2005年 06月 17日 ( 2 )
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2005年 06月 17日
病院は危険
院内感染により患者さん4人がC型肝炎になった可能性があると札幌医大病院が発表(共同)しました。
病院というのは、もともと病気の患者さんの多いところですから、伝染性の感染症に関していえばもっとも危険性の高い地帯です。もちろん、医師や看護士など病気に関するスペシャリストもいますから、危険地帯でありながら、感染の拡大は通常抑え込まれています。
しかし、プロといえども人間ですので、スキもあればミスも必ず起こりますので、時として院内感染が広がることがあります。そうした場合に事故を隠すのではなく、速やかに発表するとともに対策を取ることが、被害を最小限に留めておくことと、社会的信頼性の獲得に大いに役立ちます。
C型肝炎は血液を介して感染すると考えられています。今回のウイルスに関しても遺伝子解析をすることで、同じウイルスに感染したのか、それとも別のルートでの感染がたまたま同時に起こったのかということを信頼性高く判断することができます。
遺伝子解析は今やいろいろなところでできますし、もちろん札幌医大でもできるのですが、その解析を「外部機関に依頼した」というところも、正しい対応と言えます。内部で解析して、「それぞれのウイルスが別々の感染経路でもたらされたものである可能性が高く、いわゆる院内感染としての病院側の責任は大きくない」などという結論を出しても全然説得力がありませんが、外部機関が同じ結論を出してくれたなら、比較的容易に信頼されると思います。
さらに、院内感染防止委員会の下に、外部委員を加えた調査委員会を設置するという対応も好感を持たれるでしょう。
横田めぐみさんのDNA鑑定の時や、JR西日本の事故の時にも、こうした冷静で客観的な対応が速やかに取られたならば、その後の展開はずいぶん違ったものになったような気がします。
院内感染は不幸な事件ですが、札幌医大の対応には共感が持てました。
病院というのは、もともと病気の患者さんの多いところですから、伝染性の感染症に関していえばもっとも危険性の高い地帯です。もちろん、医師や看護士など病気に関するスペシャリストもいますから、危険地帯でありながら、感染の拡大は通常抑え込まれています。
しかし、プロといえども人間ですので、スキもあればミスも必ず起こりますので、時として院内感染が広がることがあります。そうした場合に事故を隠すのではなく、速やかに発表するとともに対策を取ることが、被害を最小限に留めておくことと、社会的信頼性の獲得に大いに役立ちます。
C型肝炎は血液を介して感染すると考えられています。今回のウイルスに関しても遺伝子解析をすることで、同じウイルスに感染したのか、それとも別のルートでの感染がたまたま同時に起こったのかということを信頼性高く判断することができます。
遺伝子解析は今やいろいろなところでできますし、もちろん札幌医大でもできるのですが、その解析を「外部機関に依頼した」というところも、正しい対応と言えます。内部で解析して、「それぞれのウイルスが別々の感染経路でもたらされたものである可能性が高く、いわゆる院内感染としての病院側の責任は大きくない」などという結論を出しても全然説得力がありませんが、外部機関が同じ結論を出してくれたなら、比較的容易に信頼されると思います。
さらに、院内感染防止委員会の下に、外部委員を加えた調査委員会を設置するという対応も好感を持たれるでしょう。
横田めぐみさんのDNA鑑定の時や、JR西日本の事故の時にも、こうした冷静で客観的な対応が速やかに取られたならば、その後の展開はずいぶん違ったものになったような気がします。
院内感染は不幸な事件ですが、札幌医大の対応には共感が持てました。
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by stochinai
| 2005-06-17 23:07
| 生物学
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2005年 06月 17日
反アカハラNPO
大学教員の日常・非日常さんのところで知りましたが、アカデミック・ハラスメントをなくすネットワークというNPOがあるのだそうです。
権威を大切にする学問を扱う大学というところは、存在そのものがアカハラであると言っても良いところがありますが、研究室などでいろいろと困ったことになっている人も多いと思います。
だからといって、このネットワークに泣きついて事が解決するかというと、そう簡単にいかないからこそ悲劇が絶えないのでしょう。
とりあえず、困った時にはこのネットワークのリンク集が参考になるかもしれません。
また、このリンク集の最後を見ると、驚くほど多くの大学が研究・教育機関によるハラスメント防止対策宣言、ガイドラインや規定を持っていることがわかりますが、逆にいうと全国各地の大学にこんな立派なものがありながら、それが全然有効に働いていないということも推測されるというところが悲しい皮肉になっています。
権威を大切にする学問を扱う大学というところは、存在そのものがアカハラであると言っても良いところがありますが、研究室などでいろいろと困ったことになっている人も多いと思います。
だからといって、このネットワークに泣きついて事が解決するかというと、そう簡単にいかないからこそ悲劇が絶えないのでしょう。
とりあえず、困った時にはこのネットワークのリンク集が参考になるかもしれません。
また、このリンク集の最後を見ると、驚くほど多くの大学が研究・教育機関によるハラスメント防止対策宣言、ガイドラインや規定を持っていることがわかりますが、逆にいうと全国各地の大学にこんな立派なものがありながら、それが全然有効に働いていないということも推測されるというところが悲しい皮肉になっています。
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by stochinai
| 2005-06-17 19:51
| 大学・高等教育
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