5号館を出て

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2007年 04月 17日 ( 2 )

 昼に書いた下のエントリー「バージニア工科大学の惨事」の最後にこう書きました。
 いずれ犯行の理由も明らかになるのかもしれませんが、いずれにしても銃が簡単に手に入る社会であることと、現に戦争をやっていて国民の心が荒んでいるということと無縁とは思えません。
 それから、たった半日しか経っていないつい先ほど、再選を目指して選挙運動中の伊藤長崎市長さんが、背後から銃で撃たれて病院に運ばれたという衝撃的なニュースが飛び込んできました。

 日本でも銃がかなり簡単に手に入るようになっているという話は聞いていたのですが、それはあくまでも裏社会の話だと思っていました。それが公衆の面前で、しかも選挙運動中の政治家が至近距離から銃で撃たれるというのは、2重3重の意味で重苦しい気分になります。

 ひとつは、日本も「銃が簡単に手に入る社会」になってきたということ。それ以上に、政治家に対するテロ行為(つまり言論の封殺)として銃が使われるということの恐怖です。

 国会では、政府自民党・公明党が数にものを言わせて、野党の意見を封殺して憲法改正に走ろうとしています。長崎市長は反核運動の先頭に立って、アメリカなどの「自由主義国」を含む核を持った国に対する抗議運動を続けて来られた人です。

 伊藤市長さんが、憲法改正に関してどのような意見をお持ちなのかはわかりませんが、反戦・反核の立場を貫かれており、今回の狙撃がそのことと無関係ではないのではないかという気がしてなりません。

 長崎では17年前にも、当時の長崎市長の本島さんが右翼団体所属の男に至近距離からピストルで撃たれるという事件が起こっていますので、警察は反戦派の市長や候補を厳重に護衛すべきだったと思うのですが、このようなことになってとても残念です。

 今、政府は憲法を改正し、自衛隊を戦闘行為ができる普通の軍隊にしようとしています。今回のテロリストは、山口組の組長代行だと名乗っているとニュースで言っていますが、やくざの抗争の中で市長が狙撃されることはあり得ませんし、選挙運動中の市長を抗争中の相手と人違いをしたということも極めて考えにくいところです。

 もちろん憲法改正に反対する政治勢力だからといって、自民党や公明党が直接にこのようなテロに関係しているはずはあり得ません。ただ、昨今の日本の「雰囲気」を考えると、日本では多数派の意見は憲法改正であり、核武装賛成であるというようなことを感じた人間が、銃を手にして邪魔な少数派を抹殺しようと考えることはあり得ることだと感じられます。

 そういう雰囲気の中で、銃などの武器が手に入りやすくなっているのだとしたら、今の日本はすでにバージニア工科大学と同じような事件が起こっても不思議がない物理的・社会的状況になってしまっているのかもしれません。簡単に銃が手に入り、人の心が荒んでいると言わざるを得ません。

 至近距離から狙撃された伊藤さんは、心肺停止状態だそうです。これが、60年以上続いた平和な戦後日本の息の根を止める銃弾になってしまうことを心から恐れます。

 ここで目が覚めないようなら、もう日本は終わりでしょう。

 かなり危機的状況だと思いますが、伊藤さんの回復を心から祈ります。
by stochinai | 2007-04-17 21:36 | つぶやき | Comments(5)
 ぜのぱすさん(GREEのメンバーでない方はこちら)が留学しているバージニア大学の隣にあるバージニア工科大学でとんでもない事件が起きました。

 バージニア工科大で乱射、32人死亡 米最悪の銃撃事件
 大学の記者会見などによると、最初の事件は同日午前7時15分(日本時間午後8時15分)ごろ、キャンパス南部の学生寮「ウェスト・アンブラー・ジョンストン」で発生し、学生2人が撃たれて死亡した。続いて午前9時半ごろに、キャンパス北部の教室棟「ノリス・ホール」に拳銃と大量の弾薬で武装した男が侵入。複数の教室などで発砲し、確認できただけで30人の学生・教員らが死亡、容疑者も自殺した。
 犯人を含め33名もの死者が出ているようです。いまだに犯人像も明らかになっていないのですが、大学当局および学生新聞がウェブにおいて非常に速やかに情報提供を行っているのが、さすがにアメリカはコミュニケーションの国だと思わせられます。

 大学当局は、大学のホームページを使って、教職員・学生や関係者(被害者の家族など)に現状の説明をするとともに、今後の大学の動き、および彼らがどのように行動をしたらよいかの指示を矢継ぎ早に出しています。

 もし、日本の大学で何かが起こったとしても、速やかにホームページを使って情報提供できるところなどがあるでしょうか。せいぜい、何ヶ月か後に一片の事件の報告が載るくらいでも上出来というところではないかと感じられます。

 また、事件の悲惨さはさておいて、すでに下の写真のような「デザイン的にも優れた」事件の特別サイトを立ち上げて情報提供をしている学生新聞の素早さおよびセンスの良さにも舌をまきます。
バージニア工科大学の惨事_c0025115_12159100.jpg
 コミュニケーション能力というのは、こうした危機に対して素早く発揮されてこそ生きるものだということを感じさせられます。

 事件現場が示された大学の地図もあり、臨場感がひしひしと伝わってきます。
バージニア工科大学の惨事_c0025115_12175372.jpg
 いずれ犯行の理由も明らかになるのかもしれませんが、いずれにしても銃が簡単に手に入る社会であることと、現に戦争をやっていて国民の心が荒んでいるということと無縁とは思えません。

 犠牲になられた学生のご冥福を心から祈ります。社会に出る前に、こんな形で終わらされてしまう人生はたまりませんね。
by stochinai | 2007-04-17 12:28 | 大学・高等教育 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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