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[ 2008-03 -10 22:42 ]
2008年 03月 10日 ( 1 )
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2008年 03月 10日
気になるニュース: カーボンナノチューブで中皮腫
もう3日くらい前のニュースになるのですが、どうして他社が追ってこないのか、むしろそちらの方が気になり始めています。
ナノチューブ:投与マウスにがん…厚労省が予防策
ただ、マウスで実験をやるにあたって、たとえアスベストを使っても、吸入によってマウスに中皮腫を起こしにくいということがあることから、腹腔内注射という普通では考えにくいルートからの導入による実験であることは注意しておいたほうが良いかもしれません。それにしても、結果はアスベストと同等の「極めて強い」中皮腫誘導能が「証明」されたと言えそうです。
アスベストによる中皮腫の場合は、呼吸によって肺に吸い込まれることが原因となっていますので、今回のように液体に懸濁して腹腔に注射された実験の結果をそのまま空気中に浮遊するカーボンナノチューブが呼吸経由で取り込まれても同じように中皮腫を誘導するかどうかについても、実験的に(マウスではダメだというのならば、動物を変えるなどして)検討する必要がありそうです。
アスベストも登場した時には、ハイテクで魔法の材料と言われていたと思います。今、カーボンナノチューブは同じように言われています。
我々は、アスベストの教訓を生かして先取りしたリスク回避策を取るべきでしょう。
ナノチューブ:投与マウスにがん…厚労省が予防策
電気製品などへの応用が期待される筒状の炭素ナノ材料「カーボンナノチューブ」を投与したマウスに中皮腫ができたことを、国立医薬品食品衛生研究所などが確認した。カーボンナノチューブは化学的毒性は想定できないと思われるのですが、同じ性質を持ちながらも中皮腫というきわめて悪性のがんの原物質とされるアスベスト(石綿)と形状が似ているので、以前から危ないかもしれないと指摘されていたのですが、ついに実験的にその危険性を指摘する結果が出たということだと思います。
ただ、マウスで実験をやるにあたって、たとえアスベストを使っても、吸入によってマウスに中皮腫を起こしにくいということがあることから、腹腔内注射という普通では考えにくいルートからの導入による実験であることは注意しておいたほうが良いかもしれません。それにしても、結果はアスベストと同等の「極めて強い」中皮腫誘導能が「証明」されたと言えそうです。
発がん性をより早く調べるため、がん抑制遺伝子「p53」を欠失させたマウス(生後9~11週)を4群に分け、粒径が平均約100ナノメートル(ナノは10億分の1)で長さの異なるカーボンナノチューブ、アスベスト(青石綿)、炭素ナノ材料で球形の「フラーレン」、何も含まない溶液を注射。カーボンナノチューブについては、長さが5マイクロメートル以上のものの影響を観察した。p53というがん抑制遺伝子が働かない条件にしたマウスではありますが、この発症率は異常に高いと思います。
カーボンナノチューブ群では、84日目に初めて腹腔内に中皮腫が見つかり、その後の180日間で16匹中14匹にできた。青石綿でも18匹中14匹で見つかったが、フラーレンと溶液の群では腫瘍(しゅよう)は見られなかった。
アスベストによる中皮腫の場合は、呼吸によって肺に吸い込まれることが原因となっていますので、今回のように液体に懸濁して腹腔に注射された実験の結果をそのまま空気中に浮遊するカーボンナノチューブが呼吸経由で取り込まれても同じように中皮腫を誘導するかどうかについても、実験的に(マウスではダメだというのならば、動物を変えるなどして)検討する必要がありそうです。
アスベストも登場した時には、ハイテクで魔法の材料と言われていたと思います。今、カーボンナノチューブは同じように言われています。
我々は、アスベストの教訓を生かして先取りしたリスク回避策を取るべきでしょう。
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by stochinai
| 2008-03-10 22:42
| 医療・健康
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