5号館を出て

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2007年 01月 05日 ( 1 )

 ポスドク1万人計画が始まって10年以上経ったと思います。そろそろ、本気で対策を考えなければならないはずです。

 というわけで、提案があります。国立大学の教員1万人に早期退職優遇措置を行って、そのあとに1万人のポスドクを大学に就職してもらってはどうでしょう。

 今や、大学教員への風当たりもとても強くなってきており、中年哲学徒さんの情報によると、指導力不足の大学教員をたたき直すために教員研修(FD=ファカルティ・ディベロップメント)を義務づけることになったのだそうです。

 つまり、文科省としては今の大学教員のほとんどが満足できる教育能力を持っていないと判断しているということでしょう。まあ、そもそも大学教員には教員免許もなく、採用される際に教育能力の判定をされるということもほとんどないのが大学教員採用の実態ですから、そうなっても不思議はないのですが、それがいわゆる研修程度でなんとかなるものでしょうか。中年哲学徒さんは極めて懐疑的です。
 現時点でまともな教育ができない教授にどうやって講義を改善せよというのか。できるものなら、とっくにやっているだろう。
 はははは、まったくですね。

 新聞記事を良く読んでみると、なんとこれは改正教育基本法を実現するための施策のひとつだとまで書いてあります。こんなところから始まるとは気がつきませんでした。
 昨月22日から公布・施行した改正教育基本法では、第9条で教員の「養成と研修の充実」を新たに明記。中央教育審議会でも大学設置基準の改正を了承した。教員全員が研修を受けた場合は、大学が約16万2000人、短大が約1万2000人(平成17年5月時点)の規模となる。
 これだけの数の教員全員に研修を義務づけるとなれば、それを教えるプロの教育者が必要になるわけですが、そもそも大学教育のプロというものがいないのが、今の大学だという気がしますから、どうするんでしょうね。今までのように、各大学に命令だけしても、ちょっと実行不可能だと思います。予備校にでも頼むのでしょうか。

 また、例によって大学がお金をよこせと言っているようでもあります。

 大学側が設置する同様のセンター(5号館注:北海道大など7大学にあるというFDに関する「大学教育センター」)のうち、専任の教職員を置いているのは半数程度にとどまり、専門スタッフの不足が懸念されている。中教審の委員からも「FDのリーダーとなる人材がいない」「個々の大学での努力では限界がある」と財政支援を求める声がある。
 このため、文科省では国立大学を中心に設置されている同様のセンターをFDの拠点として積極的に支援していくことを今後、検討する考えだ。
 というわけで、お金もかかりそうだし実効性も極めて疑わしい年寄りに対するFDよりも、若いポスドクの方々に就職の際の前提として教育訓練をしっかりと受けてもらって、大学に戻って来てもらってはどうでしょう。

 今さら教育されるのはまっぴらゴメンだという大御所の先生方も、優遇措置があるのならば1万人くらいすぐに手があがりそうだと思います。長い目で見たら、そちらの方がベターではないでしょうか。

 えっ、私ですか? もちろん、条件によっては喜んで引退させていただきます!
by stochinai | 2007-01-05 22:36 | 大学・高等教育 | Comments(11)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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