2005年 06月 12日 ( 1 )
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2005年 06月 12日
マリンペスト
「素敵な宇宙船地球号」という番組を見ました。
タスマニアの海では、貨物船のバラストに運ばれて日本から移入されたマヒトデやワカメが大繁殖しているとのことです。
海の害毒生物ということで、マリンペストと呼ばれています。
皮肉なことにヒトデは、現地で日本人が経営しているホタテの養殖産業を壊滅的に破壊してしまったということでした。ホタテが日本から持ち込まれたものかどうかは聞き逃しましたが、マヒトデは日本産のものが移入されたものに間違いないようです。
外国の地で、日本人と日本のヒトデが戦っていると聞くと、いろんな意味で複雑な思いがしました。
さらに、タスマニアの海で日本に輸出するためとして大量のロブスターが捕獲された結果、ロブスターを天敵とするバフンウニが大量に増えて現地の海藻を壊滅的に食べてしまったそうです。そこに、ヒトデと同じように日本原産のワカメが大繁殖しているのだそうです。
赤道を挟んで反対側にあるタスマニアの自然や産業に、日本という国がとても大きな影響を与え続けているということは初めて知りましたが、彼の地はもはや環境的にも産業的にも日本と密接につながっている地域になってしまったようです。
いったん増えすぎてしまったヒトデは撲滅するのはとても無理ということで、ホタテの養殖から撤退すると日本の業者は言っていました。そして、今度はムール貝の繁殖にチャレンジするということです。次はまた違う外敵を殖やしそうな悪い予感がしました。
ワカメに関しては、その根元の部分(メカブですね)に薬効成分があることを現地の研究者も認識しており、害藻から一転して薬藻になる可能性が出てきました。
番組では出てきませんでしたが、増えすぎたウニも日本に輸出すれば良いのではないかと思いました。
この番組を見ていて、人間の活動による世界中の動物・植物相の変化を止めることは、もはや不可能だと思いました。
そのような拡散をできるだけ防ぐことを目指すことも、無駄だから止めた方が良いとまでは思いませんが、入ってしまった移入生物に関してはもとに戻すなどということを考えるよりは、もはやそこに居るものとして研究することと、できるならばそれらを積極的に利用することを考えるという方向を模索するのが建設的かもしれないと、ちょっと敗北的ではありますが、現実的なことを思わせられた番組でした。
タスマニアの海では、貨物船のバラストに運ばれて日本から移入されたマヒトデやワカメが大繁殖しているとのことです。
海の害毒生物ということで、マリンペストと呼ばれています。
皮肉なことにヒトデは、現地で日本人が経営しているホタテの養殖産業を壊滅的に破壊してしまったということでした。ホタテが日本から持ち込まれたものかどうかは聞き逃しましたが、マヒトデは日本産のものが移入されたものに間違いないようです。
外国の地で、日本人と日本のヒトデが戦っていると聞くと、いろんな意味で複雑な思いがしました。
さらに、タスマニアの海で日本に輸出するためとして大量のロブスターが捕獲された結果、ロブスターを天敵とするバフンウニが大量に増えて現地の海藻を壊滅的に食べてしまったそうです。そこに、ヒトデと同じように日本原産のワカメが大繁殖しているのだそうです。
赤道を挟んで反対側にあるタスマニアの自然や産業に、日本という国がとても大きな影響を与え続けているということは初めて知りましたが、彼の地はもはや環境的にも産業的にも日本と密接につながっている地域になってしまったようです。
いったん増えすぎてしまったヒトデは撲滅するのはとても無理ということで、ホタテの養殖から撤退すると日本の業者は言っていました。そして、今度はムール貝の繁殖にチャレンジするということです。次はまた違う外敵を殖やしそうな悪い予感がしました。
ワカメに関しては、その根元の部分(メカブですね)に薬効成分があることを現地の研究者も認識しており、害藻から一転して薬藻になる可能性が出てきました。
番組では出てきませんでしたが、増えすぎたウニも日本に輸出すれば良いのではないかと思いました。
この番組を見ていて、人間の活動による世界中の動物・植物相の変化を止めることは、もはや不可能だと思いました。
そのような拡散をできるだけ防ぐことを目指すことも、無駄だから止めた方が良いとまでは思いませんが、入ってしまった移入生物に関してはもとに戻すなどということを考えるよりは、もはやそこに居るものとして研究することと、できるならばそれらを積極的に利用することを考えるという方向を模索するのが建設的かもしれないと、ちょっと敗北的ではありますが、現実的なことを思わせられた番組でした。
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by stochinai
| 2005-06-12 23:55
| 生物学
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