5号館を出て

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2007年 04月 25日 ( 2 )

 うちの大学(北海道大学)の話なので、知らんぷりをするわけにもいかないので、記録のために書いておきます。

 私は同じ大学にいながら、この先生が誰なのかはまったく知りません。報道によれば50歳代後半ということですので、ひょっとしたら顔見知りである可能性は否定できませんが、ほんとうに知りません。停職1ヶ月ということなので、今か突然一ヶ月休講になった先生ということで、学生にはすぐ知られてしまうでしょう。

 今のところ、北海道新聞がもっとも詳しい記事を書いているようです。

 北大教授が300万円流用 架空発注など、停職1カ月(04/25 14:26)
 北大によると、教授は札幌市内の特定の実験物品納入業者に架空の物品を発注した。その上で、代金の九割に当たる百六十八万円を「寄付金」として教授に戻させていた。
 これは、かなり悪質かもしれません。業者も1割のリベートを取っているようなので、こちらも黒ですね。このお金を何に使ったのかが、大問題だと思いますが、そこは明らかにした上で処分をどうするのかを決めたのでしょうか。私としては停職1ヶ月はかなり軽い処分だと思いますので、このお金を「正しい」目的(つまり研究・教育)に使ったのだと信じたいところですが、もしも記事にあるように「全額返還した」から罰を軽くしたというのなら、北大当局も「共犯」と言われても反論できない気がします。
 また、研究室の学生にいったんアルバイト代を渡した上でその全額百三十一万円を返還させ、学生の旅費や学会参加費に流用した。
 これに関しては、私は同情的です。当時、大学院生を学会などで発表させようとしたら、このようにお金を捻出することは、少なくとも北大では広く行われていたと思います。これが処罰の対象になるのだとしたら、全教員の90%くらいを処分しないとフェアではないのではないかというふうに感じます。新聞にはとんでもないことというニュアンスで書かれているものの、北大当局としてはこの点に関しては情状酌量したというのならば、納得できますが。
 また、カラ出張で五万円を不正受給し、私的に着服していた。
 本当に私的に着服していたのなら、問題外です。懲戒免職にして欲しいところです。
 昨年五月に大学に不正を告発する投書があり、大学が調査を進めていた。教授はすぐに事実を認め、業者側が受け取った分を含めて返還した。
 これは、最近ここで話題になっているアカハラと関係がある内部告発であるようなにおいを感じます。告発されると言うことは、先生と学生あるいはポスドクとの人間関係がかなりまずかったことを意味しているような気がします。
 北大は再発防止策として本年度から納品・受付センター(職員十四人)を新設した。その上で、納品時にセンターの職員が教官の発注書と納品される現物を確認して受け渡す仕組みにした。
 これは要するに取り締まりを厳しくするという対策ですが、もう一方で根元的に教員が不正をせずとも充分な教育・研究ができる体制を保証するのが正しい管理の仕方だと思うのですが、そういう意味での対策については何も書かれていませんし、実際に大学で何が行われているのかということを説明する義務が大学にはあると思います。

 副学長談話の「これまでは教官を信頼し、不正をしようと思えばできる仕組みだった」というのは、ちょっとひっかりますね。これからは、教員を信頼することをやめるとも取れますが、ほんとうにそれで大学がうまくいくものでしょうか。角を矯めて牛を殺すようなことにならないことを望みますが、すでに牛は死んでいるという説も出ていることを最後に書き留めておくことにします。
by stochinai | 2007-04-25 23:12 | 大学・高等教育 | Comments(4)

頭を冷やして早春便り

 数日前から議論が続いている、大学院進学、研究室選び、研究教育指導、就職、ポスドク、研究室ボス(PI)の責任などなどに関しては、ここを含めてあちこちで書かれたブログエントリーや、それにつけられたコメントをご覧いただければ、かなり充実した議論が交わされていることがわかります。

 現段階では、あえてまとめることはしないでおきますが、ここに寄せられたトラックバックをたどったり、さらにそこからトラックバック先をたどっていくことによって、大きく分けてふたつの代表的な意見を見つけることができます。学生・大学院生・ポスドクの自己責任論と、研究室の責任者の教育責任論は、こうした議論の時には常に出てくる議論で、どちらも間違ったことではないと思います。

 ただし、なぜ今こうした古くからある問題が大きくクローズアップされるのかというと、それは今までにない大人数の大学院生と博士・ポスドクが生み出されていることと、それを吸収する受け皿について社会の側も学生の側もどうしたら良いのかとまどっているということがあるのだと思います。

 こうなる原因を作った、過去の教育政策を批判することは比較的簡単なことなのですが、批判したところで今ここにいる多数の博士・ポスドクと、続々と誕生している大学院生の問題が解決するわけではありません。どうしたら解決するのかについては、政府機関にも動いてもらわなくてはならないこともあり、短時間で解決するものとは思われませんので、息の長い議論を続けていきたいと思います。


 というわけで、ちょっと頭を冷やすためにも、札幌の「早春便り」をお届けします。

 昨日は最高気温が18℃という初夏並みの気温だったせいか、我が家のモクレン(マグノリア)の花芽もどんどん膨らみ、今朝はついに花びらがのぞき始めました。
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 スイセンも真っ盛りです。
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 地面に目をやると、秋から雪の下に放置されていたホオズキの袋が、葉脈だけになっているのを見つけました。なかなか芸術的です。
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 最後は、今年遊ぼうと密かに狙っている生ゴミ植物園の主役たちです。左から右回りに、ダイコン、キャベツ、ミズナ、ハクサイです。
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 見つかると捨てられるので、こっそり(?)育てています(^^;)。
by stochinai | 2007-04-25 21:51 | 札幌・北海道 | Comments(5)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai