5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

2008年 01月 05日 ( 1 )

 今朝の朝日新聞に、特集「10年後」という連載の5回目として、脱サラ・コメ農家の戸辺秀治さんという方のインタビュー記事が載っていました。

 「日本一高い」と評判のコシヒカリ(5キロ1万4700円)の生産をしている方なのだそうです。完全無農薬で機械は使わない人力農法で作っているのだそうで、そう考えると決して高くはないようです。

 「いざという時でも安全な食べ物をつくり、家族を守ることができるようにと始めました」という動機は、それほど珍しいものではないと思いますが、「私の田は70アール。人力では最初はきつかったですが、体が鍛えられ、安全なものを食べるから病気にもならず、安上がりですよ」とおっしゃる55歳はとても頼もしいというか元気づけられます。

 「昨年は肥料を使わず、収穫は16%伸びた。根がすごく張った。肥料がたりないくらいがイネも強くなります。人と同じですね」には、現場の人の強さを感じます。

 それよりなにより、感動したのは身の丈にあった生活を送っていることに自信を持っていることを感じさせられる次の言葉です。多くの農家の人が未来がないと嘆いているという記者の問いかけに答えて、
年収300万円の豊かな暮らし_c0025115_13362912.jpg
 米作りの収入だけでは生活できないので、副業とアルバイトをしているのですが、自分のことをワーキングプアと嘆くのではなく、生活を楽しんでいる様子が伝わってきませんか。

 都会では年収300万円だとギリギリの「苦しい」生活になってしまい、心までも貧しくなってしまいそうですが、なんだかうらやましさすら感じさせられるこうした生き方に学ぶことはたくさんありそうです。

 彼よりも高額の所得を得ている人で、「満足感が高く、食べるものがおいしく、お金がかからない生活をぜひやってみてください」という言葉を笑い飛ばせる人はどのくらいいるのでしょうか。私は負けている気がします。

 生きるということの意味を考え直させてくれる素晴らしい人(家族)だと思いました。

 きちんと取材してこういう記事を書いてお金を取るならば、新聞にも未来がないわけではないとも感じました。朝日新聞の小山田研慈さん、これからも良い記事をお願いします。
by stochinai | 2008-01-05 14:07 | つぶやき | Comments(83)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai