5号館を出て

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2008年 11月 18日 ( 1 )

大麻、麻生

 札幌地下鉄南北線の北端の駅は麻生です。総理大臣の苗字と同じ字ですが、「あそう」ではなく「あさぶ」と読みます。昔、たくさんの大麻が生えていたところだったのだと思います。古くからの札幌人は「あざぶ」と呼ぶのですが、いつの頃からか「あさぶ」が正式名称になったようです。一説には東京の「麻布」が「あざぶ」なので、札幌の僻地は「あさぶ」と改名したのではないかと、ひそかにひがんでいる私です。

 また、札幌からJR線に乗って東へ少し行くと、江別市大麻(「たいま」ではなく「おおあさ」)というベッドタウンが広がっています。そこにも、大麻の草原があったのではないでしょうか。

 札幌駅の北には「テイセン・ホール」という多目的ホールがありますが、そこは昔帝国製麻という麻の織物工場があったところです。おそらく敗戦後、米国進駐軍(古い!)の指導により麻以外の織物を作るようになって帝国繊維と名前が変わったので、テイセンと呼ばれるようになったのだと思います。

 いずれも「麻」あるいは「大麻」と関係した地名や産業関連施設で、北海道には昔から麻が自生していたり、栽培していたりした歴史を反映しているものだと思います。北海道では今でも、あちこちに大麻が自生しており、抜いても抜いてもまた生えてくるという状況なので、それを入手して吸飲してみようという人間が出てくることに不思議はありません。

 そもそも、日本では敗戦によってアメリカ文化が入ってくるまでは、日本では大麻が麻薬だという認識はなかったのだと思います。

 このところ、急に大学生や今日は高校生の「大麻汚染」が問題になっていますけれども、1970年代の北海道大学ではおそらく大麻を吸ったことがあるという学生は数十人から100人以上はいたと思います。今でも、数人から数十人は間違いなくいるのではないかと推測されます。当時はやっていたシンナーや睡眠薬などの濫用に比べるとはるかに安全な「遊び」だと思われていたものですが、大麻取締法違反で大量に検挙されたということは聞いた記憶がありません。ただ、よくネパール遠征から帰った山岳部などが、マリファナを持ち帰ってつかまったというようなことがあったような・・・・、記憶がはっきりしません。

 いずれにせよ、北海道では知識を持って原野を探すと今でも簡単に大麻を発見できるようですから、ネットでメールを使った取引をするなどという、逮捕してくれと言わんばかりの証拠を残してやるような愚か者は少ないのかもしれません。しかし、例の大麻の種を売った業者のコンピューターには2000人以上の顧客名が残されていたそうですから、何人かは札幌にいても不思議はありませんが。

 何を言いいたいのかというと、ひとつは「最近の学生が急に悪くなって、大麻に汚染された」ということでもないし、法律違反なので逮捕されるのは仕方がないとしても、そんなに大げさに報道するほどの罪悪なのかということを感じるということです。大学生が死亡交通事故を起こしても必ずしも報道されないことと比べると、ことの重大性から考えてバランスが悪いと思われてなりません。

 もちろん、大元で大麻の種を売って金儲けしているヤツは大いに叩かれてしかるべきですが、そいつらに種を一粒1000円とかで売りつけられてボラれた上に、ちまちまと下宿で植物栽培をしていた連中が大学生であるというだけの理由でこんなに大げさに報道されるべきなのかというと、やはり報道する側の姿勢にも、大きな問題があると思えてなりません。

 最近にニュース報道をみていると、大きなニュースから順番にやるのではなく、バラエティ番組と同じ「乗り」で、受けそうなニュースばかりが優先されているような気がします。今は、有名大学の大麻が「旬」ということになるのでしょうか。今日は北海道で高校生が起訴されたというニュースが出ていますが、今度は中学生でしょうか。残るは、国立大学生ですよね。

 権力の監視機構として生まれたはずの報道が、ちっぽけな個人を叩いているのを見ると、その本来の目的を忘れているではないかと感じる「大麻事件報道」です。
by stochinai | 2008-11-18 21:43 | 札幌・北海道 | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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