5号館を出て

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2005年 11月 13日 ( 1 )

札幌到着

 ワークショップは午前中に終わっていたのですが、安売りチケットを購入していたため変更ができず、しかたなく名古屋で少し、セントレア空港で少し時間をつぶしていました。名古屋は20℃、帰り着いた千歳は3℃でした。

 さて、名古屋駅からセントレア(中部国際空港)へ向かう名鉄の「ミュースカイ」は最短28分です。快速特急は全席指定で乗車券が850円、指定券ミューチケットが350円で計1200円ですので時間の割にはちょっと高めの感じもしますが、新しい車輌の乗り心地は快適です。おまけに、走行中の前方風景がリアルタイムでディスプレイ表示されるサービスはなかなか楽しいです。
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 空港は噂通りのテーマパーク状態で、飛行機に乗らないと思われる人がこんなにたくさんあふれている空港もあまりないと思いましたが、新しい空港の運営方法を示しているかもしれません。
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 結構寒かったにもかかわらず、飛行機の離発着を間近に見られる屋外のスカイデッキには何百人もの人が出ており、歓声をあげながらかなり長い時間見物しているようでした。天気がいまいちだったのですが、晴れていると伊勢湾に沈む夕日を眺める絶好のポイントにもなるということで、地の利を生かした観光空港になっているようです。

・・・・・・

 肝心のSTS学会ですが、学会で扱う学問という見地からみるとまさに素人である我々、現役の新聞論説委員、元フリーライター、生物科学者、元テレビ・ラジオディレクターが話題を提供したものにしては、それなりにおもしろいワークショップになったのではないかと思います(自信過剰でしょうか)。まあ、多少の不完全燃焼感は残ったものの、予定の2時間では消化しきれないくらいの質問やコメントもいただき、「シビック・ジャーナリスト」のあり方に学ぶ、「科学技術コミュニケーション」という方向は間違ってはいないという感触は得ました。

 ワークショップでは、最初に河北新報論説委員のT島さんがフルブライト奨学金を獲得して行かれたアメリカ留学で見聞きしたアメリカのジャーナリズムの現場を紹介され、新聞が市民から離れてしまって市民は自分たちのことを議論する「場」を失ってしまった。シビック・ジャーナリズムはそれを取り戻す運動であるのだ、ということを報告していただきました。

 それを受けて元フリーライターのN波さんは、自分が中心になって立ち上げた数冊の「がん患者のための雑誌」が、まさにがん患者のみなさんが交流し、がんと立ち向かうために情報を交換したり、話し合ったりする「場」となることができたという実践が報告されました。そこでは、旧来のその手の雑誌が医師や科学者が患者さんに伝わらない記事を載せていた頃とはまったく違う、新しいコミュニケーションが始まっているとのことです。

 それに続いて私が、市民が様々な課題を巡って議論したり、コミュニティを作って科学を中心としてコミュニケーションしたいというような場合に、ブログというものが非常に簡単に素晴らしい「場」を提供してくれるツールになりうることを紹介しました。ただし、ブログをきちんと機能させるためには、その管理に誠実さとノウハウが必要であり、管理する人間の意識と行動がしっかりしていないと失敗する可能性も高いという危険性も指摘しておいたつもりです。

 最後に元放送ディレクターが、ジャーナリストが腐敗した第一の原因は、誰のために報道するのかということを忘れ、多くのジャーナリストが会社における自分の地位ばかりを考え、自分の将来を決める人間や組織に気に入られるような記事ばかりを書いているせいだと鋭く指摘して、そんな記者の書くニュースの危険性を実例をあげて紹介してくれました。そういう現状を打破するために、普通の市民のための報道あるいは報道批判をするためのツールとしてブログは力を発揮する可能性があるのではないか、ということも指摘していました。

 その後に行われた質疑応答は、まあそこそこのものだったと思いますが、会が終わってから私だけに関しても東工大や早稲田大学、東大で科学コミュニケーションの教育にかかわっておられるスタッフや受講生の方々とコンタクトが取れたのは大きな収穫だったと思います。どこかには、こうして科学コミュニケーション教育などを開始した大学を競争させて、生き残るところだけをなんとかしようと考えている人や勢力がいるのかもしれませんが、私としては他大学とも連携しながら最高のものをみんなで作り上げて行けばよいと思っています。内閣官房方面からの方までいらっしゃっており、今までとは違った新しいコミュニケーションが直接政府を動かすなどという可能性もないわけではないという気もしました。

 どうしても学会などは時間の制約がありますので、いずれまたという話になるのですが、先日のサイエンスカフェではうまく伝えられなかった「議論の続き、話の続きはブログを通じてやりましょう」という話も出すことができました。

 今後は、いろんな会が「続きはブログに移行して行います」という締めくくりの言葉で終わる時代がくるような予感を感じたワークショップでした。

 主催者、発表者、参加者のみなさん、お疲れさまでした。

 続きはブログで行います。
by stochinai | 2005-11-13 21:35 | CoSTEP | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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