しウェブで提供するということになります。もちろん、そちらの方が公共性は高いことになります。ただし、著作権は誰が守るのかという話が必ず出てくるでしょうが、著作物は公共の財産であるということになれば、著作権は「世界」が買い上げる以外には解決策はないでしょう。

 文学や芸術分野ではこの方式はなじまないかも知れませんが、科学の世界ではすでにこの動きは先行して動き出しています。これもgoogleですが、学術論文サーチエンジンの「Google Scholar」ベータがすでに、動き出しています。Google Scholarで検索すると、かなりの量の科学原著論文がpdfファイルで提供されていることがわかります。恥ずかしいですが、「S.Tochinai」と入れて見てください、私の論文のうち、世界的に認められた(?)33の論文が出てきます。論文そのものはさておき、そのデータ検索力がスゴイと思いました。

 科学の研究成果は人類の共通財産であるという認識からすると、ごく当たり前のことなのですが、ウェブにアクセスして検索だけで論文が手に入ってしまう時代が来てしまったという感慨は、我々現場にいる人間にはひとしおのものがあります。数年前までは、すべての原著論文はコピーするか、著者に請求して別刷りをもらい、それを各人が後生大事に保管するというのが、科学者の活動の大きな部分を占めていたのです。

 それが、自分の論文でさえウェブで手に入る、あるいは誰でもがアクセスできるようになってくると、研究室の大きな面積を占めていたファイルボックスがなくなるのです。これで、私の部屋の面積のおよそ半分近くを締めていた論文コピーの置き場所が空くことになりました。素晴らしい時代になったものだと思います。
by stochinai | 2004-12-16 00:00 | 科学一般 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai