5号館を出て

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2008年 03月 02日 ( 1 )

 昨日の夕刊の記事にこれが出ていて、最初は意味がわからずしばらく呆然と記事を見ていた記憶があります。

 博士養成、ベトナムから1千人 政府、ODAで受け入れ
 政府は08年度から20年度にかけて、途上国援助(ODA)を使ってベトナムの若者1000人以上を日本の大学院に入学させ、博士を養成するプロジェクトを始める。

 外務省などによると、ベトナムが求めているのは主に理系の分野で、情報技術(IT)、機械工学、素材、ナノテクなどの先端技術をはじめ、全般にわたる。ベトナムから国費で受け入れている博士課程の留学生は現在年25人程度だが、この枠を08年度から徐々に拡大し、3年後をめどに大規模な受け入れを目指す。

 受け入れに前向きな主な大学院は東京、京都、早稲田、慶応、立命館、長岡技術科学など。日本側は200億円以上の費用が必要とみられる。

  日本側としては、優秀な若者を日本で育て、両国の関係を深めたい思惑がある。
 一般的には、日本が東南アジアの学生を育てるというのは良いことだと思います。ポスト中国として、日本の経済を支えてくれる基盤としてベトナムに期待しているということもあるでしょう。しかし、日本の学生がそっぽを向き始めた博士課程をベトナムの学生で埋めることで根本的な問題は解決するのでしょうか。

 この記事と並べてみると、ため息が出るのではないでしょうか。

 日本で博士課程定員割れ、就職難が背景=日経
 日本で博士課程修了者の就職難が広がり、大学院博士課程で、2007年度の入学志願者数が定員割れを起こしていることが分かった。日本経済新聞が27日付で報じた。

 文部科学省が学校基本調査などの結果を基にまとめた統計によると、07年度の博士課程の入学定員は約2万3400人だったのに対し、志願者は定員の89%に当たる約2万773人にとどまった。数字上は博士課程に志願すれば誰でも入れる「全入状態」になっている。特に工学系で定員5503人に対し、志願者数が65%の3560人、理学系でも定員2070人に対し、志願者数が69%の1419人に低迷するなど、理工系を中心に「博士離れ」が進んでいる実態が浮き彫りとなった。
 とりあえず、この二つには直接の関係はないのかもしれませんが、余った博士の定員をとりあえずベトナムの学生で満たしておくことが、外務省・文科省それに定員割れを起こしそうな大学という3者の利害が一致するところで、こうした方針が「名案」として出てきたのではないかと危惧しています。

 今までも、この手の名案は結果的に「迷案」となって、ものごとがどんどん悪い方へ動いていくという歴史が重ねられてきた気がしてなりません。

 こういうことが、どんどんトップダウンで進行していくのでしょうか。

 大丈夫か、ニッポン!
by stochinai | 2008-03-02 23:59 | 大学・高等教育 | Comments(11)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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