5号館を出て

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2008年 08月 03日 ( 1 )

 いつも勉強させていただいているMatimulogさんのところに、新聞各社が行った世論調査の結果について言及されているが、おっしゃるとおりおもしろい結果になっています。

朝日新聞---内閣支持率は24%で、前回(7月12、13日)の24%から変わらなかった。
毎日新聞---福田改造内閣の支持率は7月の前回調査比3ポイント増の25%だった。
産経新聞(共同通信)---改造内閣の支持率は31・5%と、前回7月の調査から4・7ポイント上昇
読売新聞---福田改造内閣の支持率は41・3%、7月の支持率26・6%に比べて評価は好転した。

 いずれも、新聞社の立ち位置に近い値が出ているところが、私としてはまず笑えました。

 確かに読売の支持率の異常ぶりが目立ちますので、Matimulogさんも「これほどまでに異なると、読売新聞の調査サンプルは何?と思わざるを得ない」とおっしゃってますし、八国山だよりさんも「大分の教師採用試験で数字の操作があったが、同様に読売も…?」と書いているので、操作の可能性は否定できないところではありますが、朝日が24%、毎日が32%であることを考えると、32プラスマイナス10くらいのところにはいっているというふうに見ることもできるかもしれません。

 朝日では無作為に選んだ有効回答数が約1000人からの聞き取りデータで、回答率が58%と書いてありますので、各社ともいちおう同じくらいのサンプルを集めたものなのでしょう。

 では、ねつ造に等しい数字操作以外に上のような数値が出る可能性はないのかというと、あるのではないかというのが私の感触です。

 まず、ランダムに選ばれた人のところに電話がかかってくるとします。その人が読売新聞がとても嫌いだった場合には、はなから読売のアンケート調査に協力したくないということで回答拒否をするのではないでしょうか。同じように、各社のアンケートでも調査主体の好き嫌いが回答者の「思想構成率」に反映することで、最初のバイアスがかかると思います。(共産党が同じような方法でアンケートをとってもらえれば、わかると思います。)

 そして、私が想像するこういうアンケートの結果に対する最大のバイアス要因は、聞き取り調査というスタイルの場合、回答者が調査する側の期待する回答に近づくように偏向するのではないかということです。学生とつきあっていると感じることが多いのですが、無記名で記述式のアンケートを取った場合には、けっこう自由な回答が出てくるのに対して、面と向かって質問すると、学生はどうも「こちらが気に入るような答えをする」という傾向があるように感じられます。

 同じように、路上インタビュー放送などを見ていても、(選別していることもあるのでしょうが)取材している側が期待していると考えられるような答えが続々と出てくるというのが、日本人の国民性なのではないかと思うことが、しばしばあります。

 というわけで、読売新聞のアンケートに答える人は、読売がすごく嫌いな人ではない上に、読売がどんな答えを欲しがっているのかという「空気を読んで」、ついつい協力してしまった結果が、異例の高支持率となったという「仮説」はどうでしょう。

 いずれにしても結論としては、こういう世論調査は使えないということに変わりはないのですが。
by stochinai | 2008-08-03 19:39 | コンピューター・ネット | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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