2009年 06月 26日 ( 2 )
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2009年 06月 26日
クローンウシ・ブタの安全が答申されたのに販売自粛継続とは
昨日、内閣府の食品安全委員会がクローン食品を「安全」と認める評価書を正式に決定し、厚生労働省に答申しました。諮問した厚生労働省はその答申を受けて、当然流通を解禁するものだと思っていました。
ところが、先ほどのニュースによれば、農水省としては当面は一般への流通に関しては自粛要請を継続する、つまり流通の解禁はしないという方針を決めて発表したとのことです。
47ニュースから引用します。
一方、朝日のニュースなどでは、もっぱらコスト高が強調されています。
そもそも、食費安全委員会への諮問はなんのためにやったのでしょうか。クローン家畜を我々が食べても安全かどうかを検討するためです。その結果、「安全」と判定されたのですから、当然市場への流通を許可するということでなければ安全委員会への諮問の意味がなくなります。忙しい委員を長い時間拘束して検討した結果が使われないということならば、今後は委員の引き受け手もいなくなるでしょう。
それとも農水省はクローンウシやクローンブタには特別の価値があり、ブランドもののクローンならば普通に繁殖されたウシやブタより高く売れるとでも思っていたのかもしれません。価格というものは市場が決めるものですから売れ行きが悪ければ値段は下がります。たとえクローンウシが安全だと発表されても、同等の肉と同じあるいは高い値段だったら買う人は少ないでしょう。つまり、クローン家畜は遺伝子組み換え作物と同じように値段が安くなければ売れないのです。そういう意味では、クローン家畜は遺伝子組み換え作物とは根本的に違った存在で、最初から一般の食品として流通させることは無理だということはわかっていたはずです。
市場価格としてたとえば、同等の肉よりも3割から5割安ければ間違いなく売れると思います。半額なら私も買うかもしれません。しかし、クローン家畜の生産には、普通の家畜に比べると何倍もの資金が投入されているでしょうから、そんなものは誰も作ろうとは思わないでしょう。
ここまで書いてきてわかりましたが、農水省はクローンウシを食用にしようという計画を持っていろいろな予算を獲得してきたのかもしれません。そうだとすると、その目論見(といえるほどのものではありません)が破綻したことを受けて、肉畜のクローン生産をやめるということにしたということが今回の流通自粛継続ということなのかもしれません。
そうだとすれば、どうせこの先作る予定もないクローン家畜を市場に流して大きな議論を巻き起こし、しかも肉は売っても売っても赤字が増えるだけということになる地獄から逃げたというのが本音なのかもしれません。そう考えると、農水省の意味不明の行動の意味が非常にすっきりと理解できます。
それが本当だとしたら、あまりにも情けない行政と言わざるを得ません。
ところが、先ほどのニュースによれば、農水省としては当面は一般への流通に関しては自粛要請を継続する、つまり流通の解禁はしないという方針を決めて発表したとのことです。
47ニュースから引用します。
流通解禁を見送った理由について農水省は、一層の科学的知見の収集と消費者への情報提供が必要と説明しており、消費者からの不安の声に応えた形だ。現在の技術では生産率が極めて低く、商業生産への利用が見込まれないことなども挙げた。クローン家畜を作る技術はまだまだ研究段階ですから、その生産価格を考えたら当然採算がとれるようなものではありません。それは安全性とは関係なく、最初からわかっていたことです。
一方、朝日のニュースなどでは、もっぱらコスト高が強調されています。
農林水産省は26日、「クローン牛は『安全』と思うが、生産率が極めて低く、コストが高くなるため、食用として市場に回すことは見込めない」として、当分の間は引き続きクローン牛生産を研究に限定することを明らかにした。どうも意味がよくわかりません。
そもそも、食費安全委員会への諮問はなんのためにやったのでしょうか。クローン家畜を我々が食べても安全かどうかを検討するためです。その結果、「安全」と判定されたのですから、当然市場への流通を許可するということでなければ安全委員会への諮問の意味がなくなります。忙しい委員を長い時間拘束して検討した結果が使われないということならば、今後は委員の引き受け手もいなくなるでしょう。
それとも農水省はクローンウシやクローンブタには特別の価値があり、ブランドもののクローンならば普通に繁殖されたウシやブタより高く売れるとでも思っていたのかもしれません。価格というものは市場が決めるものですから売れ行きが悪ければ値段は下がります。たとえクローンウシが安全だと発表されても、同等の肉と同じあるいは高い値段だったら買う人は少ないでしょう。つまり、クローン家畜は遺伝子組み換え作物と同じように値段が安くなければ売れないのです。そういう意味では、クローン家畜は遺伝子組み換え作物とは根本的に違った存在で、最初から一般の食品として流通させることは無理だということはわかっていたはずです。
市場価格としてたとえば、同等の肉よりも3割から5割安ければ間違いなく売れると思います。半額なら私も買うかもしれません。しかし、クローン家畜の生産には、普通の家畜に比べると何倍もの資金が投入されているでしょうから、そんなものは誰も作ろうとは思わないでしょう。
ここまで書いてきてわかりましたが、農水省はクローンウシを食用にしようという計画を持っていろいろな予算を獲得してきたのかもしれません。そうだとすると、その目論見(といえるほどのものではありません)が破綻したことを受けて、肉畜のクローン生産をやめるということにしたということが今回の流通自粛継続ということなのかもしれません。
そうだとすれば、どうせこの先作る予定もないクローン家畜を市場に流して大きな議論を巻き起こし、しかも肉は売っても売っても赤字が増えるだけということになる地獄から逃げたというのが本音なのかもしれません。そう考えると、農水省の意味不明の行動の意味が非常にすっきりと理解できます。
それが本当だとしたら、あまりにも情けない行政と言わざるを得ません。
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by stochinai
| 2009-06-26 20:05
| 医療・健康
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