5号館を出て

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2007年 10月 01日 ( 1 )

 相撲部屋で「教育」「訓練」「愛のムチ」と称して、新弟子をしごき殺したという事件がありました。そのことの前近代性や愚かしさについては、言うまでもないことなのですが、それ以上に文科省が相撲の世界に対する監督責任があるということは初めて知りました。

 相撲協会の理事長が文科省に出向き、説明をしたり、指導を受けたりしていることにまず驚きましたが、さらに文部科学副大臣(のひとり)が、国会で演説中にぶち切れて民主党の議員に水をかけた松浪健四郎さんだったということにも驚きました。相撲も松浪さんも学問・研究の省とはとてもそぐわない存在に思えたからです。ついでに申し添えておけば、もうひとりの文部科学副大臣が華道家の池坊保子さんであることも知り、これも似つかわしくないと感じてしまいました。(こちらをご覧下さい。)

 スポーツであるかどうかはさておき、誰が見ても商業主義の世界にある格闘技興業にすぎない相撲が文科省の指導に下にあるということは、相撲協会に文部科学省から税金に由来する予算がつぎこまれていることを意味していると思います。

 調べてみると日本相撲協会は財団法人であり、どうやらこの法人資格が文科省によって与えられているような記述がありました。Wikipediaによると、財団法人とは公益法人一つで、ある特定の個人や企業などの法人から寄付された財産(基本財産)で設立され、これに対する金利を主要な収入として運営する法人ということになっています。民法の規定により「学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団又は財団であって、営利を目的としないものは、主務官庁の許可を得て、法人とすることができる」となっていますので、相撲協会の主務官庁が文科省ということのだと理解されます。

 同じような位置に日本サッカー協会や日本高等学校野球連盟があることを考えると、相撲協会があるのはそんなにおかしいことではないのかもしれませんが、不透明な寄付を含めた収入のことを考えると一民間企業としてやっていけると思われるような相撲協会を文科省の「下」に置いておく意味はどこにあるのでしょうか。プロレスやK-1も文科省の下にあるでしょうか。

 さらに、報道などで文科省がその気になれば(財団法人の資格を取り消せば)、相撲が「国技」ではなくなるというような記述があるのにもはなはだしい違和感を感じます。文面どおりに解釈すると、相撲が国技か国技でないかを決めるのは文科省の管轄ということなのだろうと思われますが、国技というものは国民全体が長い歴史の中で受け入れていくもので、一官庁が「これは国技である」と決めるようなものでは断じてないと思います。

 文科省はもう少し、教育や科学そしてアマチュアスポーツのことだけに集中してもらえないものでしょうか。

 昨今の不祥事を考えるに、とりあえず相撲協会は民間の営利団体として独立してみたら良いのではないでしょうか。その上で、営業が成り立たないというのなら縮小するなり、解散するなりしてもいいのではないかと、個人的には感じています。少なくとも税金を投入してまで保護する意味があるとは思えません。

 (一部の大学もそうではないかと言われそうですが、それはそうなのかもしれないとも思います。)
by stochinai | 2007-10-01 22:44 | つぶやき | Comments(8)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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