5号館を出て

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2008年 11月 06日 ( 1 )

 先ほど放送していた、NHKのクローズアップ現代は、日本の公教育がすでに崩壊してしまったことを示していました。

11月6日(木)放送
教育に穴が空く
~“非正規”教員 依存のひずみ~


 昔から、小中高校の非常勤講師をする方々の多くは、チャンスがあれば正規教員になりたいと思っているので、信じられないほどの待遇の悪さにも耐えて、お小遣い程度にしかならない非常勤講師を続けながら、教員試験に挑んできたのだと思います。

 ところが、「財政難に苦しむ多くの自治体では、ここ数年、教育予算を抑えるため、正規の教員数を削減し続けてきた」ということです。ということは、たとえ非常勤講師を続けていても正規の教員として採用される可能性はどんどん低くなってくるわけで、これではやっておられないと非常勤講師を辞めてしまう人も増えているのではないでしょうか。

 実際、番組にでてきた非常勤の方々の生活ぶりを見ていると、見ている方がつらくなるほどのものでした。

 教員を減らしつつ、「教育現場には、少人数学級など『きめ細かな教育』が求められている」として非常勤の採用を増やそうというわけですから、数のミスマッチが起こるのは当然すぎるほど当然のことです。そして非常勤講師の数が、なんと「教師全体の少なくとも14%に上っている」と聞いては、この国は教育を放棄したのだと思いました。

 実は、これは小中高の公教育のことだけではなく、近い将来国立大学にも起こりうることだと思われます。

 今はまだ、大学教員を目指して非常勤講師やポスドク、さらにはテクニシャンで糊口をしのいでいる人が多いので、顕著には見えていないと思いますが、この先は大学、特に研究環境の整っていないところに就職したいという人は激減するだろうということが予測されます。つまり、大学教員になったからといって、必ずしも研究環境が保証されているわけではないことや、大学の教員や事務員が減る一方で、教育や事務的雑用の負担が年々増大しているのが、今の大学だからです。

 それが、知れ渡ってくると、臥薪嘗胆長い年月をかけて苦労してまで大学の教員になろうと思う人は減ってくるだろうと思います。

 就職希望者がいなくなるということは、その業種はすでに崩壊していると考えられますので、今や日本の小中高の教育は崩壊しており、やがて大学も崩壊するだろうということを予感させる番組でした。

 しかし、ここまでひどいことになっても、何も変化が出てこないということは、国民が教育を必要としていないということなのでしょうか。その一方で大臣経験者やどこぞの知事さんが、もはや亡霊のような存在に過ぎない日教組批判を繰り返しているという状況は、ブラックジョークですらありません。

 大学ならばいらないという人がいても不思議はありませんが、小中高校もいらないと思われているのでしょうか。あるいは、教育のことを考えるほどの余裕がないほど、生活に追われているのでしょうか。

 ちょっと、わからなくなってきました。

 winter-cosmosさんも頭をかかえておられるようなので、トラックバックを送ります。
by stochinai | 2008-11-06 21:11 | 大学・高等教育 | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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