5号館を出て

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2006年 06月 21日 ( 1 )

早期退職する教員

 先ほど7時半からやっていたNHKのクローズアップ現代を、見るともなく聞いていましたが、公立学校(小中学校?)の先生の5割以上(7割くらい?)が、退職年齢を迎える前に辞めているのだそうです。

 別に不思議とは思いませんでした。私も経済的になんとかなるのならば、辞めても良いというか辞めたいと思っている人間のひとりです。

 今の日本の教育現場は、そこで働いている人間の意欲をそぐことのほうが、励みになることの100倍くらい多いという実感があります。

 教育現場に限らず、誰だってまだ元気のあるうちに退職して、楽しいリタイア生活を送りたいと思うのではないでしょうか。ましてや、職場にあるのは上と下からのプレッシャーで、給料も年々下がっていくし、大学あたりだと働く意欲をかきたてるかなりの部分を占める研究をするための資金が毎年10%くらいの勢いで減少しているのです。私のまわりを見渡しても、辞めたいということを思ったことのない人を探すのが困難だという実感があります。

 それでも辞めないのは、生きて行けないからです。

 昔、アメリカの大学の先生と話したときには、できるだけ早く退職して人生を楽しむのが幸せというものなのだとおっしゃる人が多かったように思います。その頃は私も若かったですし、日本のだ大学もこれほどひどくなかったですからいまいちその気持ちを理解することが出来なかったのですが、今ならとても良くわかります。

 もう命の火が消えようとする頃になってようやく働かなくても生きていけるようになったとしても、それがなんだというのでしょう。なるべく、早くに辞めることができる方が幸せというものではないでしょうか。

 もちろん、今の私は普通に生活するのに不自由しないくらいの給料をもらっており、それが公務員的優遇だと言われれば、そうかもしれませんとお答えします。しかし、どこかの総裁のようにどうせ使わない1千万円を寄付のような形で誰かに預けて、それが2.5倍になって戻ってくるなどという生活ができるほどの給料などもらっているわけではありません。

 それでいながら、政府関係機関からは運営交付金や給料を着々と減らされている上に、いろいろとやらなけらばならいサービスの要求が増えています。さらに「国民の皆さま」からは、「公務員」は働きもせずにたくさんの給料をもらいすぎているので減らせというような圧力もかかってきています。

 小学校や中学校の先生だと、その上に子供たちを清く正しく美しく、そして上級の学校に入学できるような学力をつけることも要求されている毎日なのだと思います。

 辞めたいと思っても何の不思議もありません。

 もちろん、辞めることで給料がもらえなくなるわけですが、そのことよりも辞めることを選ぶ人が大多数になっている職場、しかもそれが初等・中等教育を担当する先生たちの職場だというこの国って大丈夫なのでしょうか。

 もちろん、大丈夫じゃないですよね。
by stochinai | 2006-06-21 22:56 | 教育 | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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