5号館を出て

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2009年 07月 20日 ( 2 )

 Biotechnology Japan ではヘッドラインしか読めないのですが、興味深い記事が載っていました。

 「日本の生物学教育はヒト生物学と統計学が欠けている」、筑波の生物学オリンピックで齋藤淳一・日本代表団チームリーダー
 「生物学教育のカリキュラムは国によって内容が異なるので、国際生物学オリンピックでは、キャンベル生物学(Campbell/Reece BIOLOGY)を出題の準拠にしている。日本に欠けているのは、ヒトの生物学と統計学の2分野だ」。
 先日の国際生物学オリンピックでは、参加した4人の日本人高校生のうち、一人が日本人として初の金メダルを取るという快挙を達成したほか、残りの3名も全員が銀メダルという優秀な成績でした。

 まあ、日本でやったというアドバンテージもあったでしょうし、参加した世界の高校生221人のうち、金メダルは成績上位の約10%、銀メダルはそれ以下の約30%までに与えられるということですので、金メダルが20人以上、銀メダルは70人近くが取ったということで、本当のオリンピックのように金銀一人ずつというものではありませんので、参加した4人の健闘は心から称えたいと思いますが、今の日本の教育レベルから考えるとまあしかるべき成績だったと言えるのではないでしょうか。

 それにもかかわらず、日本代表団チームリーダーである東京学芸大学附属国際中等教育学校の齋藤淳一先生があえて「日本の教育ではヒトの生物学と統計学が欠けている」とおっしゃって警告したのは、日本の生物学教育(あるいは理科教育)の置かれている特殊性を危惧した上でのことなのかもしれません。

 まあ、統計学はどんな科学(自然科学だけではなく、社会科学も)をするにしても大切な基礎になるものですから、小学生の時からしっかりと教えるべきだと思いますが、生物学に関してヒトの生物学が欠けているというのはとてももったいない話だと感じました。

 私は「進化から見た病気」という本を書きましたが、あれはあくまでも私の生物学の講義ネタから出てきたもので、学生諸君に生物学のおもしろさを伝えるのには、彼ら自身が「ヒトという動物」であるということから、ヒトを材料に話を展開すると非常に良いつかみになることは経験的に把握した現実です。

 もちろん、おもしろいだけではなくヒトとして生きるためには「ヒトの生物学」は大変に重要ですから、生物学教育にそれを取り入れることの意味の大きいと思いますが、学生の目の輝きが違ってくるのがヒトの生物学なのです。

 今回の教訓から、日本の生物学教育も大きく変わってくれるといいのですが・・・・。
by stochinai | 2009-07-20 23:41 | 生物学 | Comments(5)
 今まで非公開で twitter を試していましたが、先ほど公開用のアカウントを作りました。
公開 twitter はじめました。_c0025115_1529243.jpg
 「5号館のつぶやき未満」を掲載していくつもりでいます。

 ユーザー名は: 5goukan、サイトアドレスURLは: http://twitter.com/5goukan です。

 よろしくお願いします。
by stochinai | 2009-07-20 15:30 | コンピューター・ネット | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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