5号館を出て

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2006年 06月 30日 ( 1 )

 今日は久しぶりに、全学教育の学生実験を担当しました。解剖なのですが、昨年までやっていたラットの解剖に変わって、今年からはなんとイカの解剖です。ラットの解剖なら今までに何十匹もやっているので、目をつぶっていてもできる気分なのですが、実をいうとイカを真面目に解剖したことはありませんでした。そこで、一昨日に他の先生がやっている実験を見学させてもらってから、にわか勉強をして、本番に臨んだというわけです。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_22512018.jpg
 一昨日、昨日と勉強してみてわかったのですが、イカの解剖というのは日本だけではなく世界的に解剖入門としてはかなりポピュラーなものらしく、ネットで探してもたくさん見つかります。その他、イカに関する情報はなかなか豊富で時間の経つのを忘れて楽しく勉強させてもらいました。

 上の写真でわかるように、使ったスルメイカを始めイカは10本の脚(ゲソというのは下足が語源だって知ってました?)のうち2本が特に長く、まさに手のようになっています。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_22543645.jpg
 この手のような触脚には「歯」のついた吸盤があり、かなり強力な武器になることが見て取れます。

 お刺身にするときには、下の写真のように「頭」の部分(外套膜)を切り開き、見えてくる内臓は捨ててしまうのですが、良く見ると塩辛を作るときに使う大きな肝臓(中央に大きく見えるメタリックに光るもの)以外にもいろいろと臓器があることがわかります。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_2258747.jpg
 取りあえず、肝臓以外に食用に使う可能性のあるものは肝臓の右側に細長く密着して見える黄色くメタリックに光る墨袋(墨汁嚢)でしょうか。何人かの学生が、この袋を開いて手を真っ黒にしていましたが、イカ墨のいい匂いがするという感想もありました。

 これはメスの個体ですが、オスメスを見分けるのに、内臓を開かなくても一番上の写真で1対だけ裏向きになって白く見える脚の様子(オスでは太く、先に吸盤がない生殖腕になっています)で見分けられることも学びました。

 調べてまた実際にやってみて。イカの解剖は台所で気軽にできる生物学実験として、なかなかおもしろいテーマであることを発見しました。今度、小学生からお父さんお母さんまでみんなで実習できるサイエンスカフェとしてやってみたいと思いました。終わったらバーベキューパーティができるというところも、おすすめの材料ですね。

 さて、6時過ぎまで実習をやった後は、8時から一部では「オカフェ」あるいは「岡フェ」と呼ばれる、超少人数で行われるサイエンスカフェを語る「メタ・サイエンス・カフェ」に参加させてもらいました。こちらは、実習で疲れた喉をビールでいやしながら、脳の中をリフレッシュさせてくれる有意義なものでした。内容はあまりにもすごいアイディアが続出したので、企業秘密ということにしておきましょう。

 カフェは10時に店を追い出されてお開きになったのですが、帰る道すがら追い出されなかったら朝までしゃべりそうな勢いだったので、追い出されて良かったねと語りながら、今日一日が終わるのでした。

 メタカフェに向かう直前に、火事かと思われるほど真っ赤な夕焼けになっていたので、思わずデジカメを取り出してしまいました。今日の最後の1枚とします。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_23131084.jpg

by stochinai | 2006-06-30 23:22 | 大学・高等教育 | Comments(15)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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