5号館を出て

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2004年 12月 19日 ( 1 )

仙台入り

 雪に埋もれた札幌を後に、仙台に入りました。明日から、東北大学理学部生物学科で特別講義です。

 今の時期は、あちこちの大学で特別講義のオンパレードになっており、通常の講義はつぶれ、たくさんの教員が不在で、逆によそからたくさんの教員が出張してくるということになっています。

 しかし、この制度も例によって法人化の影響を受けており、北大では特別講義をお願いした非常勤講師の方の謝礼が年々安くなって来ているだけではなく、今年からは大学から旅費は出ないということになっています。もちろん、旅費を自前で特別講義してくれるなどという奇特で金持ちな先生などいませんので、旅費は大学ではなく講義を依頼した学科が負担するということになっています。

 こちらではどうなっているのかわかりませんが、東北大学でも懐事情はそれほど変わらないでしょうから、特別講義でございと能天気なことをやっていると顰蹙を買ってしまいそうです。

 そもそも特別講義というのは、自前の教員だけではすべての学問領域をカバーしきれないので相互に助け合おうということで始まったはずなのに、予算がないからやめようなどという発想がどこから出てくるのかわかりません。

 同じように、北大では通常の講義の非常勤もゼロにすることを目指しているようで、できれば2006年までにはなくして欲しいというのが当局の本音のようです。

 しかし、どうやらそれはできなさそうと見ているのか、そんなことは無理なのでやはり非常勤は雇い続けるということなのか、非常勤講師の給料をひねり出すために常勤教員を恒常的に定員以下に抑えておくという作戦に出たようです。

 法人化してからは、国からは定員分だけ人件費が来るのだそうで、教員を定員以下に抑えておくと予算が浮くので非常勤を雇う財源になるということらしいです。

 その手が使えるのなら、いっそのこと教員の半分くらいを非常勤にしてしまうのも良いかもしれないですね。さらに言うなら、全員を非常勤にしてしまってはどうでしょう。

 ・・・・・・そうか、文科省の言っている時限付き採用というのはこれだったのですね。

 なるほど、財源をコントロールすると言うことは、おもしろいほど意のままに大学を動かすことができるということのようです。すごい。やはり、日本の官僚はただものではないことが良くわかりました。

 しかも、この方法だと「非常勤を切れ」とか「全員を非常勤にしろ」とかについては文科省が直接命令・指導しているわけではありませんから、なにか問題が起こった時にも責任は各大学にあることになりますので、文科省はいっさい責任を問われないという構造になっているのですね。

 確かにすごいと思いますが、そのすごさが日本の教育を良くするために使われていると言うよりは、日本の教育機構を支配するためだけに使われているというところが残念ですね。せっかく才能を持っているのですから、何で正しいことに使わないのでしょう。もったいない。
by stochinai | 2004-12-19 00:00 | 教育 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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