2008年 02月 25日 ( 3 )
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2008年 02月 25日
北海道大学における入試方式の旧体制復帰
北海道新聞で報道されて、結構あちこちで引用されているようですので、私が黙っているのも変なので、軽くコメントをしておきたいと思います。
北大入試 「文類」「理類」復活へ 11年度にも 学部別募集も継続
それが、1979年から文類は文I、文II、文III、理類は理I(数物)、理II(化),理III(生物)、に細分化されました。医歯進、水産には手がつけられませんでした。
そして、1995年からはさらに細分化して、学部別募集になっています。学部別募集といっても、理学部などは学科による学問的分野の差が大きいため、4つの系(数理系、物理系、化学系、生物系)という事実上の学科別募集を行ってきたのですが、2006年から5重点選抜群(数学、物理、化学、生物、地学)という方式になっています。この方式では、どの重点選抜群を選んだかとは無関係に、入学後1年半の間は「理学部生という一つのプール」に入れられひとくくりの教育を受けた後に、2年生後期から学科に分属することになっています。
昨年、この方式によるはじめての学部分属があったばかりの制度なのですが、これがまた3年後の2011年にはご破算になり、全学的な系あるいは類による大くくりの募集になるということになるようです。
先日のICUのニュースで書いた私のエントリー「大学入学まで専攻分野を決めない」にもあるように、私は大きなくくりの入試に賛成です。ですから、今回の北大の「旧体制への復帰」には基本的に賛成なのですが、コロコロと制度をいじりまわすその軽さには、(私も制度改変の責任の一端を追うべき立場にあることを自覚した上で、自己)批判をしておかなければならないと思っています。ネコの目のような制度改革の繰り返しのために、最近の大学には常に複数の制度の下で入学した学生が共存している状態がずっと続いています。この状態の下では、全体を正確に把握している学生も教員も少なく、それに留年などが重なるともはやカオスです。
そして、何よりも問題だと思うのは、入試制度改革がいつも学部・学科の都合(人気の低下・偏差値の低下)に原因があって提案され、実行されているように見えることです。私の知る限り、学生の教育をどうすべきかという見地から新しい制度が提案されたという記憶はまったくありません。その証拠が、今回の32年前の制度への復帰ということにはならないでしょうか。記事にも書いてあります。
大学を考えるで書かれているように、「入試とカリキュラムは連動していないといけません。したがって、検討しているという『総合教育部』のような存在は必須でしょう。全学部の教員が、総合教育部に携わることになるのでしょう」ということになれば良いのですが、現実には現在でもなお引きずられている「旧教養部の教員定員と連動して動いている全学教育の集中的負担」がリセットされない限り、学生に不人気に「パンキョウ=一般教養」が解消されることにはならないと思います。
変えるべきは制度ではなく、大学人の意識と姿勢なのですが。
北大入試 「文類」「理類」復活へ 11年度にも 学部別募集も継続
北大はかつて「文類」「理類」など学部を横断する単位で学生を募集し、教養部所属の後に成績順で各学部に振り分ける方式を採用。その後、入学時から専門性を高めるため、「文1」「理2」などによるやや細分化した枠での募集を経て、一九九五年度に現行の学部別募集に移行した。ここでも何度か触れたことがあると思いますが、私が受験した頃の北大は医進、歯進、水産類以外は理類と文類というくくりで入試が行われていました。その頃は、生物はまったく人気がなく、今では考えられないことですが、理類1200人中1000番以下でも、獣医学部や理学部生物に進学する学生が普通にいたものです。
予定通り一一年度から文類、理類の「大くくり」での試験導入が決まれば、十六年ぶりの大幅な制度改正となる。
それが、1979年から文類は文I、文II、文III、理類は理I(数物)、理II(化),理III(生物)、に細分化されました。医歯進、水産には手がつけられませんでした。
そして、1995年からはさらに細分化して、学部別募集になっています。学部別募集といっても、理学部などは学科による学問的分野の差が大きいため、4つの系(数理系、物理系、化学系、生物系)という事実上の学科別募集を行ってきたのですが、2006年から5重点選抜群(数学、物理、化学、生物、地学)という方式になっています。この方式では、どの重点選抜群を選んだかとは無関係に、入学後1年半の間は「理学部生という一つのプール」に入れられひとくくりの教育を受けた後に、2年生後期から学科に分属することになっています。
昨年、この方式によるはじめての学部分属があったばかりの制度なのですが、これがまた3年後の2011年にはご破算になり、全学的な系あるいは類による大くくりの募集になるということになるようです。
先日のICUのニュースで書いた私のエントリー「大学入学まで専攻分野を決めない」にもあるように、私は大きなくくりの入試に賛成です。ですから、今回の北大の「旧体制への復帰」には基本的に賛成なのですが、コロコロと制度をいじりまわすその軽さには、(私も制度改変の責任の一端を追うべき立場にあることを自覚した上で、自己)批判をしておかなければならないと思っています。ネコの目のような制度改革の繰り返しのために、最近の大学には常に複数の制度の下で入学した学生が共存している状態がずっと続いています。この状態の下では、全体を正確に把握している学生も教員も少なく、それに留年などが重なるともはやカオスです。
そして、何よりも問題だと思うのは、入試制度改革がいつも学部・学科の都合(人気の低下・偏差値の低下)に原因があって提案され、実行されているように見えることです。私の知る限り、学生の教育をどうすべきかという見地から新しい制度が提案されたという記憶はまったくありません。その証拠が、今回の32年前の制度への復帰ということにはならないでしょうか。記事にも書いてあります。
北大は○七年度、大学全体の入学者に占める道外出身者の割合が初めて五割を下回った。大学内で「全国レベルで優秀な学生を集めなければ、世界の研究・教育拠点としての地盤が揺らぎかねない」との危機感が強まっていることが、こうした入試改革の背景にある。そして、次の記述は廃止した「教養部」の復活を意味しているのではないでしょうか。
北大は文類、理類枠で入学した学生の受け皿となる「総合教育部」の導入も検討。部内に文系や理系などのコースを置き、学生は二年進級時の成績によって所属学部を選べるようにする方向。旧教養部のように専属の教官は配置しない。今までの「改革」は間違ったことだったと反省し、今度こそ50年・100年使える制度を作ろうというのであれば、私も全面的に協力を惜しまないつもりなのですが、この「新しい」制度も結局グルグル回る観覧車が一周したから戻って来ただけなのだとすると、また5年10年後には捨て去られることになるような気がしてなりません。
大学を考えるで書かれているように、「入試とカリキュラムは連動していないといけません。したがって、検討しているという『総合教育部』のような存在は必須でしょう。全学部の教員が、総合教育部に携わることになるのでしょう」ということになれば良いのですが、現実には現在でもなお引きずられている「旧教養部の教員定員と連動して動いている全学教育の集中的負担」がリセットされない限り、学生に不人気に「パンキョウ=一般教養」が解消されることにはならないと思います。
変えるべきは制度ではなく、大学人の意識と姿勢なのですが。
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by STOCHINAI
| 2008-02-25 23:16
| 大学・高等教育
|
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2008年 02月 25日
【新商品モニター】『サッポロ一番 中華そば本舗 旨み醤油ラーメン』 本日発売


早速作ってみました。普通の「3分間、待つのだぞ」タイプです。





最近の複雑な味のラーメンを食べ慣れた舌には、ちょっとストレートすぎると感じられなくもないのですが、こういうラーメンもあったよねということで時々食べたくなる味かも知れません。私にはちょっと塩味が濃い気がしたので、次回はお湯を多めに入れてみたいと思っています。

ごちそうさまでした。
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by STOCHINAI
| 2008-02-25 19:39
| つぶやき
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2008年 02月 25日
高校生のためのイベント『北海道大学 エコ・ガイダンス in 東京』
主に高校生を対象としているそうですが、それ以外の方も参加可能だそうです。CoSTEPからの案内を(基本的に)そのまま転載します。
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この度、北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)では、高校生のためのイベント『北海道大学 エコ・ガイダンス in 東京』を下記のとおり開催することになりましたCoSTEPの実習の一環として受講生が企画、運営するイベントであると同時に、洞爺湖サミットに向けての北海道大学の全学的取り組み「サステナビリティ・マラソン」の一環でもあります。高校生を主対象としておりますが、それ以外の方も参加可能です。お近くに関心のありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひご案内いただけますようよろしくお願い申し上げます。
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北海道大学の研究者と学生が、東京・表参道で「環境」をキーワードに語り合う
『北海道大学 エコ・ガイダンス in 東京』
**************************************************
と き:3月8日(土)PM 2:00~3:30 ※PM1:30より開場
ところ:環境パートナーシップオフィスEPO
(東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F)
http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html
主 催:北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/
■プログラム概要
パートA:キャンパス・エコツアー 「一緒に北大キャンパスのエコポイントを回ろう!」
実際のキャンパスの映像を用いながら、環境に関する研究に取り組む北大生が各ポイントを案内します。
パートB:トークセッション「環境と調和する持続可能な社会に向けて」
「今、必要な技術」のための研究・開発を通じて環境の価値、環境と共存することの重要性・可能性を伝えます。
ゲスト
・信濃 卓郎氏(大学院農学研究院 生物資源生産学部門 准教授)
・須田 孝徳氏(大学院工学研究科 材料科学専攻 助教)
併せて、実際に北海道大学キャンパスで行ったエコツアーで使用した「自分で作るキャンパス・ガイドブック」「ミッションシート(ガイドポイントに関する設問が書かれた子ども向けのMAP)」「音声ガイド」も展示します。
■参加対象:高校生(一般の方でも構いません)
■定員:50名 ※先着順となります。
■締切:3月5日(水)必着
■お申し込み方法:
1)氏名(ふりがな)、2)年齢、3)学校名・学年、4)E-maiを明記の上、下記のお申し込み先までE-mailでお申し込みください。
※このお申し込みでいただいた情報は、このイベントの受付や連絡、企画の参考とする以外の目的で利用することはありません。
■お申し込み・お問い合わせ先:
北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)
E-mail ecotour@costep.hucc.hokudai.ac.jp(全角@を半角@に変えてお使い下さい。)
※お申し込みのE-mailをお受け取り後、折り返しE-mailにて受付完了または定員満了のご連絡を行います。3日以内に連絡がない場合、お手数ですが再度お問い合わせください。
※同じ内容を、以下のURLでも見ることが出来ます。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/event/detail.php?id=81&type=event
※イベントのポスターのデータです。
http://sw2008.jp/marathon/img/CoSTEP0308.pdf
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この度、北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)では、高校生のためのイベント『北海道大学 エコ・ガイダンス in 東京』を下記のとおり開催することになりましたCoSTEPの実習の一環として受講生が企画、運営するイベントであると同時に、洞爺湖サミットに向けての北海道大学の全学的取り組み「サステナビリティ・マラソン」の一環でもあります。高校生を主対象としておりますが、それ以外の方も参加可能です。お近くに関心のありそうな方がいらっしゃいましたら、ぜひご案内いただけますようよろしくお願い申し上げます。
北海道大学の研究者と学生が、東京・表参道で「環境」をキーワードに語り合う
『北海道大学 エコ・ガイダンス in 東京』
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と き:3月8日(土)PM 2:00~3:30 ※PM1:30より開場
ところ:環境パートナーシップオフィスEPO
(東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F)
http://www.geic.or.jp/geic/intro/access.html
主 催:北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/
※文部科学省の「科学技術振興調整費・新興分野人材養成プログラム」に採択され、2005年10月に北海道大学が開設した、科学技術コミュニケーターを育てるための教育組織です。科学技術コミュニケーターとは、科学技術の専門家と一般市民との間で、科学技術をめぐる社会的諸課題について双方向的なコミュニケーションを確立し、国民各層に科学技術の社会的重要さ、それを学ぶことの意義や楽しさを効果的に伝達しうる人材です。協 賛:北海道大学 工学部 ヒューマンリソース推進部
■プログラム概要
パートA:キャンパス・エコツアー 「一緒に北大キャンパスのエコポイントを回ろう!」
実際のキャンパスの映像を用いながら、環境に関する研究に取り組む北大生が各ポイントを案内します。
パートB:トークセッション「環境と調和する持続可能な社会に向けて」
「今、必要な技術」のための研究・開発を通じて環境の価値、環境と共存することの重要性・可能性を伝えます。
ゲスト
・信濃 卓郎氏(大学院農学研究院 生物資源生産学部門 准教授)
根圏微生物と植物の共生関係の確立について研究し、植物が元々持つ能力を農業に活用することを試みられています。
・須田 孝徳氏(大学院工学研究科 材料科学専攻 助教)
水素吸蔵合金のさまざまな物性を研究されています。この成果を活かして、他の先生と一緒にローエネルギーハウスで未来のエネルギー貯蔵方法・水素燃料電池を開発中です。
併せて、実際に北海道大学キャンパスで行ったエコツアーで使用した「自分で作るキャンパス・ガイドブック」「ミッションシート(ガイドポイントに関する設問が書かれた子ども向けのMAP)」「音声ガイド」も展示します。
■参加対象:高校生(一般の方でも構いません)
■定員:50名 ※先着順となります。
■締切:3月5日(水)必着
■お申し込み方法:
1)氏名(ふりがな)、2)年齢、3)学校名・学年、4)E-maiを明記の上、下記のお申し込み先までE-mailでお申し込みください。
※このお申し込みでいただいた情報は、このイベントの受付や連絡、企画の参考とする以外の目的で利用することはありません。
■お申し込み・お問い合わせ先:
北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)
E-mail ecotour@costep.hucc.hokudai.ac.jp(全角@を半角@に変えてお使い下さい。)
※お申し込みのE-mailをお受け取り後、折り返しE-mailにて受付完了または定員満了のご連絡を行います。3日以内に連絡がない場合、お手数ですが再度お問い合わせください。
※同じ内容を、以下のURLでも見ることが出来ます。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/event/detail.php?id=81&type=event
※イベントのポスターのデータです。
http://sw2008.jp/marathon/img/CoSTEP0308.pdf
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by STOCHINAI
| 2008-02-25 18:36
| 教育
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