5号館を出て

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2007年 09月 24日 ( 1 )

求人の年齢制限の禁止

 10月1日に改正雇用対策法が施行されます。改正内容は厚労省の資料によると要するにこういうことです。
求人の年齢制限の禁止_c0025115_23405578.jpg
 読売ニュースによると、「ハローワークでの求人だけでなく、民間の職業紹介や求人広告でも、『年齢の壁』が取り除かれる。中高年や30歳を超えた年長フリーターなどの就職機会を広げる狙いだ」とのことです。

 もちろん、ここで取り上げているのですから、私の頭にはポスドク問題があります。ポスドクの雇用に関しては、35歳くらいを境に新たなポスドクに雇用されにくくなるという「噂」もありますし、大学の助手・助教の採用に関しても、35歳くらいが採用の山場あるいは厳しくなり始める年代という認識があるのではないでしょうか。

 それが、今後はこうなります。
求人の年齢制限の禁止_c0025115_23455392.jpg
 実は今までの雇用対策法でも、「募集や採用時の年齢制限をなくすこと」が、企業の努力義務とされていたようなのですが、違反することは違法でもなんでもありませんでしたから、ほとんどの求人広告には採用年齢制限や希望年齢が書かれていたと思います。今後は、罰則はないもののそうした行為はすべて「違法」となり、行政指導が行われることになります。

 ただし、やはり例外も設定されています。
求人の年齢制限の禁止_c0025115_23503614.jpg
 なかなかわかりにくいのですが、読売さんが解説するとこうなります。
 例外的に年齢制限が認められるのは、合理的な理由がある場合だけだ。具体的には、定年が60歳である企業が「60歳未満」と明記したり、演劇の子役として「10歳以下」に限定して募集したりする事例に限られる。
 特に期限付き雇用の場合には年齢制限が厳しく禁止されているようなので、ポスドクや最近多くなっている期限付きの教員・研究員の雇用に関しては年齢制限をすることはできなくなります。

 そして、たとえテニュアの採用だとしても年齢制限できるのは定年以下ということなので、任期なしの助教だとしても大学の定年が65歳であるならば、「65歳以下」以外の制限をつけることはできなくなると理解されます。

 ポスドクの高齢化が問題になっている現在、この年齢制限の撤廃が一縷の希望になってくれることを期待したいところです。

 ただし雇う側にも言い分はあるでしょうから、この法律と表裏一体として、「同一労働同一賃金」も受け入れなければならないような気がします。つまり、25歳のポスドクでも35歳のポスドクでも、同じ仕事をするならばほぼ同じ給料ということにすることです。雇う側としては、同じ仕事をさせるならば、より給料が安い方を選んでしまうことは当たり前でしょうから、これは致し方ないと思います。

 もうひとつ、3号のニに書いているように、「特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る。)の対象となる者に限定して募集・採用する場合」には、逆差別をすることも許されるという一項も気になります。たとえば35-40歳のポスドクの採用を積極的に行うという国の施策が出てきたならば、その人たちを優先的に採用する求人は可能だということです。

 政府がポスドク1万人計画の過ちを認めて、この法律を逆手にとった雇用政策を打ち出してくれることも期待したいところです。(官庁などの採用に関しては、そんなことを言っていたような記憶もあります。)
by stochinai | 2007-09-24 23:55 | つぶやき | Comments(16)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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